ライター:倉田阿耶
「人の読書離れを憂うな」こんな言葉が本書にでてきた。ほんとそうだと思った。読書が好きな人にとって、読書とは何だろうか。楽しい、好き、趣味。それだけだ。ほんとは気づきや学びとかどうでもいい。楽しければいい。人の読書離れを憂う必要なんてないの…
空室リスク、滞納リスク、火災リスク、地震リスク、金利上昇リスク、事故リスク、損害賠償リスク、、、。不動産投資はリスクだらけだ。そして不動産投資における最大のリスクとは、情報開示がなされないことである。 不動産投資の鉄則とは、「可能な限りリス…
国とか学校とか会社とか宗教とか親とか。人はなぜ何か一つのことや、誰かを盲信したがるのだろう。たしかに、身を委ねられる相手がいると楽だ。自分は何も考えなくていいんだから。けれど思考することを放棄したら、果たしてそれは自分の人生を生きていると…
学生の頃、学校特有のあの管理されている感覚に、いつも不自由さと不快感を感じていた。決められた場所で、決められた時刻に、決められたクラスメイトと、勉強して運動する。今になって考えてみると、あんなに受動的な姿勢で、どうして勉強や運動を好きにな…
2013年1月のある夜。夫との関係がうまくいかない著者が、家出をして宿無し生活をしているところから本書は始まる。 「もっと知らない世界を知りたい。広い世界に出て、新しい自分になって、元気になりたい。」人生に疲れ切っていた著者がそう思ってとった行…
阪急電車が好きだ。平日の昼間、電車の先頭車両に乗って、車掌室ごしに移りゆく風景を眺める。くるりの「赤い電車」なんて聴きながら、カタンコトンと優しく揺られていると、なんとも贅沢で、幸福な気持ちになる。(あの曲の舞台は東京だけど) 冒頭からつい愛…
1日の3分の1は寝るし、毎日3食食べるし、髪の毛はすぐ伸びるし、朝起きたら顔を洗って歯磨きしなきゃだし、お風呂に入ってトイレにも行かなきゃいけない。人間ってつくづく、生産性の低い生き物だ。やってらんねえよってかんじだ。 反対に、スマホは充電こそ…
HSPと言われる、生まれつき繊細な人がいる。日本では「とても敏感な人」「敏感すぎる人」と訳されているが、著者は親しみを込め「繊細さん」と呼んでいる。そんな繊細さんは生まれつきもつ繊細さを、もっと大切にしていい。むしろ繊細さを大切にすることで元…
広告に対してどんなイメージを持っているだろうか?広告めっちゃ好きです!みたいな人はあまりいないと思う。むしろ、見たくもないときに見たくもないものを見せられて嫌いだ。と評者は思ってしまう。 そんな嫌われ者とも言える広告に対する、著者の提案と愛…
デザインとは、あらゆるものを”より良くする”ための行為である。そして”より良い”と感じるのは私たち人である。となると、発想の真ん中には必ず「人がどう感じるか」を置くことが重要になる。 著者は本書を通して、「これからの経営にはデザインの創造性と美…
著者は書評YouTuberである。難しくてなかなか手を出しづらい古典作品を、とてもわかりやすく噛み砕いて説明してくれるので、評者は日頃からとてもお世話になっている。低めの渋い声が魅力的で、ダンディーでかっこいいおじさんを想像しながら本の説明を聞く…
私たちは、なぜ買い物をするのだろうか。もちろん、「生きるために生活必需品を得るため」という答えが返ってくるだろう。それでは、もしも生活必需品は自動的に手に入るとしたら、私たちは買い物をしなくなるのだろうか。 コロナによって、時代の流れは変わ…
本書は、自称”冴えないおじさん”の著者が、会社の隅っこに追いやられて日々を生きる世のおじさんたちに向けて、地味ながらも幸せにこの世の中を生き抜く術を書いたものである。 40代半ばにしても課長になれず、窓際係長に留まっていた冴えないおじさんが、人…
前号は電子版で読んだので、次は紙版を購入してみた。豪華著名人へのインタビュー記事や万博特設ページがあり、豊富な内容なので電子版でも十分楽しく読めるのだが、やはり紙には紙の良さがある。思えば雑誌というものを久しく買っていなかった。表紙に映る…
情報が公平に行き渡る世の中において、差をつけるのは「学習量」と「行動量」である。驚くことに、日本人は大人になってからの勉強量が先進国の中でもワースト1位なんだそうだ。理由は、「別にやらなくても何となく生きていけるから」。つまりこれを逆手に…
情報が公平に行き渡る世の中において、差をつけるのは「学習量」と「行動量」である。驚くことに、日本人は大人になってからの勉強量が先進国の中でもワースト1位なんだそうだ。理由は、「別にやらなくても何となく生きていけるから」。つまりこれを逆手に…
「私は心の中でクリスマスをたたえ、年中その気持ちを持ち続けていきたい」チャールズ・ディケンズの言葉である。ついこの間クリスマスが終わってしまい、あの温かな雰囲気が好きな評者は少し寂しい気持ちになっていたのだが、本書を読んでまたクリスマス気…
香港・マカオに別れを告げた著者は、意気揚々とバンコクへ飛んだ。しかしそこは想像とは全くかけ離れた街だった。バンコクという街は、いくら歩いても捉えられなかった。それは人々についても同じだった。いつまでたっても、著者にとってバンコクは曖昧で、…
面白い物語には必ず、魅力的な登場人物がいる。これは歴史の本にも言えることだ。しかし人間の寿命というのは驚くほど短く、歴史を貫いて登場させられる主人公がいないという問題がある。だから、本書の主人公は人類以外のものである。歴史上、長きにわたり…
著者ははじめて訪れた異国である韓国のソウルに降り立った時、いったいここからどれほど歩けばパリに辿り着けるのだろう、という感慨を抱いた。そして26歳になった著者はある日思い立った。「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗り合いバスで行こ…
「トリックアート」とは、絵画の技術を駆使し、人間の錯覚を利用することで、平面の絵なのに立体的に見えたり、見る角度によって印象が変化したりするユニークなアートのことだ。 評者は「アート」なんて言われると、なんとなく高尚で、近寄りがたいイメージ…
太宰治が感じていた虚無感がひしひしと伝わってくる作品である。読中は悲劇っぽく感じるのだが、読後、全体を俯瞰してみてみるとやはり喜劇に思える。なんとも中毒性がある作品だ。 本作は1947年に発表された、太宰治の短編である。主人公の青年がある小説家…
2017年11月、著者はがん告知を受けた。そしてその年の12月、著者はブログに本心を綴った。「自分の人生は幸せだった」と。わざわざことばにして書いたのは、周囲の人たちへの牽制だった。 著者は3年間という余命宣告を受けた。これからの3年間、自分なりに前…
評者はHIUに入り、様々な人たちと出会って話をする中で、いつも思うことがある。それは、「なんて若々しい人が多いんだろう」ということだ。 本書によると、自律神経を整えるうえで決定的に重要なのは、「ムダを手放す力」のようだ。そうか、若々しく溌剌と…
則天去私…小さな私にとらわれず、身を天地自然に委ねて生きていくこと。夏目漱石が晩年に理想とした境地を表した言葉。宗教的な悟りを意味するとも、漱石の文学観とも解されている。 主人公である学生の私は、鎌倉の海岸で先生に出会う。周りの大人とは違っ…
人が本当にやりたいことをするとき、周りからは馬鹿にする声が聞こえてくるかもしれない。しかしそれは本当に外側から聞こえているのだろうか。自分自身の声ではないだろうか。 いつも、心の中には「これをやって何になるのか」という冷静な、冷めた目線を持…
本書は、佐藤正午氏がデビュー直後に書いた、幻の未発表作品である。本屋をふらついている時に、表紙の雰囲気と、帯に書かれていた「あなたの心の中に生きているのは、誰ですか?」という文章に惹きつけられて、手に取った。 50代の男性が、幼なじみの訃報を…
「かわいそうだね?」「亜美ちゃんは美人」の二編を収録。どちらもこれでもか!というくらいに女の世界を緻密に描く。女性は大いに共感し、心のもやもやを言語化できる喜びを味わい、男性は驚きと恐怖を感じるかもしれない。 表題作の「かわいそうだね?」は…
ファシリテーターとは、ただ会議を進行する人ではなく、”場づくりを演出する人”のことである。会議をデザインし、会議をリードし、参加者にとって心地よい場づくりをすることが求められる。みんなの頭の中の情報をいかに引き出せるか。安心安全の場をいかに…
”植物はある日突然芽を出します。種を蒔いたことを忘れてしまうくらい、長い期間、土のなかで必要な水分と養分を吸収した種は、準備が整った瞬間、ひょっこりと芽を出します。そしてにょきにょきと生長を始めます。土のなかでじっとしている時間は、何も起き…