HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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小説

【書評】東野圭吾による現代版『罪と罰』

本小説、タイトルが秀逸。「光と影」、「昼と夜」、「白鳥とコウモリ」。そして、本作の「被害者の娘と、殺人犯の息子」。なぜ私の父が殺されなければならなかったのか、なぜ父は今回、そして過去と2度にわたり、人を殺めたのか。 警察や弁護士からは、事件…

【書評】ドライのギブソンをダブルで。『舵をとり風上に向く者』

初出が1986年。まだ、著者である矢作俊彦が、概ねに於いてハードボイルド作家として扱われていた頃合いであろう。ただ、この短編集に於いては銃にも暴力にも出番は無い。有るのは、端正な文章と、小気味の良いセリフと、上品さ、それから車だ。14作の短編た…

【書評】コンビニを舞台とした人間物語『コンビニ兄弟2  』

女子高校生の栗原が、同級生の美月にいったひと言。 「呆れるって、知ってるつもりだったひとがつかう言葉なんだって」 「知ってるつもりなだけで本質を分かっていないひとが、思い込みでそのひとを見ていたひとが、その言葉を使うんだって。そんなひとだっ…

【書評】ナンセンスから純文学まで、言語を遊び尽くす。『エロチック街道』

多作を誇る著者のこと、次はどれを読もうかとAmazonを検索。短編集ゆえこれといった選択の基準というものが特には無い為、やや迷うのであるが、決めるに当たってやはりタイトルは重要な要素だ。しかし、だからといって、そう言う意味で選んだのではないこと…

【書評】30代半ばの独身女がフリーターで何がわるい?『コンビニ人間』

主人公は30代半ばの女性。幼い頃から世間とのズレを感じてきた。大学生の頃にふと惹かれて始めたコンビニのバイト。求められていることが明確で、ルールに則れば非常に生きやすいことに気づく。マニュアル主義批判ではなく、他者とのコミュニケーションに不…

【書評】ありのままの自分で生きたくても生きれない人へ『漁港の肉子ちゃん』

とある漁港の焼肉屋で働く肉子ちゃんと、娘のキクりんの話。丸々と太って関西弁で、声の大きな肉子ちゃんは焼肉屋の看板娘。男に騙され、逃げられ、借金を背負わされてるのに、肉子ちゃんは今日も明るい。 一方キクりんは、細くて目が大きくとても可愛い。そ…

【書評】8ページで感じる村上春樹の世界『スパゲティーの年に』

春になると読みたくなる村上春樹の超短編小説である。出会い、別れ。遭逢、邂逅、別離、喪失という時の流れの中にある何も変わらない日常。その日常に人間の本質に迫る小説である。さぁ、村上ワールドへようこそ! この著書はスパゲティーを茹で続ける「僕」…

【書評】主人公が生身にライフル一丁で戦うという稀有なロボットアニメ。『機甲猟兵メロウリンク』

本作品は、テレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の外伝として、世界観と時間軸を同じくして制作されたOVA作品のノベライズである。1988年3月に、『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』がリリースされ、ボトムズ本家様のOVAとしては、「いや〜、これ以…

【書評】ある日突然、あなたは女のいない男たちになる『女のいない男たち』

カンヌ国際映画祭で話題となった「ドライブ・マイ・カー」を見て、原作のこの本を読んでみた。初めての村上春樹。しびれた。 6作の短編小説から構成される本作は、それぞれに女のいない男たちが登場する。離婚や死別、関係の終了など、残された男たちの喪失…

【書評】 その木に祈れば願いが叶う 『クスノキの番人』

とある町の名家で育った千舟は、人々が祈りにやって来るクスノキを、長きに渡り、守ってきた。とある事情により、その番人を突然、自身の甥、玲人に託すことになる。 千舟と玲人は、伯母と甥の関係ではあるが、異母妹の息子でもある玲人とは、様々な事情があ…

【書評】 その木に祈れば願いが叶う 『クスノキの番人』

とある町の名家で育った千舟は、人々が祈りにやって来るクスノキを、長きに渡り、守ってきた。とある事情により、その番人を突然、自身の甥、玲人に託すことになる。 千舟と玲人は、伯母と甥の関係ではあるが、異母妹の息子でもある玲人とは、様々な事情があ…

【書評】 その木に祈れば願いが叶う 『クスノキの番人』

とある町の名家で育った千舟は、人々が祈りにやって来るクスノキを、長きに渡り、守ってきた。とある事情により、その番人を突然、自身の甥、玲人に託すことになる。 千舟と玲人は、伯母と甥の関係ではあるが、異母妹の息子でもある玲人とは、様々な事情があ…

【書評】 その木に祈れば願いが叶う 『クスノキの番人』

とある町の名家で育った千舟は、人々が祈りにやって来るクスノキを、長きに渡り、守ってきた。とある事情により、その番人を突然、自身の甥、玲人に託すことになる。 千舟と玲人は、伯母と甥の関係ではあるが、異母妹の息子でもある玲人とは、様々な事情があ…

【書評】 その木に祈れば願いが叶う 『クスノキの番人』

とある町の名家で育った千舟は、人々が祈りにやって来るクスノキを、長きに渡り、守ってきた。とある事情により、その番人を突然、自身の甥、玲人に託すことになる。 千舟と玲人は、伯母と甥の関係ではあるが、異母妹の息子でもある玲人とは、様々な事情があ…

【書評】 その木に祈れば願いが叶う 『クスノキの番人』

とある町の名家で育った千舟は、人々が祈りにやって来るクスノキを、長きに渡り、守ってきた。とある事情により、その番人を突然、自身の甥、玲人に託すことになる。 千舟と玲人は、伯母と甥の関係ではあるが、異母妹の息子でもある玲人とは、様々な事情があ…

【書評】今の日本を予知していた?『河童』

著者である芥川龍之介が自殺した1927年に発表された小説。芥川の晩年の代表作であり、命日である7月24日が「河童忌」と呼ばれるのもこの由縁らしい。世の評価では当時の社会を痛烈に批判した作品のようであるが、私はありのままの人間の姿を河童に見立てて、…

【書評】日々の変化、楽しんでますか?『なずな』

赤ちゃんというのは求心力があり、周りの者を魅了して惹きつける。可愛いから?なずなを読むとそれだけではない何かを感じる。田舎が舞台のなずなと周りの人達との見えない縁の物語。都会のストレスに疲れた方に読んで欲しい。 主人公は40代半ばの新聞記者の…

【書評】例外のあるところに尊厳はない。『装甲騎兵ボトムズ 孤影再び』

32年の眠りからの覚醒。しかしそれは、新たな戦いと、愛する者との別離を招いただけの、彼にとって辛く不幸な出来事であった。その、「異能者」とも「神殺し」とも、或いは「触れ得ざる者」ともあだ名される男の目覚めの物語『赫奕たる異端』で起こした、後…

【書評】例外のあるところに尊厳はない。『装甲騎兵ボトムズ 孤影再び』

32年の眠りからの覚醒。しかしそれは、新たな戦いと、愛する者との別離を招いただけの、彼にとって辛く不幸な出来事であった。その、「異能者」とも「神殺し」とも、或いは「触れ得ざる者」ともあだ名される男の目覚めの物語『赫奕たる異端』で起こした、後…

【書評】そして祈った。自分にも、長い眠りを与えて欲しい、と。『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』

2007年から2008年に掛けて全12話のOVAが発売され、更に2009年1月には劇場版が公開されたアニメ作品のノベライズである本作は、メインで脚本を手掛けた吉川惣司氏の手による。『装甲騎兵ボトムズ』は、体長約4mのATというロボットを駆る主人公キリコ・キュー…

【書評】そうだ。俺の過去をズタズタにしたのは、あいつだった。『装甲騎兵ボトムズ ザ・ファーストレッドショルダー』

放送終了後に制作されたOVAの三作目として、1988年3月に発売された『レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』。本書も、『ザ・ラストレッドショルダー』同様、OVAの脚本を書いた著者が小説化したものである。今回は、テレビシリーズ以前の出来事を描く…

【書評】あのとき俺は、生まれて初めて心から願った。生き続けたいと。『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』

本書の著者である吉川惣司は、アニメ監督、脚本家、演出家、アニメーター、舞台演出家と幅広い才能の持ち主である。劇場版第一作目にして決定版と名高い、『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の監督、脚本、絵コンテ、演出をした人と言えば分かりも早いだろうか…

【書評】俺の安息の場所は、戦いの中にしかないんだ。『装甲騎兵ボトムズ III サンサ編』

「どこだ・・・・・・ここは」追い求めたフィアナをその手にし、キリコ・キュービーは神聖クメン王国の崩壊時、大気圏脱出用小型機で炎熱の古都から脱出した筈だった。しかし、漆黒の宇宙に飛び込んだとき、行く手に現れた巨大な光の塊に脱出機ごと二人は取…

【書評】ここへ来たのは、なにもかも忘れるためだ。『装甲騎兵ボトムズ II クメン編』

「気の狂うような熱さと湿気、熱病と死を運ぶ虫共、緑に塗り込められてはいるが・・・・・・ここは地獄に違いない」映画『ブレードランナー』の街並みを模した様なウドの街から一転。今度の舞台は、映画『地獄の黙示録』がモチーフと判然できる。だが、その…

【書評】あれは俺の運命に深く関わっているらしい。そいつはどんなさだめだ?『装甲騎兵ボトムズ I ウド編』

『装甲騎兵ボトムズ』は、1983年4月1日から1984年3月23日まで、全52話がテレビ東京系で放送されたテレビアニメであり、そのノベライズ第一弾が本書だ。しかし、出版されたのは2002年で、なんと放送終了18年後。何故、わざわざ、いまさら? しかも、執筆して…

【書評】いや、認知症小説って、そんなばかな。『世界はゴ冗談』

処女作品集『東海道戦争』を読んだ直後、今度は最新作をと思い手にした本書の初出は2015年4月。当時の筒井康隆は御年80歳である。2021年に『ジャックポット』という本も出ているのだが、そちらはどうやら私小説っぽいので本書を選んだのだ。 初っ端からいき…

【書評】どうせなら最も古い作品を読んだろか。ということで、『東海道戦争』

ここ数年、改めて筒井康隆の短編集をぽつらぽつらと散発的に読んでいる。しかし、あまりにも長い執筆年数、あまりにも多い作品の数に途方に暮れたおれは、いっそのこと最古と最新を読んでやろうと決めた。そこで、1965年に刊行された処女作品集『東海道戦争…

【書評】村上 春樹作品を読んで『海辺のカフカ 上・下』

主人公「カフカ」ともう一人の主人公「ナカタさん」の物語、読者の想像力を掻き立てる、とても不思議で壮大なファンタジー小説。 物語は、主人公である15歳の少年「カフカ」が父親との関係に悩み、家出をし、四国に向かう冒険旅から始まる。 一方、もう一人…

【書評】どっちかって言われたら、好きなものを語っていたい。『麦本三歩の好きなもの 第一集 』

『君の膵臓をたべたい』でおなじみの住野よるの作品。麦本三歩は天然で忘れっぽく、怒られてはへこみ、褒められると調子にのる。彼氏と別れて悲しんだと思えば、独り身の身軽さを楽しんだりもする。特別なことは何もない、平凡で愛おしい三歩の日常に、つい…

【書評】四面楚歌の語源とは?『項羽と劉邦』

あれ? 司馬遼太郎なのに中国の歴史小説? そう思いながら読み始めたらこれが滅法面白い。上・中・下と結構な長さであるが一気に読める。紀元前の中国。大陸を初めて統一した秦の始皇帝であったが、その非情なる圧政は民を疲弊させていた。不平不満が募る中…