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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】『宝島』 - 混沌とした時代を駆け抜ける沖縄コザの少年たち

皆さんこんにちは。終戦直後の沖縄コザ地区、米軍基地から物資を盗み出す「戦果アギヤー」と呼ばれる少年たちがいました。彼らはある日、最大の基地である嘉手納基地に忍び込みます。そこでは米軍の反撃にあい、メンバーは命からがら、リーダーは生死不明で散り散りになります。
帰らぬリーダーの消息を辿るうち、ある噂を耳にします。「予定外の戦果を得た」

戦時中から返還までの激動の沖縄を舞台に少年から男になっていく登場人物たち。「鉄の暴風」と呼ばれた本土決戦を子供時代に経験し、親を失いアメリカの軍政下で生きていきます。ところどころ琉球言葉のルビを振られた単語とともに当時の風景が鮮やかに描かれます。米軍のジープが起こす砂埃や琉球に吹く風を感じながら、少年たちの真っ直ぐな思いと行動に熱くさせられます。リーダーの生死は?「予定外の戦果」とは?サスペンス的展開を楽しみながら、当時の沖縄のアメリカ世(ゆー)から大和世(ゆー)への変化を知ることができました。

2025年には劇場版が公開されます。ヒロイン役には広瀬すずがキャスティングされています。大好きな女優ですが、原作では長身巨乳のキャラクターなのでこれじゃない感が。笑。