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オールタイムベスト書評100|③モテに関する本9選|HIU公式書評ブログ|note

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・野村公太

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・yoshimo

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・Yumi Ishii

  

・守本 桂子

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■お問い合わせ 

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■HIU書評ブログについて 
本ブログは編集長 野村 公太 および複数のメンバーにより運営を行っています。
そのため、堀江貴文イノベーション大学校(HIU)の運営元であるSNS media&consulting 株式会社や、堀江貴文氏は当ブログの運営元ではございません。
堀江貴文イノベーション大学校の運営元から公式としての運営の許可は頂いております。

 

 

【書評】何故長期的な視点が大事なのかを改めて説く『ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』

本書では、「長期的な見通しを持って行動するのが大切だよ!」というのを、具体例をふんだんに集めて解説している。この本の内容は、僕にとって、当たり前すぎるくらい、当たり前の内容が書かれている。僕自身筋トレや毒女、数学、物理学の勉強、瞑想を散々続けてきた。そもそも、何かを始めたり続けたりしてると、思い通りにいかないことが多いから、失敗咎めたってしょうがないじゃん、と思うのだが、どうやら世の中は違うらしい。この本を読んで、改めてそれを感じた。

この本でのポイントとして、まず具体例を沢山集めている、というのが挙げられるだろう。つまり、筆者の思いつきではない、ということだ。より説得力を持たせるために、多くの人の出来事を載せているのだろう。そんな彼ら全員に共通している点が、「長い間、失敗してもひたすらにやり続けたこと」である。つまり、この本が伝えたいことと言うのは、「失敗を再定義する」という項目があることからも考えて、「1度上手くいかなかったくらいで、やめるなよ。まだまだゲームは始まったばかりだぜ」であると思う。

また、全員では無いが共通する点がある。それは、思わぬ偶然で何かを手に入れている点である。例えば、夕食会を開いた時にプロジェクトを頼まれる、ニュースレターを書いていたら本の執筆の依頼が来た、などである。これは、僕自身経験があるので、非常に納得する話だ。つまり、自分から質の高いコミュニティに飛び込んでいくと、能力を思わぬ形で拾う人がいる、ということらしい。ではどうするのかと言うと、自分の能力を使って、何かしらの価値を提供し続けることらしい。これは非常に共感している。要は、自分から何か施すことが、自分でも予想しなかったリターンを得られることがある。アダム・グラント教授も言うように、「何かを与える人は、与える相手さえ間違えなければ、頂上に行ける」である。見返りを期待することなく行動するのが重要らしい。

そういうことを踏まえての「長期的な視点」というふうに筆者は伝えている。僕は元から「大局的に見る」「将来的な見通しを感じながら、頭の中で見ながら戦略的に生活している」ので、分析的な書評にした。しかし、これを意識していない人からすると、目からウロコの本であろう。僕自身、再度確認するいい機会になった。

よって、1度この本を読むことをおすすめする。

参考文献
ドリー・クラーク(2022) 『ロングゲーム  今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』 桜田直美(訳) ディスカバー・トゥエンティワン

書評者:大隈知広

【書評】未来を見据えて行動『不動産IQの魔法』

 

著者の幼少期は、風呂なし市営住宅で暮らす母子家庭で、経済的に厳しい環境だったため高校は給料をもらいながら学べる全寮制の陸上自衛隊高等工科学校
しかし、その高校も中退。その後も順風満帆とはいえない社会人のスタートだった。
紆余曲折を経て不動産業界に飛び込んだあと、仕事に真剣に向き合ったことで頭角を現し、不動産投資のスキルを磨きながら収入を着実に増やしていった。

本書では、以下のような実践的な内容が紹介されている。
・タネ銭の貯め方
・条件の良い融資の受け方
・優良物件の見極め方
・自分の能力以上の力を発揮する方法
・悪徳業者との距離の取り方
さらに、6年で33億円の資産を築いた塾生の成功例も取り上げられており、読者にとって非常に参考になる。

著者が常に心がけているのは、「理想の10年後の自分になるために、日々正しい選択をしているかどうかを自問自答すること」。
無数の選択肢がある中で、選んだ道が未来の自分や家族にどのような影響を与えるのか。
そして、その選択が本当に幸せにつながるものなのかを想像しながら、日々を積み重ねていくことが成功への鍵だと説いている。

不動産投資に興味ある方はもちろん、人生を好転させたい方に一読してほしい書籍である。

著  者:末岡由紀
発売日:2024年11月29日
メディア: 扶桑社

【書評】正にひとつの哲学書!底なし沼の小説『白痴』

この小説は、ロシアの作家、フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーによって書かれたものなんですね。しかし、小説とは言っても、現代の小説とは桁違いな点が1つあるんですよ。それは、人間関係に関する感情を、極限までに深くした点。今から、簡単な形であるが、それを紹介しますので、お付き合い下さい。

まず、この小説、面白いのが、「登場人物のセリフがやたら長いこと」にあるんですね。僕が今まで読んだ小説は、1人のセリフにせいぜい1行〜5行くらい。ところが、この『白痴』、何と平気で3ページを超えるんですよ。もちろん、全てのセリフがという訳では無いが、6割以上が、3ページを超える。中でも、登場人物である、ムイシュキン公爵がスイスの療養所でのことを語る場面があるんですけど、何と20ページ程もあるんですね。僕はワクワクしましたよ。こんな衝撃的な小説は今まで読んだことがない。つまり、文字の量に、いい意味で圧倒されるのです。

また、この小説、登場人物の行動が読めない。つまり、先が読めない物語なのですよ。例えば、登場人物で鍵を握っている女性、ナスターシャ・フィリポヴナなんかは、婚約しては直後に駆け落ち、婚約しては姿を暗ます、という行動を繰り返している。しかもこれは、何の前触れもないんですね。更に、婚約相手は、ほぼ同じ2人。読者からすれば、謎行為で意味不明でしょう。それだけ、答えの出ない不確定な状態が延々と続く小説、と言えるかもしれません。

なので、この物語は、休日の外出みたいに、「ちょっと手軽に読もう」と思うと、逆に読めなくなるのでしょう。しかし、1つの小説を、判断もせずただひたすら読む、という姿勢が返って物語を存分に味わえます。
じっくり読みたい人、哲学が好きな人、複雑な物語が好きな人、深く感情を味わいたい人、ドストエフスキーを読んだことがない人に、特におすすめかと思います。

僕は、この小説で、現代の風刺的なものを感じたんですね。つまり、先が読めず展開も分からない、正に、ある意味激動の著と言えますね。
ぜひ、じっくり読んでみてください。ちなみに僕は、この小説を読むのに、2〜3ヶ月ほどかかりました(笑)。

参考文献
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(1970〜2020) 『白痴(上・下)』※原著は1869年  木村浩(訳) 新潮社

書評者:大隈知広

【書評】英語以外の成績もあがる『中学生のための英語勉強法』

著者は大手進学塾、大学等の教育機関で延べ4000人以上の学生に英語を教えた実績を持つ人気講師。授業のかたわらで英語学習メディアの執筆・監修も担当している。

効率のよい英語勉強法というと「単語を発音とセットで覚える」「リスニング音源を繰り返し聴いて慣れる」といったことを耳にするが、著者が提唱する方法は、「スマホの言語設定を英語に変更する」「海外ドラマを英語字幕で視聴する」「自作の3行作文をSNSで発信する」など、私生活の中で英語能力を高める点が興味深い。

この書籍のおすすめ点は、英語能力が高まることで得られるメリットが下記のように段階的に記されている点である。
自信を持って授業を受けられるようになる。
表現の幅が広がることで、コミュニケーション能力が高まる。
新たな知識やアイデアに触れるなど情報収集能力が高まる。
自分の意見を海外に向けて発信できる。
最終的に、働ける国はもちろん、選べる仕事の幅が広がる。

難関高校を目指す生徒はもちろん、英語に苦手意識を持つ生徒やその保護者にも、一読して役立つ勉強方法を活用してほしい。
私も中学生のときに読んでおきたかった。

著  者:朝倉 浩之
発売日:2024年11月21日
メディア: ㈱KADOKAWA

【書評】天にいるだれかさんはおまえが気に入ってるんだよ。『タイタンの妖女』

岡田斗司夫氏が、「オススメするSF小説と言うならこの三作」と掲げた内の一作。
なので、ものは試しと手にしてみた。
作者のカート・ヴォネガット・ジュニアのことは知らなかった。
本作は長篇二作目で、当時無名だったが、後年にはヴォネガット初期の代表作とも謳われることになった。
まぁ、ヴォネガットの小説自体、本作で初めて読むので、予想もクソもなく暗中模索しながらの読書となった訳だが、人を喰ったシニカルさと残酷さを強調しながらも、根底にはユーモアを携えた物語はなかなか読み応えがあった。

なんか変な目に遭って、時空を超えて、同時に永遠にあらゆる時と場所に存在し続けるウィンストン・ナイルズ・ラムファード。
その彼に見出された全米一の大富豪マラカイ・コンスタントの受難。それは、地球から火星、水星へと、更には木星最大の衛星タイタンへと移りゆくことだった。
その目的とは? また、物語全編を貫く宗教論は、読者に何をもたらすのか?

これだけだと、なんとも良く分からんストーリーであるが、SFらしい自由な発想。その自由な内容故に、1959年に出版されたというのが信じられない程、現代でも新鮮さを保っている。
その当時の人物がこんな自由な発想でユーモアを綴っていたとは! 私にとっては、それを知れただけでも本書を読了出来た価値はある。
なるほど爆笑問題太田光さんが事務所にタイタンと名付けるほど感銘を受けたSFではあるね。
単時点的(パンクチュアル)な意味において。

タイタンの妖女
作者: カート・ヴォネガット・ジュニア
発売日:2009年2月25日
メディア:文庫本

【書評】コツコツと積み上げることが大切『5年で資産を倍にする「ずぼら長期投資」』

著者は、国立大学の大学院を修了した後、サラリーマンとして25年以上勤務する技術者。母子家庭に育ったため経済的支援を得ることができず、学費の多くを奨学金で賄って大学院を卒業したが、同時に600万円の返済義務を負うことになった。
社会に出たあと、奨学金を完済したのは30代半ば。返済に気を取られている間、家族に何もしてあげられなかったことに気づき、後悔の気持ちでいっぱいになったという。
その思いを払拭するために、著者は貯金生活に切り替えた。

貯金を積み上げる傍ら、資産を増やそうと、自社株の購入、安定性から鉄道会社株を購入したが、いずれも下落時に我慢できず、「狼狽売り」で大きな損失を出した。
この経験から、「個別株投資はインデックス投資に勝てない」、「値動きの激しいものは買ってはいけない」ことを確信し、個別株投資を諦めて投資信託と実物資産投資にシフトした。

本書では実物資産投資先を10種類紹介しているが、この中にワンルームマンション投資を入れていない。
過去に「絶対儲かる」といった怪しい勧誘を何度も受けたことと、奨学金返済の苦労からローンを組むことを避けたいと思ったからである。
その代わりに、米国と英国の不動産に投資する理由は、ローンを組まずに買える価格帯であり、管理などの手間がかからず、高利回りを狙えるからである。
国内不動産の投資先として、勧めているのは借り手が日本政府で、滞納や空室リスクがない軍用地投資である。

著者が考える投資を成功させる秘訣は、「自分に負の影響を与える人と距離を保つこと」である。具体的には、「飲み会やゴルフを強要する人」、「自慢話や説教が多い人」、「お金を使うことを強要する人」であり、このような人が近くにいると貯金も資産形成もできなくなるので、「ためらわずに距離をおく」ことが重要と説く。
一見華やかに見える投資の世界も、このような泥臭い一面を持っていることを伝えている。

今から投資を始める人、あるいは、個別株投資をしている方で、投資先を投資信託や不動産投資に切り替えたい方は参考になる内容なので、一読してほしい。

著 者:松田二朗
発売日:2024年6月30日
メディア:朝日新聞出版

 

 

【書評】著者を応援したくなる『ゆめの はいたつにん』

著者は、発展途上国の子供たちに映画を上映するNPO法人の代表。
若い頃に映画監督を目指して、日本大学芸術学部映像学科を専攻するも、結局は夢を諦めて事務員の職に就く。
30歳を過ぎたとき、人生の転機にぶつかり、行ったことのない、地縁もない「カンボジアに映画館をつくりたい」想いが湧いてきた。
映画館もテレビもない、下手をすると電気も通っていない村で暮らす子供達に映画を通して将来の夢を抱いてもらう、「夢の種まき」がしたくなったのだ。

著者が初めに取り組んだことは、上映させてくれる学校へアプローチすることだった。
紹介により、上映を許可してくれる日本人学校が見つかったが、上映する作品選定、上映許可の取得。発電機やスライドプロジェクター、スクリーンの代用品探しなど、多くのことに翻弄されることになる。
初めての上映会が実施された場所はカンボジア北部の「シェムリアップ」。
現地で働く日本人教師の協力のお陰もあり50名の子供に日本の映画を届けることができた。

著者のエゴから始まった活動だが、準備を手伝う人、モノを提供してくれる企業、クラウドファンディングで支援してくれる方々など、多くの人の助けを借りることで、60回、延べ6000人の子供たちに映画を届けることができた。

この本の一番の見所は、2000万円の支援金を受け取れる「夢AWARD3」に出場して、数千人の応募者の中から優勝を勝ち取るところである。
テレビも洗濯機もない6畳1間に住む、中年女性の奮闘に心踊らされる良書である。

著  者:教来石 小織
発売日:2016年3月1日
メディア: センジュ出版

 

ゆめの はいたつにん

ゆめの はいたつにん

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【書評】『しずけさとユーモアを』

著者は、大学卒業後、出版業界を渡り歩いた編集者のプロ。
同業界で実績を積んだ後、会社役員を務めた経験を生かして、自分の出版社を立ち上げた女性経営者でもある。
この本は、著者の人生の苦悩と気づき、起業後の活動をまとめたものである。
本書を読んで、心に刺さったところを紹介する。

著者が2008年に大手出版社に転職したとき、年20冊の書籍を外部委託せずに発行していたという。
その頃は、朝5時まで職場にいて、タクシーの中で仮眠をとりながら帰宅し、シャワーを浴びた後に再び仮眠をとってから午後に出社。
夫がいるのに、部屋はぐちゃぐちゃ、リビングの机は常に原稿の束が積み上げられ、散らかり放題だったという。
会社に大きな貢献をし、個人としてもチームとしても何度も表彰を受けた著者。しかし、成功の喜びを感じていた矢先に、その足を止める出来事が訪れる。
血尿が出て通院すると「肝不全の一歩手前」と診断されたのである。
著者は仕事一辺倒の生活を改め、家のことや夫婦の会話を大切にできる働き方に切り替えた。

東京都足立区千住に設立した出版社名前は「センジュ出版」。
起業と同時に開店させるカフェの改装に多くの運転資金を使ったことで、残った資金は本1冊分の制作費だけだった。
自分の報酬はもちろん、多くのことを切り詰めなければならなかったが、税理士や印刷会社、インターン生、カフェのお客さんなど多くの応援者に支えられて、苦難を乗り切った。
出版した本はすべて重版され、中には映画の原作になった作品もある。

長年、出版業界を歩んできた編集のプロの書く文章は言葉選びのセンスが光り、場面ごとの情景が頭に思い浮かぶ小説風のテイストでまとめられている。
そういう意味では、文章力を高めたい人、本を出版したい人の参考になる一冊である。

著者:吉満 明子
発売日:2020年2月10日
メディア:センジュ出版

 

 

【書評】手元にあるだけで、女性の連帯を感じられるのです。『詩誌 ラヴァーグ』vol.3

 

 

端正な目次を眺めていたら、胸のぐじゃぐじゃが、すーっと腰まで降りていった。それぞれの生活を、己の精神で踏ん張っている、彼女たちとの連帯を感じられたからだ。

本誌は、2023年春に創刊したばかりで、本号で漸(ようや)く3号目。数ある同人詩誌の中でも珍しく、商業詩誌として創刊した。電子書籍・ペーパーバックでも購入可能だ(下記リンク↓)。

私も本誌のネットイベント「ポエラヴ」に参加して、向坂くじらさんの作品に返詩を寄せさせていただき、おかげさまでvol.2には拙詩も載せていただきました。その後、向坂氏は初の小説『いなくなくならなくならないで』(河出書房新社)で直木賞候補となりました。ここで何かが起きてます。


修辞を突き詰める「現代詩」は、読解が難しく、大衆向けではないだろう。しかしパラパラと眺めているだけでも、「こんな表現のし方もあるのか」と、新鮮さは感じるのではないだろうか。
詩は、音楽やスポーツと同じで、読むよりも、自分で書いてみた方が楽しめる。原稿用紙の使い方も、論理性も関係ない。日常のことばから少し離れて、あなたも飛翔してみませんか?


しろねこ社
発行人 雪柳あう子