HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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ライター:浅野智

【書評】生きていかなきゃならない夜がまだいっぱいありすぎる。『過去ある女―プレイバック』

ハードボイルド小説作家の大家であるレイモンド・チャンドラーは、その活動期間の中盤の或る時期に於いて、シナリオライターとしてハリウッド映画界にその身を置いていた。とは言え、自らの小説の映画化に携わったことは殆ど無かった。他の作家の映画化のた…

【書評】根底にはいつも愛と想像力を。『情報を活用して、思考と行動を進化させる』

筆者がこの本を書こうと思ったきっかけは、「新規事業のための情報収集法」というセミナー講師をした際に、千名以上の申し込みがあったことだったと語る。その講演資料もWeb上で公開しているが、特に告知もしていないというのに五千回近くアクセスがあったこ…

【書評】PRに関わるすべての方の基本ガイドブック。『サニーサイドアップの手とり足とりPR』

本来のPR(パブリックリレーションズ)の意味とは、「企業や団体が社会との良好な関係性を構築すること」であるが、得てして、PR=パビリシティの獲得。つまり、メディアに取り上げられてもらうことばかりを目的とする場合が非常に多いのが実際であろう。し…

【書評】タフでなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない。『プレイバック』

前作『長いお別れ』から4年半を経て、1959年に刊行された本作は、レイモンド・チャンドラーの七作目にして、最後の長編である。 私立探偵のフィリップ・マーロウが、朝っぱらからかかってきた電話で叩き起こされるところから物語は始まる。電話の主は非道く…

【書評】さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。『長いお別れ』

1953年に刊行されたレイモンド・チャンドラーの長編六作目である。アメリカ推理小説作家クラブで1955年の最優秀長編にも推薦されており、チャンドラーの作品の中でも代表的傑作との呼び声も高い本作は、一番ページ数の多い著作でもあり、読み応えも十分。そ…

【書評】当たり前の日常や身近な人々の存在に感謝し、豊かな生活を送る。『サステイナブル・ライフ アフリカで学んだ自分も社会もすり減らない生き方』

本書は、アフリカで起業し、ガーナ初のオンラインショッピングサイトが立ち上がろうかと言う矢先に舌がんを患った著者が、帰国するところから始まる。術後、少しゆっくりとしたらガーナへ戻ろうと思っていたものの、転移の可能性が高く、頻繁な通院が必要で…

【書評】変化する世界で求められている「意味の価値」『すべてのビジネスに、日本らしさを。』

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」そう言われた時代は遠い過去となった。それは何故なのだろう。かつての日本は、先進諸国の技術に倣い、それを凌ぐ様な「低価格」、「品質」、「安定性」を以て、世界市場を席巻したのであった。だがその地位は、やがて下請…

【書評】みんなの違いを活かすというアプローチを。『人間関係でストレスを感じたら読む本-自分と相手の「行動特性」を科学的に知れば、人付き合いはぐっとラクになる』

人はみんな一人ひとり違っている。そんなの当たり前と分かっていても、いざ人間関係やコミュニケーションに直面すると、つい忘れてしまう。そして問題が生じる。ストレスを生む。お互いがコミュニケーションを見直すことはせずに、「なんであの人は分からな…

【書評】こんな日があるものだ。出っくわす人間がみんな一人前ではない。鏡で自分の顔を見直したくなる。『かわいい女』

レイモンド・チャンドラーの長編五作目である本書は、前作『湖中の女』から6年を経た1949年に世に出たものだ。その間、著者はハリウッド映画に携わっていたという。そこで得た経験を活かしたかったのか、それとも映画界のきらびやかな表面に隠された虚飾に満…

【書評】哀しみがあなたにもたらすもの。『大切な人を亡くしたあなたに知っておいてほしい5つのこと』

著者は、一般社団法人日本グリーフ専門士協会代表理事。初めて聞いた「グリーフ」という名詞。「喪失体験に伴う悲しみや嘆きとその反応」を指すものだとういう。 本書は、日本グリーフ専門士協会がインターネットを介して開催している「グリーフサロン」を紙…

【書評】ソロメオの夢。正しい労働とは?『人間主義的経営』

著者のブルネロ・クチネリ氏は、高級カシミヤ製品メーカーの創業者である。1978年に創業したブルネロ・クチネリ社は、現在は紳士服、婦人服、子供服から雑貨、アクセサリーなど総合的に展開する世界最高級のアパレル企業に成長しており、2012年にはミラノ証…

【書評】生きるに値する”意味のある”社会つくりのために。『広告がなくなる日』

自ら、アイデアを生み出す人はまず「天邪鬼」、と語る通り、著者は当たり前ではないことに傾倒した考えを持っている様である。文章のそこかしこに、普通ではない発想や筋立てを持ち込もうという姿勢が見受けられる。大体が、この本の作り方自体が極めてユニ…

【書評】知識は武器であり、それを扱うのが知能。『~IQ150の心理戦略コンサルタントが教える~秒速で人を操る心理話術』

アドラーの言う通り、「すべての悩みは対人関係の悩みである」ならば、人間の行動原理となる人間心理について分析する心理学は、多くの問題を解決できる、最も汎用性の高い、最強のビジネススキルではないか。そう考えたのが、著者が心理学にのめり込んだ理…

【書評】筋道立ったロジカルな文章は読んでいて愉しい。『考えることこそ教養である』

私たち学者は、ともすれば知識だけを積み上げて記憶した「ハードディスク」のような存在になりがち、と、著者の竹中平蔵氏は記す。大量の情報が詰まっているけれど、それだけでは何も価値を生み出さない、と。では、必要なのは? 「CPU(中央処理装置)」、…

【書評】鍛えないと感性は衰えていく。『センスは脳で磨かれる』

著者は、脳内科医、医学博士にして株式会社「脳の学校」代表。脳番地トレーニングの提唱者である。本書でも脳に関する知識や、ビジネスへの転用についてなど書かれているが、大事なのは「センス」で、脳の感度をいかにして上げ、その「センス」を磨くことが…

【書評】パーパスが持続的な経営の王道になる。『これからのデザイン経営ー常識や経験が通用しない時代に顧客に必要とされる企業が実践している経営戦略ー』

最近はあまりビジネス書を読んでいないので、たまには経営感覚にも刺激を与えなくては、と思い、本書を手にした。デザイン経営という言葉は知らなかったのだが、デザイン手法を経営に持ち込むことなのかと想像して読んだのだが、そうではなかった。 「これか…

【書評】人類と地球の歴史を見守り続ける不死の鳥『火の鳥 黎明編』

どうしてこの作品の書評を今まで書いていなかったのだろうか。『火の鳥』と私には、単なる読者として以上の関わりが有ったのにもかかわらず、すっかり思い付かないでいた。 漫画家 手塚治虫が自らのライフワークと認めた火の鳥は、時間と時空を超越した存在…

【書評】私立探偵を軽く見てはいけない。執念深くて、どんな嫌味をいわれても感じないんだ。『湖中の女』

或る会社経営者から、行方知らずになって一ヶ月になる妻を探す様に依頼された主人公 私立探偵フィリップ・マーロウ。彼女の最後の手がかりは、エルパソから送ってきた電報で、「メキシコデ離婚スルタメ国境ヲコエル クリスト結婚スル」という内容だった。ま…

【書評】HIUというオンラインサロンをご存知ですか?『SALON DESIGN No.08 2020 Nov.』

堀江貴文イノベーション大学校(HIU)が発行元となっている、HIUというオンラインサロンの活動を紹介するこの冊子も、号数を重ねて8冊目である。今回のNo.08では、残念ながらこれが最終回となってしまった2020年2月に執り行われた『ホリエモン万博』及び、当…

【書評】死んだ後にのこすものとは何か。『人生何を成したかよりどう生きるか』

”天地は永遠で、始めも終わりもない。人間には生死があり、人生には限りがある”江戸後期の漢詩人である頼山陽の言葉を以って始まる本書は、日本を代表する思想家 内村鑑三の名著『後世への最大遺物』のメッセージを、現代の読者に届けたいという思いから生ま…

【書評】忘れるなよ。俺は気どっているんだ。『ハード・オン』

作は矢作俊彦。画は平野仁が担当。クセはあるが魅力的な画風のマンガ家だ。矢作氏が大好きな、日活無国籍アクション映画のムードたっぷりで、キザで感傷的なこの話の主人公はヤクザ。渡哲也がモデルであるのは間違いない。舞台は横浜で始まるが、罠にはめら…

【書評】チャンドラー長編三作目は意外にウェット?『高い窓』

本書は、レイモンド・チャンドラーの三作目の長編である。『さらば愛しき女よ』に続く流れで、これも何十年か振りに再読したが、非常に楽しく読めた。 同じく、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とし、彼は或る依頼事に関わるうちに、例によって立て続け…

【書評】いいか。よく聞きゃあれ!俺は好きこのんで戦争してるんだ。あんたらと一緒にしねェでくれ!『気分はもう戦争』

中ソ戦争が勃発する漫画作品である。え?ソって何って?ああ、そうか。ソビエト社会主義共和国連邦、つまり・・・ええと、簡単に言えば今のロシアとその仲間たちのことだ。 矢作俊彦の作に、大友克洋の画である。これはもう堪らない。当時二人は、ネオ・ハー…

【書評】いいか。よく聞きゃあれ!俺は好きこのんで戦争してるんだ。あんたらと一緒にしねェでくれ!『気分はもう戦争』

中ソ戦争が勃発する漫画作品である。え?ソって何って?ああ、そうか。ソビエト社会主義共和国連邦、つまり・・・ええと、簡単に言えば今のロシアとその仲間たちのことだ。 矢作俊彦の作に、大友克洋の画である。これはもう堪らない。当時二人は、ネオ・ハー…

【書評】さしあたる事柄のみをただ思え。過去は及ばず、未来は知られず。『ほんとうの心の力』

天は自ら助くる者を助く。たとえば、右見れば繚乱たる花園があり、左見ればゴミや糞がごろごろと転がっている。右見てれば、目にうるわしい花が己をたのしませてくれるのに、左ばかり向いていて、なんてこの世は醜いもんだと考えてる奴があったら、その人間…

【書評】経営戦略の常道とは?『経営者が語る戦略教室』

本書は、自らの体験を基に、経営戦略の要点を語る日経新聞の連載をまとめたもので、22人の著名な経営者の記事が掲載されている。それぞれ、業態も企業規模も社歴も異なるので内容も様々。参考になるものもあれば、そうでもないのがあるのも、読み手次第とも…

【書評】どうせなら本来のアナーキーなルパンも味わってみてはいかが?『ルパン三世』

2019年に公開された映画『ルパン三世 THE FIRST』をWOWOWで観てみたら、なんの熱量も感じ取れず、ちっとも面白くもなかったのでこれを書いている。いつの間にやら、ルパン三世は困っている純真な女の子を見ると、無条件で手助けしてやる善人になってしまった…

【書評】「QSC + Vで、正々堂々と競合に勝つ。『デキるビジネスマンの掟』

「QSC + Vとは「クオリティ、サービス、クリーンネス + バリュー」のことで、上に書いた言葉はマクドナルド創業者であるレイ・クロック氏のものだそうだ。著者の香坂伸治氏は、日本マクドナルドの本部管理職を歴任した後、米国マクドナルド本社に異動して活…

【書評】成功は運によるものだが、失敗は自分のせいだ。『松下幸之助 生き抜く力 仕事と人生の成功哲学を学ぶ』

ファンもつくれないような商売人は、私はあかんと思います。自分の主張すべきことは主張し、正しい姿というものがビシッと先方に入れば、先方がファンになるんです。「なかなか話せる商売人、話せる店やなぁ。わしはお前のところで買うてやるで」とこうなる…

【書評】鬼才 狩撫麻礼の作風を、谷口ジローの迫真の画力が完成させる。『青の戦士』

私が、初めて谷口ジローの漫画を眼にしたのが本作品である。週刊漫画誌で読んだそれは、いきなりの最終回だったが、そのインパクトは強烈であった。神秘性のある独特の雰囲気を持ったストーリーを、緻密で迫力のある画が下支えをしていた。最終回だけを何度…