多くの問題を解決し、自分たちの想いやビジョンを実現しながら経営的にもうまくいく方法、それがブレイクスルーブランディングです。
そう、はじめに著者は述べている。
一般的なブランディングと何が違うのか?
ブランディングは、選ばれ続ける仕組みを作り、ブランドの価値を最大化することを目的としている。
その一方で、著者はブレイクスルーブランディングとは、「ブランドの持つリソースや価値を集約させることで、今まで解決できなかった課題や問題の壁を突破し、成長を加速していくこと」と定義している。
何に絞るのかを明確にするには?
まずは経営者の想いや企業のDNA、それを共有してチームの想いに変える。その想いと、企業の強み、顧客のニーズが一つに重なる点、それが集約すべきことであると言うのである。
そしてその深掘りの際に重要なるのが、対話の質と量。経営者同士の対話、経営層と社員との対話、関係会社との対話、顧客との対話がブレイクスルーブランディングには不可欠になると強調する。
そうして導き出された、事業を通してどんな社会にしたいのかというビジョン、そのビジョン達成のために担うミッション、そしてブランド・アイデンティティを、つまり自らのブランドを顧客にどのように思ってもらいたいのかを定めるのである。
新しいことへの挑戦は障壁が生じる。「社内の壁」「常識の壁」「組織の壁」或いは「自分自身の壁」かもしれない。苦難を乗り越えるためには「想い」が不可欠だが、それは経営者一人だけのものではなく、携わるチームの総意であることが望まれる。
丁寧な対話を積み重ねながら自社の本質的な魅力を見つけ、それを揺るぎない軸作りに繋げていく。
導かれたブランド・アイデンティティを形にする。ロゴや商品に反映させる。そして伝える。
消費者、顧客によって識別されている時その商品やサービスを「ブランド」と呼ぶ。企業側ではなく、お客様の判断によるのが「ブランド」なのだ。
まずは、自分たちが何者なのか、という旗を立てる。次に、自分たちの狙いとお客様のイメージを一致させる。そのためにはブランド要素を作り上げ。顧客にブランド体験をしてもらうことだが、ブランディングに於いては、1.意図的、2.一貫性、3.継続性が大事だ。この3点を以て顧客との関係作りに励むのである。
頑張っている中小企業はブランディングでもっと輝ける、と著者は言っている。
想いをカタチにすれば、壁は壊せる。そう信じて自分にしか無いブランドを構築していこう。
ブレイクスルーブランディング
作者:長田敏希
発売日:2023年6月11日
メディア:単行本