現代は情報があふれ、また、それぞれのモノが人の時間を奪い合う時代となった。調査によると人が意識して行う行動はたった5%であり、95%は無意識に行っていると言う。
人々がモノを選ぶ際にも、一瞬でその価値を判断しているため、多くのモノの中から自社の製品を選んでもらうのは、なかなか難しい。
そこで必要になってくるのが、ブランドの確立だと著者は言う。すでにブランドとして確立しているフェラーリやアップル、コカ・コーラなどが行っているように、ブレずに長期にわたり継続して、ブランドの世界観をユーザーにイメージさせていくことが重要になる。
そのためには、まず製品について、大丈夫だと思わせる「保証効果」多くの選択肢の中でも目立つ「差別効果」これでなければと感じる「付加価値効果」これらがブランドを確立する上では大切だ。
さらに、製品のデザインもブランドを伝えるためには重要な要素ではあるが、どんなに見た目が素晴らしくても中身がなければ、意味がない。仮に非常に魅力的な外見の高級車を作ったところで、フェラーリにはなりえない。単なる真似ではブランドとして確立できないのだ。
内面を磨き、そして外見も磨く、その上で見せ方(デザイン)を考える。これがブランディングの正しい順番だと著者は言う。ブランディングは、企業が抱える問題を解決する経営戦略であり、課題である。本書は、ブランディングやデザインに注目し、より理解を深めるために書かれたものなのだ。