HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】「繁栄」から学ぶ専門化と交換の力『繁栄』

こんにちは、皆さん。今回はマット・リドレーの『繁栄』を読んで学んだ、専門化と交換の重要性についての感想を書きたいと思います。

「繁栄」は、人類の繁栄の歴史とその背後にある要因を探求するものです。リドレーは「専門化」と「交換」が繁栄の鍵であると強調しています。彼の主張は、人々が自分の得意なことに特化し、それを他の人々と交換することで、全体としての繁栄が生まれるというものです。一方、地球環境に対しては悲観論が多い昨今ですがリドレーは未来に対して楽観的です。そしてその根拠としてさまざまなデータや事例を提示しています。

私がこの本から強く感じたのは、「繁栄」では「楽観性」だけではなく、「交換」「交易」ということの人類の繁栄における重要性を考えさせられる点です。特に、半導体のような分野は、交換を前提として、自分の専門性に特化して進めていかなければ、繁栄の波に乗り遅れてしまう典型的な例です。日本の大手企業の自前主義の失敗は、この点での反例として考えられます。

さらに、システム開発の世界でも、この「専門化」と「交換」の考え方が見られます。従来のウォータフォール型の開発からアジャイル型の開発へとシフトしてきた背景には、各メンバーの専門性を最大限に活かし、チーム内での情報交換を促進することの重要性があります。アジャイル型の開発は、短いサイクルでのフィードバックと改善を繰り返すことで、迅速かつ高品質なソフトウェアの開発を実現しています。これもまた、「繁栄」で語られる「専門化」と「交換」の考え方の具体的な例と言えるでしょう。

皆さんも是非、「繁栄」を読んで、人類の繁栄の歴史と未来について考えてみてください。