生成AI(ジェネレーティブAI)がどんなものかを解説し、仕事、学び方、イノベーション、リーダーシップ、リテラシーの観点から現在から今後どのようになっていくのかを体形的にまとめられた一冊です。
これまでのAIから昨今の急激な進化の源にあるのは生成力(ジェネレーティブ)が格段に上がり、人はその生成力に太刀打ちすることは不可能だというのが既に今の現状だということ。
現状は脅威になっているが、あくまで人間側の司令(プロンプト)によって人よりクオリティの高い生成物を提供してくれるツールが生成AI。その便利なツールを使いこなすことが重要で、着想のきっかけやアイデアを練り上げられるような使い方を推奨されています。
例えば、草高作り不要な資料作成、イラスト、画像、プログラミング、翻訳などは生成AIが担っていくようになります。
どのような司令を出せば望み通りの生成物が出せるかというプロンプトエンジニアリングは、生成AIを使って新たに生まれてくる仕事のひとつ。
わかりやすいのが架空のアイドル画像です。どんなプロンプトを入れれば好みの姿になるかという情報は既にネット上に溢れており、AIアイドル写真集がキンドルで多数販売されてますね。
本の執筆なんかも超簡単になります。例えば株式投資で著名な投資家ウォーレンバフェット。彼のネット情報を元にバフェット流の投資本のタイトルを作ろうと思えばいくらでも生成A Iが本の目次や内容の文章を提案してくれます。しかも一瞬で。
さらに、苦手なことや時間がかかることもAIが担ってくれるので学び方も大きく変わります。型にはめられ、苦手なことを我慢していた学び方から、自分の興味や関心に特化した学び方へ変貌していきます。ゼロから学ぶしかなかった領域は生成AIのおかげで自分の脳が拡張された増設メモリーのような使い方ができるようになり、自分の好きな事だけに集中しても何ら支障がなくなってくるからです。
なので、専門性を増やす教育が今後は重要になり、得意分野に秀でたプロフェッショナルが重宝され、ハマるものにとことん熱中できる環境が、学びやイノベーションの分野で必要と本書では力説されてます。
じゃあ人間に残る仕事は何なのか?
それは、生成AIによって人間の役割を全うできるプロフェッショナルな要素。本書ではAI情報の正誤を判断できる能力、得意とする専門分野での成熟度、そして習熟した知識や経験に基づき新たなアイデアや発想ができることと説明されています
専門分野での真贋を判断できる校正力や校閲力。つまり本物かどうか、正しい情報なのかを判断できるスキルは今後もAI側でなく人間側なんだということがこの本を通して理解できました。
生成A Iをツールとして今後の働き方の方向性を示してくれる一冊です。