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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】 やさしいお供でお金のセルフコーチング『こわいがなくなる投資1年生の教科書』

象徴的な図がある。それは証券投資全般のイメージのアンケート結果で、一位は「難しい」、二位以下「資産を増やす」「ギャンブルのようなもの」「なんとなく怖い」と続く。投資はよいイメージよりも一般的にはこわいと思われているのだ。本書はそこを丁寧に克服しつつ、より深く投資の世界を学びたい人にもうってつけの初心者向け投資ガイドである。

 投資経験により大きく3つに分かれて説明がなされている。学び、資産形成、楽しみの順だ。学びの投資の段階では、例えばスマホで手軽にに試すことができる「ポイント」での投資運用が、楽天ポイントを例に図付きで書かれている。元手もポイントなのだから、という心理で大変入りやすい。今更やり方を聞けない、株の上下が心配だ、という初心者にはうってつけだ。

 さらにもう少し進み、資産形成の投資の段階は、iDeCoやつみたてNISAの仕組みや口座開設の仕方から、投資先の見極めポイント、さらにはリスク管理の考え方なども載っている。手堅いインデックス積立の投資信託中心の章だ。

自分のステージはさらに上、という方向けには楽しむ投資の章がフォローする。大きな値上がりを狙ったり、株主優待を楽しんだり。損切り基準をはっきりさせるなど、証券会社出身の著者の考えも読み取っていこう。

そして印象に残ったのは「目的地なくして交通手段を飛行機か新幹線かと選ぶ人はいない。しかし投資はいきなり銘柄を選びがちである。投資も目的や目標金額を定めて計画的に行うべきだ」というくだりである。なかなか鋭い指摘だ。商品選びに夢中で目的地がはっきりしていないのでは?と自分を振り返る。

知識ゼロからのステップアップ型投資法。もうこわくなく、金融リテラシーアップのセルフコーチングができるだろう。

発行所 ㈱自由国民社
著者  佐藤彰
発行日 2023年1月6日