HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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文芸

【書評】異文化と戦火を越えた家族の絆『サイゴンから来た妻と娘』

皆さんこんにちは。「サイゴン」とは、現在のホーチミン市であり、かつての南ベトナムの首都です。サンケイ新聞のサイゴン支局長だった著者は、その地で家庭を持ちます。彼の妻はベトナム出身で、連れ子がいました。 本書は、ベトナムの庶民の生活をリアルに…

【書評】馳星周『少年と犬』 - 彼は何処に向かい、誰と出会うのか

皆さんこんにちは。今日は私の好きな作家の1人、馳星周の『少年と犬』を紹介します。不夜城シリーズのようなノワールではなく、一頭の犬と彼が出会う人々との触れ合い、彼らの周りで起きる様々なストーリーを描いた作品です。物語の始まりは、東日本大震災後…

【書評】『リーチ先生』 - 文化の架け橋としての陶芸の物語

皆さんこんにちは。『リーチ先生』は、バーナード・リーチというイギリス出身の陶芸家と、日本人青年沖亀乃介の交流を中心に展開します。この物語は、一人の外国人芸術家が日本文化に魅了されたという話ではなく、異文化間の深い理解と絆の形成を描いたもの…

【書評】若き冒険家、Goの手記『草原の国キルギスで勇者になった男』

皆さんこんにちは。最近、春間豪太郎著の「草原の国キルギスで勇者になった男」を読みました。この本は、中央アジアの秘境、キルギスを舞台にした冒険譚で、著者が「ゼルダの伝説」に憧れ、満たされない日々を送っていた学生時代、行方不明の友人を探しにフ…

【書評】婚外子がむしろグローバル!?『損する結婚 儲かる離婚』

結婚という制度をビジネス視点から捉え、「奥さん」はリスクであると解き、世界の統計でみれば、婚外子の方がむしろグローバルなんだと気付かされる、目からウロコ的な1冊です。 いきなり冒頭から結婚と離婚に関わるお金の動きを、慰謝料、財産分与、婚姻費…

【書評】『スラムダンク勝利学』スポーツドクター辻秀一氏による心の力学と目標達成の指南

皆さんこんにちは。辻秀一氏の「スラムダンク勝利学」は、スポーツ心理学と自己成長について学べる一冊です。スポーツドクターとしての深い見識を背景に、自己実現のための具体的な手法を示しています。本書は、マンガ「スラムダンク」の魅力的なエピソード…

【書評】スナックを研究対象とした日本で初めて著書『日本の夜の公共圏 スナック研究序説』

スナックが生まれた歴史から日本のどの地域にスナックが多く分布しているか、その背景が説明されている。 水商売というと少し上から見てしまう傾向にあるが、スナックが社会で果たしている重要な役目をわかりやすく詳述。 スナックができあがってきたのは東…

【書評】消費者の心を読む戦略的価格設定 - 『価格の心理学』

皆さんこんにちは。本日ご紹介するのは『価格の心理学』という本です。この本は、消費者の心理を活用した価格戦略について解説しており、ビジネスを成功に導くために重要な手法を教えてくれます。 価格は相対的まず、この本が強調しているのは、価格は相対的…

【書評】安部公房『鞄』- 教科書に載る価値ある一作 (東京書籍 文学国語(文国701)より)

皆さんこんにちは。高校生の娘から「文学国語」の教科書に載っている面白い話があると聞き、安部公房の短編『鞄』を読む機会がありました。この作品は、その不思議な雰囲気と深いテーマ性で、短編ながら非常にインパクトを受けました。 『鞄』は、主人公であ…

【書評】時空を超える冒険 - 『年表で読む荒俣宏の博物探検史』

皆さんこんにちは。今回は「年表で読む荒俣宏の博物探検史」についての感想をシェアしたいと思います。 この本は、歴史に名を刻んだ探検家たちの冒険を年表形式で追っています。タヒチやポリネシア諸島の発見、領有権の争い、珍獣の発見、世界一周航路、北極…

【書評】「あなたの命を何に使うか」『世界一過酷な場所で見つけた命の次に大事なこと』

スーダンのダルフール地方、シリア、バングラディッシュなどの人道援助の最前線の常に危険と隣り合わせの環境で、幾度となく修羅場を乗り越えてきた著者が自身の経験をもとに読者に命の使い方について問いかける。 普段の生活の中で世界の様々な情勢を目にす…

【書評】感覚の彼方へ - 視覚障害者の世界観を探る  『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

皆さんこんにちは、この本は視覚障害者の視点から世界を見る方法を探求しており、その中で多くの興味深い視点と洞察を提供してくれます。例えば・・・ 服の選び方視覚障害者が服を選ぶ方法は、視覚に頼ることができないため、触感や形状、素材感など他の感覚…

【書評】死を避ける知識を身につけよう! 『これで死ぬ アウトドアに行く前に知っておきたい危険の事例集』

世間では「アウトドア・ブーム」と言われて久しく経つが、本書は、アウトドア活動中に遭遇するかもしれない様々な危険について紹介し、その対策を解説した本である。目次を見ると、第一章「山で死ぬ」では「すべって落ちて死ぬ」、「夏なのに寒さで死ぬ」な…

【書評】礼儀正しさの真価 - 諏内えみ『育ちがいい人だけが知っていること』を巡る批判的考察 

2020年に発売され、一部で話題となった諏内えみの『育ちがいい人だけが知っていること』は、話し方、食べ方、ふるまい、お付き合いの心得など、'育ちのいい人'にとっては当たり前だとされるマナーと常識を250項目にわたり解説しています 。しかし、その内容…

【書評】逃げ場のない絆 - 『母という呪縛 娘という牢獄』

皆さんこんにちは。齊藤彩によって著されたノンフィクション『母という呪縛 娘という牢獄』は、一人の女性が母親によって課された過酷な期待と、それに伴う心理的・物理的な束縛、そして不幸な結末を淡々とリアルに描写しています。幼い頃から医学部への進学…

【書評】ライトで爽やかな文体に、見事なプロットのハインラインの代表SF作品。『夏への扉[新版]』

1956年に発表されたロバート・A・ハインラインによる古典的SF小説であり、代表作ともされている本書。実は今更初めて読んでみた。名作として名高いのは知っていたが、なんの予備知識もなく頁を繰ってみると、最初の頃は一人称の主人公の回りくどい言い回しや…

【書評】元気なわがまま児、冒険と成長の物語:『いやいやえん』にみる児童文学の魅力

こんにちは、皆さん。今日は児童文学、「いやいやえん」についてお話ししたいと思います。この本は中川李枝子作、大村百合子絵による短編連作童話集で、全7話で構成されています。 本の概要「いやいやえん」の主人公は元気だけどわがままできかんぼうの保育…

【書評】あの子は今どこにいるのか?『サクリファイス-犠牲- わが息子・脳死の11日』

精神を病んで自殺を図り、脳死状態となったノンフィクション作家柳田邦男の次男との11日間の葛藤、迷い、未来について書かれた本著。泣かせる本ではない。生き続けることの意味を我々に問いかける本である。 父が紡いだというよりはさすがノンフィクション作…

【書評】「野菜スープは最強!!」『野菜は「生」で食べてはいけない』

ノンフィクション作家・奥野修司氏の緻密な取材と深い知見に基づいており、これまでの常識を覆す新たな「野菜との付き合い方」を提案している。サラダや野菜ジュースなど、野菜を「生」で摂ることが健康や美容に良いと考える人は多いが、著者によれば、その…

【書評】社会生活における服装指南:『フォーマルウェアの教科書』

「平服でお越しください」「ブラックスーツ着用」などの案内にどうしていいか分からず戸惑ったことはありませんか? 社会生活を送る上で、フォーマルな場における服装のルールは欠かせない知識です。しかし、日本の服装のルールは、洋装と和装が混在し、その…

【書評】「宇宙の舞台で繰り広げられる擬人化バトル:『宇宙最強物質決定戦』

こんにちは、皆さん。今日は私が最近読んだ本、「宇宙最強物質決定戦」についてお話ししたいと思います。この本は物理学者の高水裕一氏によって書かれており、宇宙の物質や天体が擬人化されてバトルを繰り広げるという、一風変わった内容となっています。こ…

【書評】技術の二面性:救いと破壊の間で『教科書には載せられない 悪魔の発明』

みなさんこんにちは。先日コインランドリーの待ち時間に図書館に立ち寄り、歴史ミステリー研究会の『教科書には載せられない 悪魔の発明』という本を読んで、深く考えさせられました。この本は、歴史上のさまざまな発明に関する興味深いエピソードや裏話を集…

【書評】百戦錬磨の旅人から学ぶ危険回避術『インド超特急!カオス行き』

著者はイギリス、アメリカに留学したあと、面白い写真を撮るために世界を放浪したバックパッカー。アジアは勿論、アフリカ、中南米の危険地帯を訪れ、自身の体験を旅行記にまとめることを30年続けている。今回、作者が挑んだ国はインド。過去に2度訪れている…

【書評】現実を突き付けられる書。『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』

栗城史多。35歳、8度目のエベレストで永眠。彼を書いた書。 夢の共有、を合言葉に登山自体をライブ配信し、限られた人にしか見られない光景や、無念の状況も同時に配信。最後はエベレストの下山中に滑落死する。そしてある人物の評伝的な書は、表の功績とそ…

【書評】椎名 誠の視点から見る幸福度とは『アイスランド 絶景と幸福の国へ』

旅は、新しい世界を発見する行為ですが、同時に内省の旅でもあります。椎名 誠の『アイスランド』は、そんな旅の二重奏を見事に表現した作品です。この本は単なる旅行記ではありません。著者がアイスランドの荘厳な風景を旅しながら、日本や東南アジア諸国と…

【書評】椎名 誠の視点から見る幸福度とは『アイスランド 絶景と幸福の国へ』

旅は、新しい世界を発見する行為ですが、同時に内省の旅でもあります。椎名 誠の『アイスランド』は、そんな旅の二重奏を見事に表現した作品です。この本は単なる旅行記ではありません。著者がアイスランドの荘厳な風景を旅しながら、日本や東南アジア諸国と…

【書評】「アジアメシ好きにおススメ」『アジアのぶっかけごはん』

中国、台湾、タイ、インド、マレーシア、インドネシアなどアジア各国の現地の屋台の味を再現、人気の屋台「アジアンランチ」をご自宅で! アジアン料理には欠かせない、ナンプラーやスイートチリソースなどの調味料や基本となるヤムナムのタレのレシピ、各国…

【書評】ディックお得意の超能力、タイムトラベル、アクション、サスペンス、それから夫婦不仲。『変数人間―ディック短篇傑作選』

本書では、前半が短めでスッと読める短篇が続く。アイデア・ストーリーの達者なディックらしく、ユニークな設定やシチュエーションの連続で、中にはコメディとしか思えないおバカネタもちらほら。しかし、後半には超能力アクションSF中篇などが控えており、…

【書評】ディックお得意の超能力、タイムトラベル、アクション、サスペンス、それから夫婦不仲。『変数人間―ディック短篇傑作選』

本書では、前半が短めでスッと読める短篇が続く。アイデア・ストーリーの達者なディックらしく、ユニークな設定やシチュエーションの連続で、中にはコメディとしか思えないおバカネタもちらほら。しかし、後半には超能力アクションSF中篇などが控えており、…

【書評】メジャーリーガー大谷 翔平選手の軌跡『SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』

マウンドと打席の両方で圧倒的な存在感を見せた「日本のベーブルース」大谷 翔平選手。父の大谷徹氏はセミプロ(社会人野球)の野球選手、母の加代子氏は五輪を目指せるレベルのバドミントン選手でした。 野球とバミントンの世界で活躍した両親から生まれ、1…