HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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文芸

【書評】著者を応援したくなる『ゆめの はいたつにん』

著者は、発展途上国の子供たちに映画を上映するNPO法人の代表。若い頃に映画監督を目指して、日本大学芸術学部映像学科を専攻するも、結局は夢を諦めて事務員の職に就く。30歳を過ぎたとき、人生の転機にぶつかり、行ったことのない、地縁もない「カンボジア…

【書評】『しずけさとユーモアを』

著者は、大学卒業後、出版業界を渡り歩いた編集者のプロ。同業界で実績を積んだ後、会社役員を務めた経験を生かして、自分の出版社を立ち上げた女性経営者でもある。この本は、著者の人生の苦悩と気づき、起業後の活動をまとめたものである。本書を読んで、…

【書評】手元にあるだけで、女性の連帯を感じられるのです。『詩誌 ラヴァーグ』vol.3

端正な目次を眺めていたら、胸のぐじゃぐじゃが、すーっと腰まで降りていった。それぞれの生活を、己の精神で踏ん張っている、彼女たちとの連帯を感じられたからだ。 本誌は、2023年春に創刊したばかりで、本号で漸(ようや)く3号目。数ある同人詩誌の中で…

【書評】人生を好転させる、一瞬で相手を引き込む『奇跡の声トレ』

著者は、累計4万人の受講生の声と人生を好転させてきたボイストレーニングスクール代表。「声を変えるだけで、人生が変わるの?」と思う方もいると思うが、声が変わると間違いなく人生は変わる。蚊の鳴くような声で高額商品を売る営業マンが、やり手営業マン…

【書評】京都の洛中ではこう伝える!?『エレガントな毒の吐き方)』

京都の伝え方で、近所のピアノが毎日聞こえてくる時に「ピアノ上達しましたね。」なんて伝えます。ピアノがうるさいのですが、直接はっきり伝えません。 家を買って、これからもローンが長いのであまり隣と仲を悪くするのが嫌で伝えられない。そんな時には、…

【書評】全力で生きなくっちゃ -  『無人島のふたり(山本文緒)』

末期の膵臓癌と診断された著者の亡くなるまでの5ヶ月弱の日々の日記。素直な言葉で綴られているからこそ吸い込まれるように一気読みしてしてしまった。そして凹んだ。 人間の「生」と「死」がリアルに伝わってきて感情揺さぶられた。カフェで読んでたら泣き…

【書評】自分と親の「終の住処」に思いを巡らせるひととき…『週刊ダイヤモンド 2024.8.3号』

・コンパクトな平家に憧れてたけど、やっぱり今はそういう物件が人気らしい。テレビ付きインターホンや追い焚き機能なども人気の条件なので、どうせなら生前に便利な機能はリフォームで付けておきたいと思った。・団塊の世代の大量介護は大変だけど、それを…

【書評】マダムの尖りファッション雑誌から、ハリー・ウィンストン特集『VERY2024年8月号別冊付録』

中学生からファッション雑誌を参考にし続けてきた私ですが、最近、新しい洋服を買うことに、以前よりも気がひけます。お金の問題以上に気になるのが、CO2排出への懸念。以前よりも、古着に興味が出てきました。実質賃金下落、ファストファッションの台頭、SN…

【書評】壮年期の恋物語を下敷きに、2人が生まれる前から死んだ後までを描いた珠玉の詩集『女に』

詩集や歌集というのは、本当にその人がそこにいるような感覚になります。背表紙を見ると、妖精みたいな谷川さんが、本棚に座って脚をぶらぶらさせているような気がします。 本の装丁って、皆さんが思っている以上に、作る人達は、すごくこだわりを持っていま…

【書評】原爆投下はソ連も関与?『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』

1945年(昭和20年)8月6日広島 原爆投下の日歴史を振り返ると、自分達がこの世に生を受けているのが奇跡とも思える。ヴェノナ文書などの秘密文書が公開されて、原爆投下はアメリカだけでなくソ連も関与していたことが示唆されている。1945年(昭和20年)8月6日に…

【書評】レールの上をただ歩いているのかと頭が錯乱する - 『令和元年の人生ゲーム (麻布競馬場)』

「麻布競馬場は実は知り合いなんじゃないか?」と旧友を探る程に具体的すぎる描写。小説に友情出演した気になった私の心には虚無と興奮が残る。 「ビジコン」「コンサル・金融業界の社名が一杯のランT」「地方の観光大使」「人材最大手のエレベーター激混み問…

【書評】絵で考える?『ヴィジュアル・シンカーの脳 「絵」で考える人々の世界』

「絵や画像、映像で思考する」と聞いて、イメージできますか?この本が面白い、と私に進めてくれた友人は視覚思考者(ヴィジュアル・シンカー)で、どうやら頭の中でTikTokのように映像が流れているらしい。 この本の中にある「思考タイプの判断テスト」で18…

【書評】「プログラマーとしてはこんな人に憧れるという理想形」『岩田さん』

任天堂の元代表取締役社長を務めた(故)岩田 聡氏が日頃どのようなことを考え、話していたか、若くしてこの世を去った岩田さんのエピソードや言葉のかけらからその人柄を知り、きっとあなたも惹かれてしまうはず。 コンピューター好きの岩田さんがアルバイト…

【書評】 エンパシーを持って、アナーキーに生きよう!『他者の靴を履く』

1996年から英国ブライトン在住のライター•コラムニストのブレイディみかこさん。彼女が2019年に書いた著書、“ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー“の中で登場する『エンパシー』という言葉。 『シンパシー』を【共感】と訳す。では、“エンパシー“は何…

【書評】 人はどう生き、どう死ぬのか。 医療×哲学をテーマとした『スピノザの診察室』

主人公の雄町哲郎(マチ先生)は、妹の死をきっかけに、大学病院の医局を辞め、 京都の町医者として働くことを決める。妹の最愛の息子である、中学生の龍之助の世話をするためだ。 大学とは違い、最先端の医療器材による治療はできないが、患者1人1人とより…

【書評】競馬場の裏側を徹底解剖!小島友実さんの『馬場のすべて教えます』

皆さんこんにちは。今日紹介するのは競馬キャスターの小島友実さんによる、競馬場の馬場に関するマニアックでディープな本『馬場のすべて教えます』です。 本書では、JRAの各競馬場(と東西2箇所のトレセン)の芝コースやダートコースについて、芝の品種や砂の…

【書評】『金沢競馬わくわくbook』- 地方競馬の魅力が詰まった一冊

皆さんこんにちは。『金沢競馬わくわくbook』は、競馬YouTuberのショコ壱番屋さんをナビゲーターに迎え、地方競馬場である金沢競馬の魅力を紹介する一冊です。この本は、地方競馬ならではのノスタルジックな魅力や中央競馬との違い、競馬場内のグルメスポッ…

【書評】「自然の恵みを感じながら生きる心地よいライフスタイル」『フランスの田舎に心ひかれて』

フランスの田舎に移住した家族の生活の衣食住、医療、教育、文化など現地で体験したことや日本との違いなどが紹介されている。ページをめくる度に風景や料理、お子さんの写真などに心が和む。野菜や果物を近所でお裾割りし合ったり、野原で花を摘んだり、川…

【書評】入門にもピッタリ!日本のフェミニズム事情が解る『往復書簡 限界から始まる』

上野千鶴子については説明不要かと思うが、日本のフェミニズム学の権威というべき巨塔である。いや、壁というべきか。書評の筆者は氏の大きな壁をよじ登ろうとしている、アマチュア専業主婦作家です。その巨壁に、真っ向から挑んだ急先鋒女性が鈴木涼美氏で…

【書評】「美人すぎる才女」たちが言いたい放題!『不倫と正義』

先日離婚を発表した国際政治学者で作家の三浦 瑠麗さんと、脳科学者の中野 信子さんの不倫についての対談本。2022年に新潮社から出ている。平易な話口調でずばずば語るのが小気味良く読み易い、大衆向けの作りだ。今年から、Kindle unlimitedの対象となって…

【書評】女優がそこに立ち現れてくる『私が撮りたかった女優展2021』

長野県美ヶ原高原にある山小屋ホテルに置いてあるのを拝読しました。池田エライザさんのロケ撮影に、この高原が使われたとのこと。毎年開かれる写真展覧会の展示作品を掲載した写真集です。気鋭の写真家が、ずっと撮りたかった女優を指名して撮るという企画…

【書評】腹の底が見えない国民性『だからタイはおもしろい』

著者は、タイフリークが高じてバンコクで暮らす日本人ジャーナリスト。現地に就職して言語を身に付け、現地妻を迎え、子供をローカルスクールに通わせる、地元に溶け込んだ生活をしている。20年以上観察している著者だからこそ知り得た、外国人が理解できな…

【書評】『ホラー映画で殺されない方法』 - ユーモアたっぷりのホラー映画「あるある」ガイド

皆さんこんにちは。ホラー映画はお好きですか?今日はホラー映画の「あるある」シーンや設定をユーモラスに描いた『ホラー映画で殺されない方法』を読みました。この本は、ホラー映画ファンや軽いジョークを楽しみたい読者にとって、絶対に見逃せない一冊で…

【書評】『魔女の秘薬事典』 - 魔女の世界へようこそ

皆さんこんにちは。エリカ・ライス著の『魔女の秘薬事典』を読みました。この本は、魔女が使用していたという様々なハーブの効能(魔法の効力)、生息地、栽培アドバイスを詳細に紹介しており、魔法の世界に興味がある方には必読の一冊です。 私が特に印象に…

【書評】目を背けず正面から向き合うことの大切さ『人はどう老いるのか』

老い。それは、目が見えにくくなり、人の名前が出てこなくなり、つまづき、むせて、頻尿失禁に悩み、ハゲたりシワシミと戦い、好奇心も根気もなくなり、様々な病気が発生し、最後は寝たきりになることである。このように目を背けたくなる言葉の羅列、これが…

【書評】驚きの仕掛けが満載!『作ってみたいカラクリ工作4 ダンボール篇』

凝ったおもちゃを作って子供を喜ばせることができる男は、子供好きの女性からの好感度も上げることができる!つまりモテるのだ!本書は、簡単な材料と道具で、誰でも手軽にできるダンボールを使ったカラクリ工作の作り方を詳しく紹介した本である。(もちろ…

【書評】「ぎんなみ商店街の事件簿 SISTER編」 - もう一つの角度で見る商店街の事件

皆さんこんにちは。今回は井上真偽の「ぎんなみ商店街の事件簿 SISTER編」についてご紹介します。このシリーズは、古き良き商店街で起こる事件を解決する物語で、「BROTHER編」と「SISTER編」という2つの視点から展開されます。今回は、三姉妹が主人公の「SI…

【書評】人類は平和と繁栄の中にぬくぬくと横たわっていた。その未来に待つものは。『地球幼年期の終わり』

SF史上の大傑作と多くの人々に絶賛されている本作が2015年にアメリカでドラマ化されているのは、なかなか驚きだ。なんといっても本作が最初にアメリカで刊行されたのは1952年なのである。 作者のアーサー・C・クラークといえば、ロバート・A・ハインライン、…

【書評】ちょっぴり怖い不思議なお話『ショートショートの惑星: 奇妙でブラックユーモア溢れる30の小説集 星夜行のショートショート』

ショートショート(超短編小説)と言えば誰もが星 新一を思い浮かべるであろう。とても奇妙で独特な作風の彼の熱烈なファンも多いはず。本書は、今は亡き星 新一をオマージュして書かれた、星夜 行(ホシヤ コウ)による30編のショートショート集である。 本…

【書評】『ぎんなみ商店街の事件簿 BROTHER編』 - 兄弟愛と推理の融合

皆さんこんにちは。井上真偽による「ぎんなみ商店街の事件簿」シリーズは、古き良き商店街で起こる事件を解決する物語で、読者を温かな気持ちにさせると同時に、スリリングな推理の楽しさも提供します。シリーズは「BROTHER編」と「SISTER編」の2冊があり、…