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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】「野菜スープは最強!!」『野菜は「生」で食べてはいけない』

ノンフィクション作家・奥野修司氏の緻密な取材と深い知見に基づいており、これまでの常識を覆す新たな「野菜との付き合い方」を提案している。
サラダや野菜ジュースなど、野菜を「生」で摂ることが健康や美容に良いと考える人は多いが、著者によれば、そのような生の摂取はあまりお勧めできないという。
理由は、生のまま食べても、胃の中で野菜の細胞壁を壊せず、有益な抗酸化物質を吸収できないからだ。
著者が示す最適な調理方法は、野菜を煮込むことであり、その場合、生と比べて抗酸化力が10倍~100倍にも向上するとのことだ。
野菜は、5種類以上、色の違うもの、かつ旬の野菜を中心に取ることを推奨している。
野菜は色が濃いもの、ハウスより露地栽培のもの、無農薬のものが好ましい。
さらに良いのは、皮や茎、根、種に至るすべてを使う丸ごと野菜スープである。理由としては、これらに含まれるファイトケミカルが効率的に摂取できるからである。
野菜の固い部分が食べにくい場合は、油で炒めて食べやすくすることで美味しく食べることができる。
また、その際に使う油は、無色透明の精製油は極力避け、オリーブオイルや焙煎菜種油などが良いという。

老化やガン、免疫力低下の原因とされている活性酸素を抑制するためにポリフェノール、カロテノイドなどの抗酸化物質を摂取することが重要で、その手段としても野菜スープは有効である。

とはいえ、ずっと野菜スープだけでは飽きてくるので、バリエーションとして、カレーやシチュー、鍋、雑炊(肉や魚も入れてOKだが、魚は骨ごと、肉の油は取った方がよい)、炊き込みご飯、納豆、豆腐などの豆類、つまり従来の日本食は非常に健康に良いとのこと。
一方で、ストレスによっても活性酸素が発生するが、その対策としては、定期的な運動を勧めている。

本書中で紹介されている医師は、便秘やアトピー性皮膚炎、慢性疲労などに悩む人々に向けて、野菜スープをおススメしており、野菜スープを取るようになってから、多くの患者は、症状が改善しているという。コンニャク断食もおススメ。

このように本書は、単なる野菜の食べ方の提案にとどまらず、科学的なエビデンスや実践的なアドバイス、具体的なメニューを通じて、読者に健康的でバランスの取れた食生活のあり方を提案している。本書を通じて、野菜との新しい付き合い方を学び、自身の健康への理解を深めることができるのではないでしょうか。
これだけ強力に推奨されたら、もはや野菜スープ健康法を試さずにはいられないので、さっそく私も自分の食生活に取り入れていこうと思う。

著者:奥野 修司
出版社:講談社ビーシー