HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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2023-01-01から1年間の記事一覧

【書評】「深遠な感情の探求:アニーエルノーの『嫉妬』と『事件』

皆さん、こんにちは。今回は、2022年にノーベル文学賞を受賞したアニーエルノーの小説、「嫉妬」と「事件」についてお話ししたいと思います。エルノーの作品は、人間の感情と社会的な問題を描くことで知られていますが、これら二つの作品もその特徴を色濃く…

【書評】「宇宙の舞台で繰り広げられる擬人化バトル:『宇宙最強物質決定戦』

こんにちは、皆さん。今日は私が最近読んだ本、「宇宙最強物質決定戦」についてお話ししたいと思います。この本は物理学者の高水裕一氏によって書かれており、宇宙の物質や天体が擬人化されてバトルを繰り広げるという、一風変わった内容となっています。こ…

【書評】アイスランドの暗い影を描く 『湿地』

アイスランドの首都レイキャビクを舞台にしたアーナルデュル・インドリダソンの「湿地」は、単なるミステリー小説を超えた作品です。この小説は、複雑な心理描写と社会的背景の探求に重点を置いています。 殺人事件を追う物語 「湿地」では、アパートで起き…

【書評】歴史の波に翻弄された人生:フランス絶対王政下のプロテスタントの苦悩 『ガレー船徒刑囚の回想』

私は昔プレイしていたオンラインゲーム、「大航海時代online」そして昔読んだマンガ「海皇紀」に登場したガレー船について興味を持っており、そのことからこの本を手に取りました。 「ガレー船徒刑囚の回想」は、ジャン・マルテーユによる1757年に書かれた記…

【書評】ファンタジー色が強い幻想系SFの数々。『人間以前 ディック短篇傑作選』

事情はよく知らないが、近年になって改めて連続刊行されたディック短篇傑作選も本書で6冊目。2014年に発刊されたものだが、とうやらこれでひと段落らしい。ディックの全短篇約120篇の内、64篇を編纂したことになるのだと言う。だから以前読んだことのある短…

【書評】恋と呪いの家:アガサ・クリスティ『終わりなき夜に生れつく』の深遠な謎

1. 一体何が?「終わりなき夜に生れつく」は、ミステリー小説の女王アガサ・クリスティの作品で、1967年に発表されました。これはクリスティ自身が最も気に入った作品の一つで、その理由は一読すれば明らかになります。2. 物語の背景:恋と建築物語は若い建…

【書評】ルイ王朝の愛と欲望の狭間で 『マノン・レスコー』

みなさん、こんにちは。今日紹介するのはフランス文学の古典です。ルイ王朝時代のフランスを舞台に、美しきマノンとたまたま出会った彼女に一目惚れして恋の炎を燃え上がらせてしまう青年、シュヴァリエ・デ・グリューの愛の物語を描いた『マノン・レスコー…

【書評】技術の二面性:救いと破壊の間で『教科書には載せられない 悪魔の発明』

みなさんこんにちは。先日コインランドリーの待ち時間に図書館に立ち寄り、歴史ミステリー研究会の『教科書には載せられない 悪魔の発明』という本を読んで、深く考えさせられました。この本は、歴史上のさまざまな発明に関する興味深いエピソードや裏話を集…

【書評】「婚活☓胃袋=最強。いうことをあらゆる角度から説いた本」『彼の心と胃袋をつかむ「愛されめし」で幸せな結婚を引き寄せる!』

主に、女性からみた視点で男性にとっての食とは、にはじまり、そのうえで相手のことを考えた料理のコツが書かれている。 例えば・「今日はハンバーグか、ぶりの照り焼きか、豚しゃぶのどれがいい?」など3択だと、本能的にいま欲しいものを欲するから、その…

【書評】「商品・サービス・アプリ等を作る人必読!!」『「ついやってしまう」体験のつくりかた』

ゲームにハマってしまう体験ってこうやって作られているのかと目からウロコ。ついやってしまう体験を要素に分解して、1つ1つ丁寧にその背景となる心理的な状態やそれを乗り越えるための工夫等について解説。伝説的なヒット作であるスーパーマリオやドラゴ…

【書評】顧客中心のビジネス戦略『T・レビット マーケティング論』

マーケティングは、ビジネスの世界において中核的な役割を果たします。その中でも、セオドア・レビットの『マーケティング論』は、現代のマーケティング戦略における重要な指針を提供しています。この書評では、レビットの考え方の核心を探り、ビジネスにお…

【書評】馳 浩の視点で紡ぐ古典と現代の対話『快刀乱筆』

こんにちはみなさん。今回は、馳 浩さんのエッセイ集『快刀乱筆』についての感想を書きたいと思います。 この本を手に取ったきっかけは二つ。一つ目は、以前読んだ馳さんの「古典、簡単じゃないか」が非常に面白かったこと。そして二つ目は、馳さんが私の住…

【書評】百戦錬磨の旅人から学ぶ危険回避術『インド超特急!カオス行き』

著者はイギリス、アメリカに留学したあと、面白い写真を撮るために世界を放浪したバックパッカー。アジアは勿論、アフリカ、中南米の危険地帯を訪れ、自身の体験を旅行記にまとめることを30年続けている。今回、作者が挑んだ国はインド。過去に2度訪れている…

【書評】フローベールが描く愛と喪失の物語『素朴な人』

みなさんこんにちは。今回は、フランス文学の巨匠、グスターヴ・フローベールの『素朴な人』についての感想を書きたいと思います。 ■作品概要『素朴な人』は、フローベールの短編小説集『三つの物語』の中の一つで、主人公フェリシテの一生を描いています。…

【書評】極限のサスペンス、心理の深層:夕木 春央の『方舟』に見る人間の選択と真実

みなさんこんにちは。今回は、夕木 春央の『方舟』という小説についての感想を書かせていただきます。 ■概要 大学時代の友達と従兄とともに山奥の地下建築を訪れた主人公、柊一。しかし、彼らは偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことに。…

【書評】韓非子の教えで学ぶ現代リーダーシップの真髄 『韓非子に学ぶリーダー哲学』

みなさん、『キングダム』の最新刊、70巻はご覧になりましたか?この巻でキーパーソンとして登場する韓非子に触発され、彼に関する書籍を読んでみました。 読んだのは「『韓非子に学ぶリーダー哲学』(竹内良雄・川崎享著)」です。この書籍は、中国戦国時代…

【書評】生命を弄ぶ者へ訪れる悲劇の中篇二作。『火の鳥 宇宙・生命編』

『宇宙編』は第4部で、『ヤマト編』と『鳳凰編』の間に、『生命編』は第10部なので、『乱世編』と『異形編』に挟まれている作品だ。作品発表順に読みたいこの身からすれば、どうにも少々意地悪な編集である。例え作品間の関連性が殆ど無く、作風もそれぞれで…

【書評】夢を追い続ける人へ勇気を与えてくれる一冊『アルケミスト - 夢を旅した少年』

本書は1988年ブラジルで出版され、世界で3000万部を超えるベストセラー。 羊飼いの少年がアンダルシアからエジプトのピラミッドを目指して旅をする物語。その途中に様々な出会いや経験がある。 本書の印象的な点として、夢を探求するための勇気を優しく説く…

【書評】時の価値と人間関係の探求:『モモ』

ミヒャエル・エンデによる『モモ』は、1973年に初めて出版された児童文学作品です。哲学的な洞察と深遠なメッセージで世界中の読者を魅了し続けています。この物語は、時間の使い方と、私たちがどのように人間関係を築いていくかについての洞察を提供します…

【書評】信仰と疑いの中で見つけた人間性の深遠な探求 遠藤周作『沈黙』

今日は「沈黙」についての最近の読書体験を共有したいと思います。これは遠藤周作の代表作で、17世紀の日本でのキリスト教徒の迫害を描いた作品です。信仰と疑い、神の存在と沈黙、そして人間の苦悩について深く考えさせられる作品で、世界的に高く評価され…

【書評】『ムシカ 鎮虫譜』- 異色の音楽ホラー小説

井上真偽の『ムシカ 鎮虫譜』は、音楽とホラーの融合が生み出す独特の世界観を持つ小説です。瀬戸内海の小さな無人島を舞台に、音大生たちと巫女たちが虫を鎮めるという、異色のストーリーを展開します。 物語は、夏休みにこの島を訪れた音大生たちから始ま…

【書評】国際的陰謀と文化の交差点:さいとう・たかを『ゴルゴ13 第192巻「軍隊を持たぬ国」』

さいとう・たかを先生の「ゴルゴ13」の192巻「軍隊を持たぬ国」は、スリリングな展開と深い洞察力で読者を引き込む作品です。 「軍隊を持たぬ国」は、アイスランドという軍隊を持たない国を舞台に、中国人実業家による大規模な土地買収を描いています。中国…

【書評】国際的陰謀と文化の交差点:さいとう・たかを『ゴルゴ13 第192巻「軍隊を持たぬ国」』

さいとう・たかを先生の「ゴルゴ13」の192巻「軍隊を持たぬ国」は、スリリングな展開と深い洞察力で読者を引き込む作品です。 「軍隊を持たぬ国」は、アイスランドという軍隊を持たない国を舞台に、中国人実業家による大規模な土地買収を描いています。中国…

【書評】現実を突き付けられる書。『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』

栗城史多。35歳、8度目のエベレストで永眠。彼を書いた書。 夢の共有、を合言葉に登山自体をライブ配信し、限られた人にしか見られない光景や、無念の状況も同時に配信。最後はエベレストの下山中に滑落死する。そしてある人物の評伝的な書は、表の功績とそ…

【書評】「これからの時代を生き抜く力を身に付けよ!」『僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版』

これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者たちに向けた社会で生き抜くための熱いメッセージ。 今から数十年以上前、我々の親世代の時代とは異なり、大企業であっても不祥事やグローバル企業の台頭、テクノロジーの発展などによって、あっという間…

【書評】緑の魔法:『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』で食卓を彩る 

ブロッコリーはビタミンCがレモン以上に含まれ、葉酸、タンパク質、ミネラルも豊富な、まさに最強の健康食材です。そのブロッコリーをたっぷりと食べられるレシピを紹介する本、「日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ」をご存知でしょうか?この本は、…

【書評】視覚の冒険『絵を見る技術』

「絵を見る技術」は、絵画鑑賞の新たな視点を提供する秋田麻早子さんの興味深い一冊です。絵画をただ「美しい」とか「すごい」と言うだけでなく、より深く、より詳しく表現するための言葉を見つけるためのツールとして、この本は非常に有益です。秋田さんは…

【書評】藤原不比等の世界への旅:『比ぶ者なき』における歴史と現代の交差

「比ぶ者なき」は、ある種の革新的な作品であり、私が初めて経験する、藤原不比等を主人公に据えた歴史小説でした。馳星周は彼の物語を通じて、我々に一つの仮説を提示しています。それは、、、藤原北家が、自らと天皇家を絶対的な存在として確立するために…

【書評】欲望と代償の深淵を探る恒川光太郎のホラー物語『夜市』

「夜市」台湾の夜市とは全く関係のない、恒川光太郎によるホラー小説です。裕司という男性が主人公で、彼は幼いころに不思議な市場「夜市」に迷い込み、そこで弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れました。 「夜市」は人間の欲望とその代償について考…

【書評】食が織りなす未来、日本の再生への美食経済圏構想 『ニッポン美食立国論』

「ニッポン美食立国論」は柏原光太郎によって書かれた本で、日本全国に「美食経済圏」を構築するという考え方を提案しています。著者は食に焦点を当てることで観光が活性化し、それが地方、そして日本全体の再生につながると主張しています。本書では、大軽…