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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】国際的陰謀と文化の交差点:さいとう・たかを『ゴルゴ13 第192巻「軍隊を持たぬ国」』

さいとう・たかを先生の「ゴルゴ13」の192巻「軍隊を持たぬ国」は、スリリングな展開と深い洞察力で読者を引き込む作品です。

「軍隊を持たぬ国」は、アイスランドという軍隊を持たない国を舞台に、中国人実業家による大規模な土地買収を描いています。中国の目的は、軍隊を駐留させてアイスランドを実効支配することでした。
また、この巻には「未病」という別の話も収録されており、鍼灸医学の国際基準をめぐる中韓の学会の激しい対立が描かれています。韓国の学会の副会長が、中国側の会長暗殺をゴルゴ13に依頼するというストーリーです。

「軍隊を持たぬ国」は、アイスランドというユニークな舞台設定を活かしながら、国際的な政治の裏側をリアルに描いています。アイスランドが軍隊を持たない歴史的背景を知ることで、土地買収がなぜ重要な問題なのかがより深く理解できます。中国の実業家たちの動機や、彼らがどのようにしてアイスランドに影響を及ぼそうとしているのかを描くことで、現代の国際関係における様々な課題が浮かび上がります。国際政治を巧みに描きながら、アクションとサスペンスに溢れたストーリーで読者を魅了します。
また、「未病」では、鍼灸医学を巡る国際的な争いが描かれており、この話は科学と文化が交錯する現代社会における葛藤を象徴しています。

これらの話を通じて、いつもながら「ゴルゴ13」は読者に現代社会の複雑さと国際的な問題について考えさせる力があると感じました。