HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】歴史の波に翻弄された人生:フランス絶対王政下のプロテスタントの苦悩 『ガレー船徒刑囚の回想』

私は昔プレイしていたオンラインゲーム、「大航海時代online」そして昔読んだマンガ「海皇紀」に登場したガレー船について興味を持っており、そのことからこの本を手に取りました。

ガレー船徒刑囚の回想」は、ジャン・マルテーユによる1757年に書かれた記録で、ルイ14世治下、カトリックが支配していたフランスで、17歳から29歳までの12年間ガレー船の徒刑囚として過ごした一人のプロテスタントの体験を描いています。

ガレー船での労役は非常に苛酷で、彼が服役していた期間中に52%の徒刑囚が亡くなるとされています。彼の記録はガレー船徒刑囚の体験を回想した唯一のものといわれ、彼の体験を通して当時のフランスの政治状況、宗教問題、司法制度などについての貴重な証言を提供しています。

ルイ14世の治世は、フランスの絶対王政の全盛期ともいえる時代で、彼の長い統治期間(1643年~1715年)はフランスの文化、芸術、政治に大きな影響を与えました。彼は自身を太陽王と称し、フランス王国をヨーロッパの中心的な国家に押し上げました。
宗教的な観点から見ると、ルイ14世の治世はカトリックが優勢で、フランスではプロテスタントが迫害を受ける時代でした。これは1685年のナントの勅令の撤回によって特に明らかになり、プロテスタントの信者はカトリックに改宗するか、国を去るかを強いられました。この本の主人公は脱出に失敗し囚われの身となります。

ガレー船は、古代の地中海の海洋勢力、例えばフェニキア人、ギリシャ人、イリュリア人、カルタゴ人、ローマ人などによって使用される戦艦でした。16世紀の最後の数十年まで、ガレー船は地中海で戦争や海賊行為に使用される船の主要なタイプでした。

フランスの宗教問題とプロテスタントカトリックの対立は、16世紀の宗教改革から始まります。マルティン・ルターによる宗教改革の影響で、新教徒(プロテスタント)と旧教徒(カトリック)の間で深刻な対立が生じました。特にフランスでは、これが宗教戦争という形で爆発し、絶対王政下でのカトリックの支配を背景に、プロテスタントは迫害を受けることとなりました。

この本の主人公がガレー船での12年間をどのように生き抜いたのかに興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。