人文
本書のテーマは「時間」。人それぞれ時間の使い方は違う、そして得られる物も。時間という有限なものを通して見られる人間模様が面白い。本書を読めば時間について改めて考えるきっかけになるかもしれない。 400ページあるが、物語自体のテンポは良く、サク…
太平洋戦争で日本と戦うことになった米国は、当時の戦時情報局によって日本研究を実施。日本人の行動・歴史・文化の分析からその背後にある独特な思考や気質の解明を試み、その特徴を菊と刀であると考察しました。 この2つに集約された根本的な部分は「恩や…
21世紀にもなって戦争を始めた国がある。歴史は繰り返すというが人間は本当に愚かだとつくづく思う。どこかの本で「ヒトはジーパンとアップルウォッチをした原始人である。」と表現していたがその通りだと思う。 ヒトは生存確率を高めるために群れながら生き…
21世紀にもなって戦争を始めた国がある。歴史は繰り返すというが人間は本当に愚かだとつくづく思う。どこかの本で「ヒトはジーパンとアップルウォッチをした原始人である。」と表現していたがその通りだと思う。 ヒトは生存確率を高めるために群れながら生き…
『教養としての茶道』の著者による新著である。前作が概論であるならば、本著は詳論である。茶道を知らない人でも茶室という名前は聞いたことがあるだろう。茶室はこじんまりとした空間である。その小さな空間を通じて得られるあり方を普遍化する方法を教え…
だいたい本を読むときは好奇心を発生させるためか仕事で壁にぶち当たるときである。仕事で壁にぶち当たる度に周りから「流せるようになると良いね。」とアドバイスをもらうが一向に流せることができない。自分でも思う。哀れである。 快感経路とは人を依存…
自分でも気付いていない、未知の自分。それは時に夢として反映される事がある。無意識は身体的と心理的の2つある。身体的なものは心臓が脈を打ったり、脳が指令して体温を調整をしたり、不随意的なものである。これは想像しやすいと思うが、心理的な無意識…
みなさま宗教と哲学知識に関して自信はありますか?私も含めて日本人にとってこの分野は苦手とする部分だと思います。人類最大の謎である「人はどこから来てどこへ行くのか?」「世界はどうしてできたか?」に対し、過去の偉人たちはどう考えてきたのか?を…
1970〜80年代、東京都江東区にある小松川第二中学校の夜間学校での話。そこは「内鮮結婚」「南米移民」などの国策の影響により日本語をまともに学べなかった者や、植民地政策や民族差別のために学校にまともに通えなかった在日朝鮮人などが勉学に励む。国の…
既成概念に囚われず合理的思考の持ち主である、日本語学者三上章の生涯を綴った本書。著者である金谷氏がカナダの大学で外国語として日本語を教えていた時、日本語に違和感を感じた。そしてそれは三上文法との出会いの始まりであった。 国際交流基金によると…
目から鱗だった。海外の話をされても海外の文化だから実現できるのであって、日本に住んでいる限りは日本のやり方を受け入れる必要があると思っていないだろうか。だが、このように「べき」に縛られることによって、どんどん自分自身の価値を自ら下げていた…
題名通りにこども向けと思って開いてみたら、あらびっくり!大人が読んでも十分に勉強になる。私は一回だけ六法全書を見たことあるが、1ページも理解できずに閉じた記憶がある。それをここまで噛み砕いて説明しているのは、著者の言葉選びの賜物だろう。法律…
色々と考え事が多い現代人、そもそも考えるってなんだ?読んでいく内に考える事について深く知り、「体感的」に納得できる。非常に面白く言語化されている。考えすぎて煮詰まった方、これから新しい事を考えようとしている方に是非お勧めしたい。考えるとい…
色々と考え事が多い現代人、そもそも考えるってなんだ?読んでいく内に考える事について深く知り、「体感的」に納得できる。非常に面白く言語化されている。考えすぎて煮詰まった方、これから新しい事を考えようとしている方に是非お勧めしたい。考えるとい…
千利休は自ら言葉を綴る事をほとんどしなかった。利休の茶の湯そのものが思想であり、生き方であり、メッセージだったからかもしれない。まさに日本人の心の有り様を示していたと思う。オリンピック開催前に話題になり、利休も大事にしていた「おもてなし」…
「これだけは、どうしても届けたい」 書店へ取次店を介さずに直接商品を卸す、いわゆる直取引で営業されてるミシマ社。こちらの代表三島氏が日頃お世話になっている本屋さんに、上記のようなお願いをした。1年間毎日違う本を読めるように365人の本屋に。 365…
自分というものを掘り下げてみると実はあまり深くなく、どちらかと言えば周りの事がよく見えてくる、読んだ後、私はそう感じた。一見矛盾しているように感じるが、この本を読むと「なるほどなぁ」と腑に落ちてくる。自分が生かされているんだなぁと、しみじ…
「この世の存在はすべて情報次第でいくらでも変わってしまう」 この書籍の中で特に心に残った言葉だ。例えば、今日別れたカップルがいます。前日までは彼女だった女性が今日別れた瞬間、元彼女という存在になる。他の例として中国の故事でこんな話がある。秦…
あんまりこういった知識あれこれ披露本には興味を示すことが無いのだが、こいつはなかなか印象深い一冊であった。おっと、なんでえ、そいつぁ、という様な当時の習わしや、その頃ならではの風情なども面白い。また、時代劇などで観せられていたものが、全く…
ドイツの経済学者カール・マルクスの著書「資本論」。この経済古典を池上彰氏が講義形式で解説している。 資本論を読んで、難解と感じた人は少なくないだろう。それはマルクスの理論が複雑だからなのか。実はそうではない。資本論は現代を生きる我々にしたら…
今年読んだ本のなかでフロー体験入門と本書は今のところベストセラーといえる。上記に加えて『RANGE』という本も紹介したいが、それは次回にする。 世の中には面白いことが沢山ある“らしい”。あなたは星座、宇宙、昆虫、植物、海洋、恐竜に興味はあるだろう…
人流抑制の一助のために自宅で映画を見ることが増えたが全然集中できない。興味があるジャンルでも途中で集中力が切れてスマホでYouTubeを見てしまう。文明の利器は映画を見ることを難しくしてしまったのかもしれない。 本書は人を惹きつける「強い物語」と…
「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」とは、「死ぬことなど恐れるものか」と曲解されがちだが、本来の意味は「武士として恥をかかずに生きるためには死ぬ覚悟くらい持ち合わせてなければならぬぞ」と、武士の心構えを説いたもので、『葉隠』中に於いて特に…
「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」とは、「死ぬことなど恐れるものか」と曲解されがちだが、本来の意味は「武士として恥をかかずに生きるためには死ぬ覚悟くらい持ち合わせてなければならぬぞ」と、武士の心構えを説いたもので、『葉隠』中に於いて特に…
大昔の中国の戦記物。その代表格とされているのが三国志である。国を三つに分けた国盗り合戦であり、その三つとは曹操の魏、孫権の呉、そして劉備の蜀である。本作では、蜀の劉備を主人公と捉えて描かれているのだが、昔の中国では、国ごとに各々の歴史を書…
本書は半世紀を超えて愛され続ける世界的名著であるが、随所に描かれた挿絵や表紙のイラストも著者によるものだ。また、ここ最近あちらこちらで本書が話題になったことから、何か今の自分に意味があるのではと思い読んでみることにした。 訳者によると本書の…
著者である山岡荘八の作品を最初に読んだのは『織田信長』であった。小学校の社会科があまり得意ではなく(本当は社会科に限ったことではない)、日本の歴史に疎かったため、三十代も半ばにして、日本人としてこれではいかんと思い手に取った次第だ。読み出…
明治維新の立役者としての坂本龍馬の生涯を描く、超有名な時代小説。作者の司馬遼太郎の特性として、主人公には颯爽として曇りのない晴れやかな人物像を求めるので、本書の主人公である龍馬も、実に男っぷりが良い。一節では、坂本龍馬が偉いのではなくて、…
時は明治、武士という職が消え困難に直面する一家の長女カネは横浜のキリスト教学校から、兄の銃太郎、亭主の勝を追い北海道の十勝地方開発の先陣を切る“晩成社”の開拓民として大自然の原野へ赴く。 原野を開墾し広大な農地を獲得する事を目的とする開拓団に…
言わずと知れた兵法書。大昔の中国春秋時代に書かれたものであるにもかかわらず、今なお数々の人々に恩恵を与え続けている。その孫子という人物とは、当時の軍事思想家である孫武であろうとされているが、いまいちはっきりとはしていない。三国志の主要人物…