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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】歴史の断片を繋げて真実を知る『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』

本書裏の内容紹介に「戦前の日本もスパイ天国だった……。ロシア革命が成功したあと、レーニンは世界革命を遂行すべく、「コミンテルン(共産主義インターナショナル)」をつくる。それは恐るべき思想と悪魔的手法に裏打ちされた組織であった。
そして大日本帝国は、やすやすとその謀略に乗せられ、第二次大戦に追い込まれていく。 なぜ、そうなってしまったのか?」と今流行りの陰謀論チックなのであるが、ついつい手に取ってしまった。

内容紹介で感じた初感にいい意味で裏切られた。
近現代の歴史の大きな事象である大戦、そして戦後を断片的に紐解くのではなく、その歴史mの背景にいたコミンテルンが描いて進めた戦略、そしてその戦略に蹂躙される当時の日本のエリート。

そしてなぜ、日本のエリートが共産主義にシンパシーを覚えたのか?
その中でも、ソ連共産主義社会を主張する左翼全体主義者と、天皇を戴きながら社会主義的統制国家をめざす右翼全体主義者が生まれたのか?
その過激思想に傾斜していく過程も読んでいくのは非常に興味深い。
表面上しかなぞってこなかった近現代史を理解する素地を作れる一冊。