マンガ・アニメのキングダムで有名な秦(しん)国、この名前が「China(チャイナ)」の由来と言われています。戦後、発展途上国とされていた今の中国、Chinaがいかにして世界2位の経済大国となったのか。国家100年の計を立てて、世界一を目指し、「孫子」「戦国策」等の兵法から導かれる戦略を用いて強国に歩みよっていったのです。「パンダハガー(親中派)」と呼ばれた著者がCIAの経験に基づき、親中派を脱し、中国の軍事戦略研究の第一人者となり、世界の覇権を目指す中国の長期的戦略に警笛を鳴らすようになるまでの驚くべき記録が本書になります。その驚くべきないようとは!?
日本だけではなくロシア以上に脅威となっている中国ですが、毛沢東政権以降、全ては中国のナショナリスト「タカ派(※1)」が仕組んだ計画【100年マラソン】に基づいていたのです。2049年までに、世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位をアメリカから奪取する、世界の覇権を握ることが1949年に掲げたビジョンです。
(※1 タカ派:強硬手段も辞さない、強気な見方や発言をする人)
引用
【「過去100年に及ぶ屈辱に復讐すべく、中国共産党革命100周年にあたる2049年までに、世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位をアメリカから奪取する」というものだ。この計画は「100年マラソン」と呼ばれるようになった。】
(キングダムでいえば、秦国をチャイナと見立て、楚国か趙国をアメリカに見立てて、秦国が他国連合の合従軍につくらせないようして、いかに成長するか、みたいなイメージです)
第二次世界大戦後の米中関係を主に書かれており、今のチャイナが何故ここまで大きくなり、世界の脅威となったか、又、どのようにしてアメリカがチャイナの術中にハマり、経済・軍事などの支援をしていったかがわかります。特にチャイナは「自分を弱く見せる」こともうまく、「チャイナ崩壊論」がよくありましたが、これも彼らの情報戦術の一部です。
チャイナは情報をうまく操りながらアメリカや日本などから経済援助、軍事援助、情報援助などを得て、成長しました。さらに、反対意見勢力には「チャイナ崩壊論」などの弱いチャイナの情報を流し、「チャイナ侮る」ように仕向けてきました。
トランプ政権が対チャイナに強行になる背景もわかり、かつ、今まで、これからのチャイナを理解するための一冊です
発行 2015/9/3
著者 マイケル・ピルズベリー
出版社 日経BP