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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】米中両国が歩み寄ることがない世界でどう生きていくか『危機の地政学』

コロナ禍が引き起こした大きなトレンドは各国の右傾化。更に、足元25週間で過去25年分のグローバル化を後退させたと言われている。コロナ禍が招いたもう一つの功罪は各国内の分断。米国国内が真っ二つに分かれているため、外に共通の敵すら作れない状態。つまり、国民が一致団結する兆しが見えない。その中で世界の警察になることは到底難しいため、各国は独自で生きていくこと模索しなけれならない。

一番の学びは、民主主義・資本主義が限界にきているということ。かと言って、ここから絶対君主制に移行すべきとも思ってはいないが、民主主義がベリーベストであるこという考えは切り替えた方がいい。〇〇民主主義のような派生版があることで国の意思決定が早まり、今後来る生物環境的・軍事的・経済的危機に立ち向かっていけるのではないか。

近年「ビジネス地政学」がどこでも聞かれるようになった中、一般のビジネスパーソンのビジネスにも影響が出てきていることから、地政学は自分自身のビジネスの将来を予測するのに有効なツールではないか。最近の書籍店では「地政学」関連の書籍が急増しており、10年前に「Gゼロ」や「トランプ当選」をすばり当てた世界最高峰のインテリジェンスのユーラシアグループ イアン・ブレマー代表の考えはあらゆる面で示唆に富んでいる。本著に加えて、2018年に発刊された同氏著の『世紀の対立』を併読することで現在の世界で何が起きているか、今後何が起こるかの解像度が高まるだろう。