いわゆるミニマリスト生活や片付け、断捨離はブームでもあるので、関連の本を読んだ方も多いだろう。そんな中本書の「クリエイティブ」がどういった切り口なのか、新しい発見を見つける楽しみとともに読んでみた。
まず収納術の考え方だ。著者は自宅のリノベーションを通した経験などからこう言っている。「単にモノを減らすだけでは快適にならない、問題解決手法をとりつつ、世界に一つしかない唯一無二の空間を創造するのだ」と。そのために「モッタナイは本当は捨てたいのだ」や「最適な収納場所を当たり前に囚われず疑う」などまさにクリエイティブな発想のヒントが散りばめられている。
次にかんたんDIYだ。例えば、ブックエンドを駆使したり、トタン板を壁に貼るなどしてマグネットを取り付けるスペースを作る、とか、突っ張り棒と木片で洗濯機上に棚を作る、など。こうすることで床にモノを置かず定位置が出来、「モノをホームレスにしない」ことができる。図解や写真もついていてわかりやすく、頭に入る。実用書はこの「わかる」から「出来る」へ乗り越えるハードルが低いのが実行につながる肝だが、この具体例はそこがクリアされていて、買い物してすぐに取りかかれそうだ。
他にも、収納率は14%以上で満足度が上がるという調査や、照明の明るさなど、数字に基づく紹介がなされているのもよい。
片付けの苦手な方から、リノベーションなど理想空間を考え中の方まで、考え方の整理のため読むのに良いだろう。
著者︰TＳUＮ（つん）
発行所︰クロスメディア・パブリッシング
発行日︰2022年7月1日
