HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】運命に抗う少女『われら闇より天を見る』

母子家庭、姉、弟、犯罪者の親戚、精神崩壊、劣悪な環境の青春ストーリと思いきや、謎解きミステリー。幸せな日々が続いたと思ったら、急展開を見せるジェットコースターのような生き方を選ぶヒロイン。 警察署長のウォークが殺人で服役中の友人が絶対に無実…

【書評】常識を疑うことで、人生は面白くなる『頭がいいとは「疑う」ことである』

評者は書店に行くことが好きだ。用がなくても何か面白いものがないかと書店の中をくるくると歩き回ることで、ストレスが解放されたり、いい気分になる。そんな時に、目に飛び込んできたのが、インパクトのある本書の表紙だ。 どこの書店に行っても数多くの著…

【書評】夏休みの読書感想文に最適!北杜夫の『船乗りクプクプの冒険』の魅力

皆さんこんにちは。今日は、北杜夫の児童文学の名作『船乗りクプクプの冒険』についてお話しします。特に、夏休みの読書感想文を課題にしている小学生には、この本を強くおすすめします。 『船乗りクプクプの冒険』は、1961年から1962年にかけて連載され、そ…

【書評】近代日本の文学史を司った作家というものを初めて識る悦び。『城の崎にて・小僧の神様』

明治から昭和にかけて活躍し、小説の神様と言われた志賀直哉の短編集。私が本書を手にした動機としては、作家、北方謙三が、小説家になる為に志賀直哉の『城の崎にて』を原稿用紙に書き写したりして学んだということを知ったので、一度読んでみようと思って…

【書評】壮年期の恋物語を下敷きに、2人が生まれる前から死んだ後までを描いた珠玉の詩集『女に』

詩集や歌集というのは、本当にその人がそこにいるような感覚になります。背表紙を見ると、妖精みたいな谷川さんが、本棚に座って脚をぶらぶらさせているような気がします。 本の装丁って、皆さんが思っている以上に、作る人達は、すごくこだわりを持っていま…

【書評】不倫文学の最高峰。いぶし銀でさらりと書いたような、三島に珍しく肩の凝らない作品『美徳のよろめき』

山田詠美さんの解説が追加された新版です。この解説、私はとても好きです。(それにしても、なんてチャレンジングな帯なのでしょう) 三島由紀夫作品は、初めて読みました。読後、感じているのは、ひたすら美しかったな、、という以上に、「男の理論だな、、…

【書評】ガンバリズムからの脱却『営業の科学 セールスにはびこる無駄な努力・根拠なき指導を一掃する』

営業現場に蔓延るガンバリズム。著者もかつてはそのような営業スタイルで成果を上げられていたものの、いざ営業組織をマネージする立場に立った際にそれだけではなぜかメンバーの成績が思うように伸びず、壁にぶち当たっていた時に業績を上げていた隣のチー…

【書評】人間とチンパンジーのハーフ『ダーウィン事変』

本作品は人間とチンパンジーのハーフである「ヒューマンジー」チャーリーの物語りだ。人間より賢く、チンパンジーより身体能力の高いヒューマンジーは高校生活を穏やかに過ごすはずがテロリストに目をつけられてしまう。 ヒューマンジーは動物と人間の間の生…

【書評】勝利に取り憑かれた人間の心理『ひゃくえむ。』

『ひゃくえむ。』は、話題作『チ。-地球の運動について-』の作者でもある魚豊(うおと)による、人間の苦悩を巧みに描いたスポーツ漫画だ。100メートル走に人生を賭けた若者達が、負けて勝者から転落することを恐れ、それぞれが思い悩む、そんな心理描写が読…

【書評】テキスト/画像×AIの次にくるもの、音声×AIによるビジネス変革『音声×AIがもたらすビジネス革命』

生成AIのカンブリア紀と言われる現在、爆発的な進化を遂げているが、音声の領域における活用はまだ活用これから。まだ生成AIが普及する前から音声×AIに可能性を見出して起業した著者が、音声×AIの今と今後のビジネス活用について語る。 直近の日本の労働生産…

【書評】JK詩人・文月悠光が爆誕。処女詩集『適切な世界の適切ならざる私』

これが現代詩でないのなら、何を現代詩というだろう。文月悠光の処女詩集は、中原中也賞をとることが予定調和だったように感じさせる作品だ。整然と並んだ文字列は、絵画のような印象を与える。韻文詩と散文詩の合わせ技は、彼女の特徴的なスタイルで、17歳…

【書評】スペース・オデッセイは、とうとう1000年を経て完結する。『3001年終局への旅』

1968年発表の『2001年宇宙の旅』、1982年の『2010年宇宙の旅』に、1987年の『2061年宇宙の旅』ときて、1997年には本作を発表。とうとう一作目から1000年が経ってしまった。どこまで行く気なの? と思ったら、これがシリーズ完結篇である。それにしても、『終…

【書評】原爆投下はソ連も関与?『ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動』

1945年(昭和20年)8月6日広島 原爆投下の日歴史を振り返ると、自分達がこの世に生を受けているのが奇跡とも思える。ヴェノナ文書などの秘密文書が公開されて、原爆投下はアメリカだけでなくソ連も関与していたことが示唆されている。1945年(昭和20年)8月6日に…

【書評】超高齢化社会の必読書『親が倒れたら、まず読む本』

著者は、フルタイムの仕事を続けながら10年間、両親を介護した女性。介護の傍ら、社会福祉士、宅建、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。現在は、介護で苦しむ方の助けとなるべくして「在宅介護エキスパート協会」の代表を務めている。 「介護」と聞く…

【書評】『リバース』湊かなえ - 心の陰と向き合う心理ミステリ

皆さんこんにちは。湊かなえの作品にはいつも心を揺さぶられますが、「リバース」もその例外ではありません。この作品は、「深瀬和久は人殺しだ」というショッキングな一文から始まります。サラリーマンとして平凡な生活を送る深瀬和久に突然届いたこの手紙…