営業現場に蔓延るガンバリズム。著者もかつてはそのような営業スタイルで成果を上げられていたものの、いざ営業組織をマネージする立場に立った際にそれだけではなぜかメンバーの成績が思うように伸びず、壁にぶち当たっていた時に業績を上げていた隣のチームのマネージャーからのアドバイスを受けて、考えて行動する組織へと変革を決断し、成果を上げることに成功し、その経験をまとめた書籍「無敗営業」を出版。その後、さらに調査を拡大し、法人営業約1万人、購買経験のあるお客様約1万人に対する調査結果(2万人調査)をまとめて、数値的なファクトをベースにお客様を5つの仮面に類型化し、それぞれに合わせたアプローチをすることで、成約の精度を高めることが可能であるという。
本書は、アンケート結果の図表を多用しながら解説されており、わかりやすく納得感がある。これを知らずに営業するのと、知ってて営業するのとでは、成果に大きな違いが出てくることが容易に想像できる。
私自身は営業の経験はないが、営業において、ただお客様の言っていることをそのまま真に受けると、なかなか成約には繋がらないということが裏側の背景も含めて理解できた。仮面の裏にある素顔(本音)を聞き出すための、具体的なプロセスやアプローチ方法(メール文面、声掛け、質問など)に関するノウハウが凝縮されており、非常に勉強になった。この考え方自体は、営業に限らず、ビジネスのあらゆるシーンで応用できるのではないかと思う。
営業で努力しているけどなかなか成果が出ないと悩んでいる人、ある程度成果は出ているが、さらに伸ばしたい人、営業組織のマネージャーとしてメンバーを育成していく立場の人など特にBtoB営業に関わる方におススメの一冊です。
著者:高橋 浩一
出版社:かんき出版