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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】付加価値とは何か?をキーエンスから学ぶ!『付加価値のつくりかた』

人生において付加価値という言葉がこれからより重要になる思っている私が、改めて「付加価値」という言葉をより深く考えるきっかけを得るために読んだ本である。そのきっかけを日本の企業でありながら、平均年収2000万円、営業利益率50%以上、かつ自社工場を持たない「キーエンス」に求める事にしました。

著者はキーエンスでの勤務経験を踏まえ、現在コンサルティングをしている田尻氏である。田尻氏の考える価値とは「お客様が感じて決めるもの」であり、さらに付加価値とは「ニーズが源泉である」と定義し、物事に価値があるかどうかは以下3つの質問のどれかに当てはまれば価値があるという事である。

①お客様が買うという意思決定に影響を与えているか? 
②商品やサービスを買った後、ほんとに使っているか?
③それを使ったら役に立つか?

この定義をもとに、キーエンスの社内では全ての項目を数値化しており、その前提でどのような構造や取り組みがされているか?法人向けの営業において、どのようなやり取りをしているのか?具体的な例が示されています。興味深い点として彼らは自社での研究よりも、お客様が必要とするものを世の中の技術から組み合わせて世界初をつくりだす方法をとっている事である。(これは任天堂の開発思想「枯れた技術の水平展開」に似ている)

営業以外でもマーケティング部門や、全体の流れを見てどの部分にどのようなことで効率化ができるか考え、実践することでどんな部署でも付加価値は産めると著者は主張しています。一方で人生の生きづらさを感じるのは付加価値が産めないからではないか?と考えておりますので、その点も考慮しながら読んで頂きたい1冊です。

著者 :田尻 望
出版社:かんき出版
発売日:2022/11/9