HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】戦国シリーズ2→天下布武、率先垂範のリーダー『織田信長(1) 無門三略の巻』

織田信長といえばどんなイメージをお持ちでしょうか。ドラマや映画をみていると織田信長を演じるのは木村拓哉反町隆史江口洋介市川海老蔵高橋英樹、吉川晃司など、クールビューティー系の役者さんが多く、そういった印象があります。一方、学校教育では「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」と教えられ、短気で激しい気性のようなイメージもあります。それでは小説ではどのように書かれているのでしょうか。昭和の文豪、山岡荘八が著者の本書は全5巻あり、今回(1)は織田信長の幼少期から斎藤道三との決戦終了までが書かれています。双方とも自分の力でのし上がってきた人物で、リーダー像や人材登用を学べる一冊と言えるでしょう。

武家に生まれた織田信長の幼少名は「吉法師(きっぽうし)」と呼ばれていました。吉法師は「うつけ」と呼ばれていたくらい素行が悪かったのでしょうか。本書では、吉法師が百姓に仏事の米をつかって握飯にさせたことが書かれています。吉法師は十三、四歳の女子たちを呼んで相撲をさせ、その握飯を褒美としました。乱世だから女子(おなご)も強くなくはならないといい、「勝ったものは、やがておれの妾(めかけ)にしてやる」と女子に言っているセリフが印象的です。また、吉法師は山林をかけまわり、後の徳川家康になる「竹千代」とよく出かけていたのも印象的です。吉法師はこうやって人を知り、地形を把握して地の利を生かしていくのです。

後に織田信長は美濃の姫君「濃姫帰蝶)」を正室に迎えます。そして、その父である美濃の蝮(まむし)「斎藤道三」と戦います。斎藤道三は一介の油売りから、美濃の守護職土岐家の家老の家臣となり、その主人を討って土岐家の家老になります。さらに、土岐氏を美濃から追い出して、斎藤道三は美濃を手中に収め、梟雄(きょうゆう)であったことが伺えます。
織田信長斎藤道三との決戦で当時の最先端である「鉄砲」を三百挺と当時では考えられない数を用意し、更に、槍も三間(さんけん/約5.5m)柄と通常の1.5倍以上の長さの槍を用意して挑み、斎藤道三の度肝を抜きました。織田信長がいかに現場主義で戦略を持ち、先を見渡していたかがよくわかります。

仕事も準備が大事と言われますが、戦国時代は準備を怠ったり、相手を侮ったりすると死に直結することが良く分かります。織田信長をみるとリーダーが率先垂範する大事さや人材登用の仕方がよくわかります。歴史好きの人だけではなく、リーダー像や人材登用を学びたい人にもおすすめの一冊です。

発行 1987/9/8
著者 山岡 荘八
出版社 講談社