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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】これがいっちゃん最初の火の鳥。『火の鳥 ギリシャローマ編』

随分と前に、『火の鳥 黎明編』の書評を書いたことがあり、その際に火の鳥のシリーズ全体についての感想もざざっと大雑把に書いたのだったが、改めて他の編たちについても一作毎に書いていってみようかと思う。
と言うのも、最近『火の鳥 望郷編』が『火の鳥 エデンの宙(そら)』としてSTUDIO4℃によりアニメ化されたのだが、そーいえばどんな話だったっけ? と思い、読み返すことにしたことと、『火の鳥 黎明編』だけって、ちょっとやり残し感あるよねーと前々から感じていたからだ。
であれば、どうせなら順番通りに読んでいこうじゃないかということで、まずは『火の鳥 ギリシャローマ編』。これは実は、一般に一作目として扱われている『火の鳥 黎明編』の前に描かれたものだ。
最初に火の鳥が連載されたのは『漫画少年』で、1954から55年にかけての『黎明編』だったが、出版社の倒産で未完となってしまっている。
一年後、『少女クラブ』にて『エジプト編』『ギリシャ編』『ローマ編』が連載されたのであるが、こららはこの3編で完結しており、「漫画少年版」の黎明編とも、後の「COM版」以降の作品らとも、内容的なつながりは無い。
舞台を古代ヨーロッパとし、古代エジプトの王権争い、トロヤ戦争、ローマ専制政治を背景にしたスペクタクル史劇的な物語としているが、少女雑誌らしく、火の鳥の生き血を飲んで不死となった王子クラブと奴隷のダイアの恋愛ドラマ仕立てにもなっている。
しかも火の鳥は天国で飼われていたが、天国に飽きて下界へ降りてしまった鳥で、三千年生きるその火の鳥を巡って人々が争うだろうと神様が嘆くという、メルヘンチックなお話の始まり方だ。

この3編から間を置いた1967年、火の鳥を掲載する為に虫プロ商事から発刊されたと言う漫画雑誌『COM』で、構想も新たに連載されたのが、仕切り直しのシリーズ一作目である『黎明編』だ。
因みに、本書には『漫画少年版』の『黎明編』も掲載されているが、大分筋が違う。また、火の鳥がお子ちゃまだったりする所為か哲学的でもない。ただ、主人公がナギという名前だったり、ヒミコや猿田彦が登場したりと、原型と言えるような部分もあるので、比較するのも一興ではないだろうか。

しかし、この頃の漫画はコマ割りもセリフも小さくて、読むのに目が疲れる。
疲れた時には『火の鳥 サプリメント in ウォーター編』をどうぞ。
https://mcm-megumi.com/special/hinotori/
特許取得のサプリメントを配合した、飲むサプリというオンリーワンで新感覚のお水『サプリメント in ウォーター MCM のめぐみ』が火の鳥パッケージとなったもので、宅配水事業のMCMのめぐみ株式会社と手塚プロダクションのコラボによるもので、決してパチモンではない。
そして、MCMのめぐみ株式会社は私の会社なんです。
よろしくね。

火の鳥 ギリシャローマ編
作者:手塚治虫
発売日:1992年12月10日
メディア:文庫本