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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】アートには、人と人をつなげる力がある。『コミュニケーションを生み出すアートの力 日本で生まれた「トリックアート」が人の心をつかむ秘密』

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「トリックアート」とは、絵画の技術を駆使し、人間の錯覚を利用することで、平面の絵なのに立体的に見えたり、見る角度によって印象が変化したりするユニークなアートのことだ。

評者は「アート」なんて言われると、なんとなく高尚で、近寄りがたいイメージを抱いてしまう。
なぜだろう?

それは、自分とのつながりを感じにくいからかもしれない。やはり絵を見るだけで感動したり共感するには、それなりの時間や知識が必要なんだと思う。

その点、「トリックアート」は画期的だ。見る側の自分も参加し、思考できる「体験型のアート」と言えるので、充分につながりや一体感を感じることができる。そうして遠く感じていた「アート」の世界へ入っていくきっかけを作ってくれるのだ。

「絵は描くことが目的ではない。
その絵が見る人々に与える影響、生まれる
コミュニケーションが大切である。」

これが、トリックアートを作り続ける著者の思いだ。

そしてそんなコミュニケーションツールとしてのアートを、もっと街中に溢れさせたい。アートに溢れ、人々の会話や笑顔が途切れない世界をつくり出したい。著者はそんな夢を持っているそう。

評者は散歩が好きなのだけど、そんな街になったら、歩くのがもっと楽しくなりそうで、想像するだけでわくわくする。目的としての建物で溢れている街って、たしかにおもしろくない。もっと人が立ち止まって、のんびりした会話がはじまるような街になると、素敵だよなあ。