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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】小さな紙を通して笑顔を広めていく折花道『折花〜一枚の紙から生まれる幸せの花〜』

 

本書は、折り紙や造花とは異なる小さな紙とハサミだけで生み出す花、折花(おりはな)の世界について紹介されている。折花マスターであり一級建築士でもある著者は、自らが花を育てるところから花の研究を始め、初期はシンプルな折花であったが、数千通りの考えられる全てのカットと折り方を試し、また複雑な設計のもとに美しいフォルムが出来上がり、現在では1,000種類以上の折花が誕生したそうだ。

そして、折花の美しい花は、世代や人種の壁を越え、日本の新しい文化の一つとして、また人を幸せにするコミュニケーションツールとして世界中で注目されている。もともと折花の用途は、意外にもアロマディフューザーから始まり、カードや指輪、照明として、さらには、国内外の5つ星ホテルのショールームを演出する芸術作品として発展し、美術の教科書にも掲載されているという。

評者が初めて折花と出会ったのは、ショールームに飾られていた作品を見たことがきっかけであった。色とりどりの繊細な作りの折花に、一瞬で魅了されてしまったのだが、その時は、まだ折花がそんなにも奥深く、多くの時間をかけ開発されたものだとは知る由もなかった。そして、縁あって実際に折花を作り出す工程を目にする機会に恵まれ、折花の美しさはもとより、目の前であっという間にできあがる計算し尽くされた折花の美にとても感動した。これは、日本人ならではの手先の器用さがなせる技でもある。

評者も実際に体験してみたが、なかなか簡単にはいかない。しかし、折り紙などにも慣れていない外国人にとっては、簡単な作業であっても至難の業なのだという。その分出来上がった時には、底知れない感動を味わうことができる。こうして、言葉だけではないコミュニケーションが生まれる瞬間となるのだろう。

折花
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