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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】一億総アーティスト時代『コミュニケーションを生み出すアートの力』

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トリックアートとは、西洋のだまし絵をヒントに作られた技法で、壁に描かれた絵が人の錯覚により飛び出して見えたり、写真を撮ってみると、あたかも自分がその作品の中に入り込んでしまったかのように見えるアート作品の一つである。

評者が子供の頃、大ブームとなり地方の複数のトリックアートミュージアムへ行ったことを記憶している。トリックアートとは、意外にも日本発のアート作品であり、著者の兄によってアートは一部の人ものではなく、専門知識のない人にも、コミュニケーションのツールになればと作り出されたものだそうだ。

このような不思議な世界を日常的に味わってもらうためにと、製作現場も公開しているという。例えば、崖に作る大きな作品には、遠くからでも楽しんでもらえるように、足場を組み、実際に現場で作業している風景を作品に取り込んでみたり、また、作業が進んでいくと、作品の中の作業員の数も増えていき、一つの作品が出来上がるまでに、何通りもの変化を表現する試みは、とてもユーモアセンスが溢れている。

また現在では、ARやアプリを使って体験できる作品もあるそうだ。昔と違い誰でも手軽に写真を撮り、取り直しも容易になったため、写真を撮る人とモデルになる人が上手く連携し、誰もが気軽にアート作品を作れる。さらに、作品に込められたトリックも、知識や年齢など関係なく誰もが楽しめるため、子供達が素早く見つけ出し、いつまでもトリックがわからない親に教えてあげている場面がよくあるそうだ。

世の中の状況が一変したことにより、人々のコミュニケーションも変化してしまった。しかしその一方で、一緒にいる人と同じ空間を共有したときの安心感や、幸福感を人々は求めていると著者はいう。