ライター:倉田阿耶
人の脳は、放っておくと悪いことばかりを探し出す。つまり不幸になる。だから不平不満を募らせ、愚痴ばかり言っている人、不幸を嘆き続けている人というのは、幸せになる努力を怠っているということだ。彼らは考えているように見せかけて、実は何も考えてい…
私たちがよく目にする写真の夏目漱石は、いつも物憂げで思慮深そうな、澄ました顔をしている。これぞ”日本の小説家"という顔である。近代日本文学の頂点に立つ作家の一人なのだから、それは当然文句のつけようもない。 しかし本書での彼は、小心者で、臆病で…
そういえば、お正月って何を祝ってるんだろう?酒造りの歴史って?地震ってなんで起こるんだっけ?天皇っていつからいるの?竹取物語ってどんな話?花火はどうやって生まれたの?禅を日本に伝えたのは誰?日本で初めて恐竜化石が見つかったのはいつ?全身麻…
「残り少ない私の人生の手助けをさせてあげてもいいよ」内向的で、自分の世界に閉じこもりがちな「僕」と、僕とは正反対の性格の、いつもクラスの中心で笑っている「君」。今までも、これからも、きっと関わることのないはずだった二人は、ある日彼女が落と…
コルク代表、編集者の佐渡島庸平さんが、Youtubeで「必読漫画」として本書を紹介していた。著者のことをB級グルメ漫画「孤独のグルメ」を描いた人として知っている人は多いだろう。 しかし、「「孤独のグルメ」しか知らないというのは谷口ジローを何も知らな…
「時間」とは、いったい何だろう?機械的にはかることのできる時間が問題ではない。そうではなくて、人間の心のうちの時間、人間が人間らしく生きることを可能にする時間、そういう時間が私たちからだんだんと失われてきた。このとらえどころのない、謎のよ…
子供の頃は紙とペンさえあればずっと絵を描いていたのに、大人になると驚くほど絵を描く機会ってなくなる。これは非常にもったいない。絵や図には、頭の中のイメージを伝える力がある。リアルタイムで、イメージを具体的に共有するのにもってこいのツールな…
「適職」とはなんだろうか?自分の才能が発揮できる仕事?好きなことができる仕事?楽して稼げる仕事?人に喜びを与えたい?人それぞれあるだろう。だが全ての人に共通して言えるのは、「幸せに暮らしたい」ということではないだろうか。 いかに憧れの会社に…
読書をしているとき、人は受身になりがちである。「読書とは著者の言い分を理解して、知識を吸収するためのもの」という思い込みがあるから、普通はそのまま著者の視点に飲み込まれてしまう。 探求型読書はその反対である。読書とはどこまでも主体的なもので…
あなたはマーケティングとセールスの違いを説明できるだろうか?マーケティングとは「顧客をつくり、維持する仕組み」である。つまり、「セールスを不要にすること」がマーケティングを行う究極の目的といえる。 一度商品が購入されたあとも、顧客と積極的に…
子どもに生き生きとした体験をする種を植えつけるには、大人の側だって同じようにものごとに大いに関心を持ち、好奇心に満ちた目で世の中を眺める習慣が必要になる。本書では、子どもに勉強させようとする前に、まずは親が知っておくべき学びの本質を、識者…
読書をテーマに、フジモトマサル氏が描いた絵に答えるかたちで、吉田篤弘氏が考えた小咄を集めたものである。 人はなぜ読書をするのだろう?評者も本好きだが、「本の虫」とか「活字中毒」ってほどではないと思う。今までに読んだ本の数だって、そんなに多く…
小説に出てくる食べ物って、なんであんなに美味しそうなんだろう。写真とか、映像で見るよりも、言葉でさらっと説明される方が美味しそうに感じる。 本書は台所とラジオをテーマにした、短編集である。十二編の短編に、ちょっと変わった人たちと、美味しそう…
「なんだ、女子高生が主人公の甘酸っぱい恋愛ものか。」初めの数ページを読んでそう思った。だけど、読み進めていくと、どうも雲行きが怪しい。あまりにも緻密な描写で、心を深く深く抉ってくるのである。 主人公は受験を間近に控えた女子高生の愛。そんな彼…
本書では、著者が様々なところへ旅をして、その時々感じたことが素直な言葉で綴られる。詩のような美しい文章により、その時著者が見ていた風景が、色鮮やかに蘇る。 実際に、旅に出ることでしか出逢えない言葉というものがある。「百聞は一見に如かず」とは…
旅というのは非日常、計画の外を求めてするものだ。それなのに、その旅をきちんと計画を立ててするというのは、ちょっと衝動を社会に飼い慣らされすぎじゃないか?そんなに自分をうまく管理できるなら、そもそも旅になんか出なくていいのでは? 著者が旅に出…
不安が起きるとき、そこには必ず、対象についての無知がある。老いるとはどういうことかをよく知らないから、老いの恐ろしさが水増しされるのだ。 身体と脳が老いていくときのメカニズム、身体と脳のエイジングを防ぐ方法、老いにどうやって向き合っていくか…
「やってみなはれ」。鳥井信治郎の愛用語である。著者によれば、三つの意味があるらしい。一つは「やってみなければ何も始まらない」、二つ目は「それで失敗しても構わない」、三つ目が「失敗の中に必ず成功につながる何かがある」。これほど愛情深い言葉が…
「やってみなはれ」。鳥井信治郎の愛用語である。著者によれば、三つの意味があるらしい。一つは「やってみなければ何も始まらない」、二つ目は「それで失敗しても構わない」、三つ目が「失敗の中に必ず成功につながる何かがある」。これほど愛情深い言葉が…
経営の神様、松下幸之助。世界でトップの家電製品の企業を築き上げた人物が、生涯その恩を忘れず、”商いの師”とした人物が、本書の主人公である、サントリー創業者、鳥井信治郎であった。 そんな鳥井信治郎が生まれたところから、物語ははじまる。”商いの都”…
「生まれてすみません」聞き覚えのあるフレーズとともに登場した国語の特別講師、太宰府治。そんな太宰府先生が重要視するのが、読解力だ。 本書は、皆さん知っての通り東大受験漫画である。そして本巻は、国語集中巻となっている。 全ての教科で必要なもの…
「いいんですよ、部屋代なんていつだって」著者が作家として今日まで生きてこれたのは、「逗子なぎさホテル」で過ごした日々があったからだった。その七年余りの日々は、時折、思い起こしても、夢のような時間であった。 本書は、作家、伊集院静さんが、今は…
大学二年生の頃、多崎つくるはほとんど死ぬことだけを考えて生きていた。 きっかけははっきりしている。彼はそれまで長く親密に交際していた四人の友人たちからある時、唐突に絶縁を突きつけられた。理由も告げられずに。 あのとき死んでおけばよかったのか…
過去の恋人のことを忘れられず、あちこち転々として暮らす自らのことを「旅がらす」だという母と、娘の物語。 ふわふわと、まるで夢の中を生きているような、過去に縛られている母。それに反するように、すくすくと成長し、しっかりと時を刻んでいく娘。 仲…
現代は、人生100年時代だと言われる。そう聞くと、死は自分とは遠いところにあるものだと錯覚してしまう。けれど実際は、誰もが死と隣り合わせにある。 著者は精神腫瘍科医として、がんに罹患された方とそのご家族とともに死と向き合ってきた。本書では、そ…
現実に久々に目の前に立ったホリエモンは九十一歳の瀬戸内寂聴氏の目には「可愛らしい」と映った。悪びれず人懐っこい微笑みをたたえた素顔には、誰をもひきつけるあっけらかんとした魅力があふれていた。 本書は、刑務所から出所したばかりの頃の堀江貴文氏…
現代は、栄養や安全は確保され、ムリしなくても生きていける。しかし逆に頭脳労働を長期的に行うことで、知らない間にムリが深くなってくる。ムリは限界に達すると、破綻する。それが、うつや自殺という形で表れる。 本書では、著者が自衛隊で教えている疲労…
ストレスの多い現代社会において、心の健康に関する知識を持たずに生きていくことは、戦場に丸裸で突っ込むようなものである。 メンタルヘルスの問題と関わりを持たずに生きていくことは不可能と言えるほどに、この問題は日本社会を侵食してしまっているのだ…
全然自分のことを見てない、自分にまったく興味のない変な人が、それぞれ勝手に変なことで悩んでたり変なことしてたら。それだけで、なんだか楽になるのかもしれない。 周りのするようにし、周囲から浮かないように、社会からはみ出ないように、「普通」の生…
HIU情報を知ることができる本書。今号は、みんなが知りたい、というよりも絶対に知っておくべき医療情報が満載です。 「10万個の子宮〜あの激しい痙攣は子宮頸がんワクチンの副反応なのか〜」の著者としても知られる村中璃子医師。 日本政府が子宮頸がんワク…