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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】人間の自己肯定感は、読書によってコントロールできる。『自己肯定感を上げるOUTPUT読書術』

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著者は書評YouTuberである。難しくてなかなか手を出しづらい古典作品を、とてもわかりやすく噛み砕いて説明してくれるので、評者は日頃からとてもお世話になっている。低めの渋い声が魅力的で、ダンディーでかっこいいおじさんを想像しながら本の説明を聞くことも、楽しみ方のひとつだったりする。

そんな著者が本書において伝えたいこと。
それは「読書によって、人は自己肯定感を高め、人生を好転させることができる」ということだ。

これは著者の実体験に基づいている。著者自身、20代半ばまでずっと自己肯定感がどん底レベルだった。けれど今は、”新しい自分”に生まれ変わったことを全身で実感しているそうだ。そしてそんな風に自分を変えてくれたのは紛れもなく「読書」だと断言している。

人生でどんなに辛いことがあっても、知らないことを恐れずチャレンジし、知ろうとすることを怠らず、読書を続けてきたからこそ今の自分がある。そう感じているそうだ。

そして今度は自分が、自己肯定感に悩み苦しんでいる人の力になりたい、という思いで書いた、著者初の読書ガイドが本書なのだ。

読書によって人生を好転させるために最も重要なアクションが、OUTOUTすること。つまり読書に行動を掛け合わせることではじめて、”想像さえしなかった人生の扉”が開かれる。

かと言って、「即行動だ!行動しない奴はクズだ!」みたいなことは著者は言わない。とても優しいのだ。むしろ焦りは禁物である。なんと言ってもOUTOUT読書術における大原則は、「自分のペースを崩さないこと」なのである。

決して他者からの承認を求めず、とにかく自分自身が楽しむこと。”心の余白”を常に持っておくこと。そうすることで周囲の雑音に惑わされず、自分と対話することができる。

そもそも読書に即効性を求めること自体が間違いなのだと、著者は指摘している。大事なのは、読んだ本の内容が自分の中できちんと腹落ちしていること。自分のペースを守り、自分にとって必要な内容を、必要な時に見極められるようになること。

評者も、こうして書評を書き始めてから1年程度が経つ。もう本70冊分くらいの書評を書いてきたので、アウトプットすること自体には慣れてきた。というかもはやアウトプットせずにはいられなくなってきた。けれど少し初心に帰りたい気持ちもあり、そんなとき抜群のタイミングで本書と出会い、良い感じに自分を振り返ることができた。以前は読んだらそれまでだった本を、こうしてアウトプットすることを習慣化できていることは、自分にとってとても大切な資産となっているように思う。

アウトプットしたいけど、どうすればいいのかわからない人、自己肯定感に悩んでいる人は是非読んでみて欲しい。

 

自己肯定感を上げる OUTPUT読書術

自己肯定感を上げる OUTPUT読書術