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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】我がままを、貫け。覚悟、集中、自由を手に入れた男の物語。『ワルあがき』

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人が本当にやりたいことをするとき、周りからは馬鹿にする声が聞こえてくるかもしれない。しかしそれは本当に外側から聞こえているのだろうか。自分自身の声ではないだろうか。

いつも、心の中には「これをやって何になるのか」という冷静な、冷めた目線を持つ自分がもう一人いて。ひょっとすると原因は周りではなく、自分の覚悟のなさにあるのではないだろうか。

本書は、そんな自分の声と向き合いつづけた著者自身が主人公の物語である。我がままを貫き通すべく、どんな場所でも誰に対しても「ワルあがき」を続け、いつか自分の夢は全部叶うと信じてやまない、天才的におバカな男の物語だ。

本書で主人公がウジウジと悩んだり、弱気になるたびに現れるのが、”キング”という男。

彼は他でもない、主人公自身である。

主人公にとってキングとは、我がままな自分の姿。生まれたときから根本にずっとあった、本音であり、欲求そのもの。あるがまま我がままな、混ざりモノ0%、純度100%の、本当の自分である。

そしてキングは言うのだ。

「我がままを、貫け。
その役をやると決めたら、それがオマエだ。
その役が、オマエそのものなんだ。
我が、まま。あるがまま我がままに、だ。」

ここで言う"我がままを貫く"とは、無駄なものを一切削ぎ落とした、自分が心から、本当にやりたいことをやるということだ。

そんな我がままと常にセットで持っておかなければならないのが、「覚悟」である。

到達点を決めて、やらなければいけないことを具体的に明確にし、冷静に行動に落とし込んでいく。覚悟さえあれば、叶えられないことなんてないのだと、著者は自身の人生を通して教えてくれている。

そしてもうひとつ、本書を読んでいて気づくことがある。それは本気のバカを、人は無視できないということ。結局、人が動くのは、論理ではなく、熱の部分なのだと思う。論理なんて後からついてくる。本気のバカって100%の熱意を持った人のことを言うんだろう。 

しかし、果たしてこれって簡単だろうか?結局のところ、周りから冷たい目線を浴びたりバカにされるなんてことは関係なくて、どうでもいいことだ。大切なのは自分が自分のことを1%もバカにしたり、卑下したり、見放さないこと。自分が感じていることを信じること。これができる人は、なかなかいない。

「どうせ自分なんて」「結局無理だろうな」そんな声がいつだって内側から聞こえてくる。だから人は自分と戦うことから逃げてしまう。周りのせいにして。そうして自由からどんどん遠ざかっていく。

 

ワルあがき

ワルあがき

  • 作者:北里洋平
  • 発売日: 2020/04/03
  • メディア: 単行本
 

 

本書を読み進んでいくと、著者が「うける」ための文章を書いているわけじゃないことに気づく。あくまでも自身の心の奥底から湧き上がってくる言葉を伝えたい、という熱意が伝わってくる。自分の欲求に従い、我がままを貫く人はかっこいい。

やりたいことは、やる。無駄なものをそぎ落として、バカ丸出しに、シンプルに生きたいものだ。