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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】希少資源である人生の時間を、欲しくもないモノのために投入しない。『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』

 

1日の3分の1は寝るし、毎日3食食べるし、髪の毛はすぐ伸びるし、朝起きたら顔を洗って歯磨きしなきゃだし、お風呂に入ってトイレにも行かなきゃいけない。人間ってつくづく、生産性の低い生き物だ。やってらんねえよってかんじだ。

反対に、スマホは充電こそ必要だけど、寝ないし、ご飯食べないし、歯磨きもお風呂も必要ない。すごい。いろんな仕事がAIによって自動化されていくのも当然だと思う。でもだからこそ、我々人間はもっと生産性を意識して生きるべきだ。生産性というと、仕事のことばかり浮かぶかもしれないが、これは生活の中のすべての行動、ひいては人生全体において考えるべき問題である。

仕事漬けで休みがなかったり、家事や育児で追われていたり。。。

果たして、忙しさの本質とはなんだろうか?

本書によると、それは生産性が低すぎること。生産性の概念を理解していないことだ。

生産性とは、「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率のことであり、生産性が高い生活とは、「時間やお金など人生の希少資源を最大限有効に活用し、自分が欲しいものを手に入れる生活」である。

比率ということはつまり、単に時間やお金の投資を増やすだけでは生産性は上がらないし、そもそも自分が本当に手に入れたいものが何なのかをちゃんとわかっていないと、生産性なんて問題外である。

逆説的とも思えるが、生産性を上げるための最も手っ取り早い方法は、インプットを減らすことだ。考えてみれば当然だが、なかなかこれができる人は少ない。つい惰性でだらだらと、自分の貴重な資源をつぎ込んでしまう。時間もお金も有限であるにもかかわらず。

そもそもインプットを容易に増やせる状況では、誰も生産性を上げようとは思わないものだ。だからとくに何も考えず、やりたくもないことに人生の時間を投資できてしまう。

逆に、生産性をもうこれ以上にないくらいあげるからこそ、自分の本当にやりたいことが見えてくる。他のすべての行動の生産性をあげて、時間を捻出してでもやりたいこと。それをやっている間は生産性なんて考えずにいたいくらい気持ちが満たされること。評者にとっては、好きな場所でお気に入りの小説を読む時間や、散歩をしてる時間なんかは生産性とは無縁の世界にいるように感じる。こうして生産性を考えることが、自分の価値観を考えることにつながるなんて、驚きである。

大半の人が働かなくてもいいくらい生産性の高い社会が実現しつつある今、私たちに求められるものとは何なのか。職業人としてではなく、個人としてどのような人生を送りたいのか。有限な人生の時間を何に使いたいのか。生産性という判断軸をもつことで、ぼちぼち考えていってもいいのではないだろうか。