筆者である慶応義塾大学教授、前野隆司先生が「人はどのように生きると幸せになるのか」という事を統計的に研究し科学的に分かっている事だけを書いた本である為、信頼性がある本だ。
幸せな人とそうでない人の違いは「幸せになる為の授業を受けたか受けていないか」であり現代は幸せの研究が進んでいるため、その方法を知り行動に移せば誰でも幸せに近づけると述べられている。
この本では様々な幸せに関する研究が書かれているが、一番勘違いしやすいのはお金は稼げば稼ぐほど幸せになれると言う事。
研究では年収８００万以上の幸福度はほぼ横ばいになるそう。また年収が倍になっても幸福度は９%しか上がらないためそれに支払う代償の方が大きい場合もあるため注意が必要だと書かれている。
お金の使い道については物に使う幸せは早く消えてしまい、経験にお金を使うと幸福度が上がる。なぜかと言うと、経験によって繰り返し語れるような思い出になったり、人との繋がりとなったり、なりたい自分像に繋がったりする為。
私自身も買った物は時間と共に慣れ飽きが出てくる事を感じ、やりたい事に重きを置くようにした事で物欲が無くなり幸福度が上がったように感じる。
また、人生の満足度は、収入でもどれだけ成功したかでもブランド品を買う事でもなく「どれだけ自分へのハードルを下げられたか」で決まるという話があり、
目標がある人の方が幸福なのだが、出来なかった時の自分を受け入れること＝自己受容ができる人こそ幸福度が高いというのは納得する研究だった。
人間関係についても幸福度に影響する事が大きく取り上げられており、ハーバード大学が人の人生を老後まで追跡した結果、幸せな人生を歩んだ上位１０%の人の人たちは「人生で暖かな人間関係を築くこと」が出来ていたという研究がある。
また、様々な職種、様々な性格など多様性のある人間関係がある幸福に繋がるためオンラインサロンもオススメされており、まさに多様性あふれる人の集まりであるHIUは幸福度が上がる場所だと感じた。
長い人生の中では、「このままでいいのだろうか？」「自分にとっても幸せは何だろう？」とふと考えることがある。
そんな時にこのような科学的な答えを知ることで、自分のやっている事は正しいんだと勇気を貰ったり、この部分はもう少しこうしようとアイディアを与えて貰えるので、知見を知る事は自分の人生を前進させる事に繋がると思う。
幸せに関する科学的な見解が知りたい人にはオススメの書籍である。
