この著書の伝えたいことはいたってシンプルである。「やらないこと」を決めること、つまり「やりたいこと」を決めていく、というメッセージである。
そう言われても困るだろうか？安心してほしい。やりたいことを整理する方法がこの著書には書かれているのである。さぁ、やりたいことを見つけよう！
人生や生活に「充実していない」「なんとなく不満だ」と感じているとしたら、「やらなくていいこと」「やらなくてもいいのに、やらなければいけないと思い込んでいること」で埋まっていて、「やりたいこと」ができていないからである。
この著書の画期的なところはやりたいことの見つけ方に「LOVE」と「NEED」の表を利用していることである。この表を利用して自分が好きだと思うことである「LOVE」と、自分が必要だと思う「NEED」を整理していくのである。縦軸がLOVE、横軸がNEEDの一見シンプルな表なのだが、秀逸である。
LOVEでNEED（金の箱）、LOVEでNO NEED（銀の箱）、NO LOVEでNEED（灰色の箱）、NO LOVEでNO NEED（黒い箱）の4分割の表である。４つにしか分類されない分、視覚的に理解しやすく、自分自身を客観的に分析しやすいのである。例えば自分の仕事に対する思いを入れ込んで欲しい。いかに自分自身のことを知らずに生活していることがわかるだろう。また物事を可能な限りLOVEでNEEDに移し、幸せを引き寄せ、習慣化する意識が芽生えてくるのである。
この表で特におもしろかったのは時間軸についても書かれていることであろう。過去は変えられないが、現在の出来事をどうとらえるかにより過去の出来事の意味が変わっていき、そのことにより幸せな未来をつかみやすくなっていくのである。仮に嫌な出来事が過去にあったとする。この表を使用して過去の出来事を分類していくと、案外LOVEでNEEDに移すことができる。この話はスティーブ・ジョブス氏のConnecting the dotsを私に思い出させた。実際の時間は過去現在未来だが、思考は現在過去未来と動いている。人間は自分のことは自分が一番理解していると思っているが実際はよくわかっていない。
今の生活に少しでも不満を感じているのであれば、この著書を読むことをおすすめする。自分の人生思っているよりすばらしいものなのかもしれませんよ！
