HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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2022-01-01から1年間の記事一覧

【書評】ウワー、ウワー、終った、終ったーっ。ウワーハハ。ぼくは生きてるぞ。生き延びたんだーっ。『紙の砦』

そういえばこれって、私が十代の頃何度も読んでたっけ。懐かしく読み返した手塚治虫の短編集。本書の特徴は、手塚治虫自身が主人公、若しくは語り部となっている作品を編纂した点にある。ドラマ性を持たせる為に、多くはフィクションになっているのであろう…

【書評】悪い血脈。『バッドブラッド』

カモの人選と絵図を描く元締めの老婦人、荒っぽい役割担当、態度のデカイ脂の乗った中年男、美貌をフルに利用し、ベッドで男を狂わす女、そして若いながらも実行チームを引っ張る男。これら悪党四人組が主人公たちのクライムストーリーの漫画である。 輸入商…

【書評】 今、読んでよかった。『同志少女よ、敵を撃て』

第二次世界大戦の独ソ戦を舞台にした小説で、ソ連に実在した女性だけのスナイパー部隊を描いている。ミステリー小説の新人賞であるアガサ・クリスティー賞において、初めて選考委員全員が満点をつけた大賞受賞作である。 ある日突然、故郷をドイツ軍に襲われ…

【書評】いつのまにか完結!『Dr.STONE』

単行本派にはよくある事、「そういえば、この漫画最近読んでないなぁ。。マジか、いつのまにか終わってたか!」本作もそうであった。『Dr.STONE』完結!!。 ある日人類は謎の光線で石化した。しかし数千年後、偶然何名かの人類は目覚めた。文明が滅びた地球…

【書評】人生を変えてくれたのは時短だった。『わたしも家族も笑顔にする 幸せキッチン』

17年前に交通事故に遭い、後遺症による寝たきりとなってしまった長女を自宅で介護することになってしまった著者は、手作りの料理をする余裕もなくなり、次第に笑顔も消えてしまったそうだ。「ママはこうなったから、そういう顔をしてるの?」幼い次女に言わ…

【書評】小さな紙を通して笑顔を広めていく折花道『折花〜一枚の紙から生まれる幸せの花〜』

本書は、折り紙や造花とは異なる小さな紙とハサミだけで生み出す花、折花(おりはな)の世界について紹介されている。折花マスターであり一級建築士でもある著者は、自らが花を育てるところから花の研究を始め、初期はシンプルな折花であったが、数千通りの…

【書評】「逆説的免罪符、遊びは成功のもと。」『「遊ぶ人」ほど成功するホントの理由』

遊び、って楽しいけど、どこかに罪悪感がある人=私だ。好きなことを仕事にしてはいるので、仕事は好きだ。でも利害関係抜きの遊びは遊びでやっぱり楽しい。ただ遊びって、社会人にとっては家族や彼氏彼女の手前とか、有給とるにも会社の手前とか、ちょっと…

【書評】外国人に質問される前に知っておきたい『教養としての着物』

1000年の歴史を持つ日本の伝統衣装「着物」。現代人が着る機会は「成人式」、「結婚式」。浴衣を着るのは「夏の花火大会や夏祭り」程度である。数百年前まで年365日着用されていた日常着が、西洋化が進んだことで出番はすっかりなくなった。しかし、数年前か…

【書評】着物でスキーはあったかいらしい!『教養としての着物』

日本の気候には着物が合うとはよく知られている。ただ洋服に慣れた現代人は着物を楽に着ることができるのか?そして着物でスキーが教養に繋がるとは? 着物は布を巻きつけ紐で縛って着てるもののように見えるかもしれないが、実はものすごい数の部分の組み合…

【書評】それは最悪最凶のファム・ファタール!『引擎/ENGINE』

築地署の刑事である游二(りゅうじ)は、張り込み中だった。このところ派手に稼いでいる高級外車窃盗団の、次の犯行予定を情報屋から仕入れていたのだ。今回の盗難の標的はマイバッハ。駐車場を張る游二たち。しかし、早朝の銀座の街に唐突に響いたフェラー…

【書評】真の自己を実現する者の旅。『ア・ホーマンス』

松田優作により映画化された本作だが、記憶喪失の主人公が放浪している、という点以外は全く別物なので悪しからず。映画の脚本を務めた丸山昇一によれば、松田優作が本作のある一コマを差し、「主人公のこの表情を映画にしたい」という一言で脚本がスタート…

【書評】凝り固まった発想を押し広げる一冊『魔法のコンパス』道なき道の歩き方

著者は吉本興業のお笑いコンビ、キングコングの西野亮廣氏。さすが天才、凡人が当たり前と思っている固定観念を当たり前ととらえずに、手を加えられる所を探し出してパフォーマンスを高めて自己成長を遂げている。 200人のライブ会場を満席にできるキングコ…

【書評】一貫性のあるブランディングが、永続的な売上をもたらす。『ブランド・プロデュース思考』

ブランドとは、お客様との間の「プロミス(約束)」です。そして、顧客とのあらゆる接点に於いて一貫したプロミスを伝え続ける為には、ブランドを俯瞰し、各所との連携を図ってブランディングを「プロデュース」していく思考が必要です。本書の冒頭で、この…

【書評】少年の成長とスパイ活劇、それから宇宙人。『W3(ワンダースリー)』

手塚治虫率いる虫プロダクション制作のテレビアニメ作品であり、同時進行で少年誌に連載されたのが本作『W3』だ。多忙、且つリテイクの鬼である手塚治虫が絡むと番組の制作が遅れるから、本流のアニメ部隊には関わらないでくれと言われ、ハブられた手塚治虫…

【書評】親が子供を怒るのは、本当は自分がやりたくてもできなかったから!『ぼくのトリセツ』

ママは僕のことを全然わからず、いつも怒ってばかり。「何回言ったらわかるの!」と言われても、何を言っているのかわからない。でも、それは僕だけではなく、パパも一緒。大人でも5歳の子供と同じ考え方。なぜなら、男の子は自分の興味を持ったことに夢中に…

【書評】数学者の日常を描いた世界初?の著書。『世にも美しき数学者たちの日常』

普段の生活の中で、お目にかかる機会が少ないと思える職業である「数学者」。そんな数学者や数学に関わる方を中学生から名誉教授に至るまでインタビューした本である。 読み始めていくと、予想通り風変わりな性格や行動様式の人が出てきます。具体的には通勤…

【書評】持続可能な企業になるためのブランディングメソッド『ブランディングファースト〈メソッド編〉』

ブランディングは広告宣伝やマーケティングの一施策ではなく、持続可能な企業になるための経営戦略。優秀な人材が集まり、広告に力を入れずとも利益を生み続ける、本書にはそんな理想的な企業になるためのブランディングメソッドが示されています。 ブランデ…

【書評】世界的な大ヒットSF小説『三体』の著者劉 慈欣の最新作の翻訳本。『流浪地球』

短編小説や中編小説が何本かあるのですが、やはり個人的には「地球の自転が止まる」ということを数百年前に分かったとして、そこから人類がどうしてきたのか、どんな影響が起き、これから人類存亡のために、過去の準備を踏まえてどうするのかという設定での…

【書評】淑女予備軍の紆余曲折・・・スムーズな青春こそ罪なり。『淑女たち -WAILERS-』

ちょっとぼんやりで内気なメガネっ子の今日子、関西弁丸出しでややふくよかな留利子、くわえタバコにクールな物言いの麻美。美大の油絵科に通う女子三人。現在二十歳の同級生で、ボロアパートで同居中。いずれも男っ気無し。芸術に真剣に向かいつつ、たまに…

【書評】3人の視点が交互に入れ替わり、織りなすストーリー『グラスホッパー』

妻を殺された男に復讐をすべく潜入捜査中で主人公の1人である「鈴木」、ターゲットを自殺させることを生業としているが、自殺に関わった人の幻覚に悩まされる2人目の主人公の「鯨」、そしてナイフを使いで殺し屋である3人目の主人公である「蝉」の3人の視点…

【書評】3人の視点が交互に入れ替わり、織りなすストーリー『グラスホッパー』

妻を殺された男に復讐をすべく潜入捜査中で主人公の1人である「鈴木」、ターゲットを自殺させることを生業としているが、自殺に関わった人の幻覚に悩まされる2人目の主人公の「鯨」、そしてナイフを使いで殺し屋である3人目の主人公である「蝉」の3人の視点…

【書評】ほのぼのとした日常を描く阿佐ヶ谷姉妹のエッセイ。『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』

私もTVなどで拝見したことはあるが、本当の姉妹では無い事にまず驚き、40代・独身・女芸人という肩書ながらエッセイを書いている時には6畳一間に2人暮らしというのも更に驚きました。この年代になると別の部屋が欲しいと思うところだが。。。 エッセイという…

【書評】ブランディングの成否は「走り出す前の準備」にかかっている。『ブランディング・ファースト〈メソッド編〉』

本書は、2020年発刊の『ブランディング・ファースト』の続編なのだそうだ。広告費をかける前に「ブランド」をつくる。これが前著のサブタイトルで、数多の広告に埋もれない為に「ブランド」を構築せよ、といったものだったのだろう。時が経ち、状況は悪化し…

【書評】何気ない日常とお茶を通じて、人生で大切なことを学ぶ『日々是好日 ~「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』

ふとしたきっかけから「お茶」を習い25年、人生の大事なことに気づいていくエッセイ。著者の森下氏が20歳からお茶を習い始めますが、最初上手くいかずやり方を聞いても教えてももらえない状況が続きます。本人も就職がうまくいかず、「お茶」での成長も感じ…

【書評】室町のイメージが変わる!『一冊でわかる室町時代』

室町時代といへば金閣&銀閣!それ以外はぼんやりしていた。ドラマなどに取り上げられることも少なくやや知名度が劣る。しかし、本書でそのイメージは見事にひっくり返された。 南北朝時代から戦国時代までを含むと実に250年も続いた足利時代。一体何が起こ…

【書評】世界で最も過酷なレース『10月の満月に一番近い土曜日』

以下の中で、どれが一番ハードだろう.........?1)ワイキキ・ラフ・ウォータースイム大会:3.8km...2)オアフ島一周サイクルロードレース:180km......3)ホノルルマラソン:42.195km... 「それらすべてをいっぺんにやるのが一番ハードさ!!」そんな会話か…

【書評】遺伝子とは自己複製子であり、我々は人間はその機械である!『利己的な遺伝子』

衝撃的な見出しで信じられない人もいるかもしれませんが、当著で提案され、当時賛否両論が巻き起こった本である。遺伝子とは「自分のコピーを残すこと」を目的とした自己複製子であるという主張です。 この前提を頭に入れて読み進めると、世の中のあらゆる行…

【書評】世紀末の地獄を意に介さぬ少年たちの熱情。彼らの共通項こそはバトル・ミュージック"PUNK"であった。・・・破壊せよ!『バトルキッズ』

世紀末モノの漫画である。ノストラダムスの予言した“恐怖の大王”とは偶発最終核戦争のことではなく、太陽黒点の異常増殖による地球規模の天候異変だった。食糧危機は世界の秩序を瞬時に解体し去った。二年続きの世界的な作物不作、次いでアメリカとソ連が局…

【書評】ホスピタリティの本質とは何か?を考える本。『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』

最近あるイベントのお手伝いをした際に、「スタッフのホスピタリティが高く、良いイベントだった」という言葉を頂いた。ホスピタリティとは何だろうか?というこの時感じた素朴な疑問に対する答えを自分なりに出したいと思い、当著を読みました。ネットで調…

【書評】自分の心が満たされないと、人を幸せにできない『わたしも家族も笑顔にする  幸せキッチン』

22年間で7,000人以上に料理を教えてきた著者は、かつては料理が苦手で、子育てをしながらの料理の時間はとても憂鬱だったそうだ。なぜなら、家族の健康のためと頑張れば頑張るほど義務感を感じ、自分自身が味わい楽しむことができなかったという。 そんな時…