HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】20代を後悔しなくていい『30代を無駄に生きるな』

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 30代、それは人生の9割が決まってしまう時。結婚、自宅の購入、独立。様々なイベントが現実味を帯び多くの決断を迫られる。この30代で惜しみなく捨てるものは捨て、未来へ向かう準備が求められるこの時期にしっかり踏みとどまり、自分と向き合う。この本は「今のまま、ありのままでいい」という人の為ではなく、「変わりたい」と願う人に向けて書かれている。

 30代はで誰と出会い、誰と共に歩くのかを決めることが一番重要になる。それは人生とは他者との関係の中で生きているからであり、私たちはその中で適応しながら変化していくからである。他者とは何か。それが「大切な人」である。あなたには何人くらい自分よりも大切な人がいますか。あなたの悩みは自分の悩みですか、大切な人のための悩みですか。著者は「あなたが一体何歳であろうと、大切な人を思い、自分の位置を把握しゴール地点を明確にしたのであれば、30代は気持ちひとつでどうとでもなる。」と伝える。

 生きるとは他者に囲まれることであり、人生は周りにいる人にどうしても左右されてしまう。それは仕事も一緒である。逆にいえば、仕事ができる人は素晴らしい人達のいる環境に身を置いている。あなたは他人から一緒に仕事をしたい、または一緒に生きたいと思われる人だろうか。あなたも私も選ばれている。あなたは誰かにとって大切な人になれているだろうか?

 

30代を無駄に生きるな

30代を無駄に生きるな

  • 作者:永松茂久
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】夜、眠る前に一話ずつ。『銀河の片隅で科学夜話』

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「科学の面白さの核心を伝える本を書いてみたい」そんな著者の思いから生まれた科学エッセイ。物理学者らしからぬ柔らかい表現で語られる、不思議で美しい22の科学夜話である。

寄せては返す波の響きに、永遠という言葉が心に浮かぶ。昼と夜の交代や月の満ち欠けなど、永劫に回帰する運動の中に私たちは永遠を感じてしまう。しかし、何億年という時間のスケールで見ると、太陽の巡りや潮の満ち引き、そして一日の長さでさえも実は変わっているのである。

このような永遠など存在しない世界に、もし永遠が存在するのであればどこにあるのか。それはきっと、私たちの意識の中だろう。波の律動ではなく、その律動に無限の回帰を感じとる私たちの意識の中にこそ、永遠は宿るに違いない。

スマホの中は書き散らされた短文で溢れ、頭に入ってくる毎日の情報量の多さに私は疲れ切っていました。そんな時に出会ったのがこの本です。知的で神秘的で少しロマンチックな科学の世界に、私は夜な夜な引き込まれ、素敵な眠りにつけたのでした。

ぜひ、頭をリフレッシュしたいときに読んでみてください。

 

 

【書評】失敗をマネージメントした上で、大胆なイノベーションを起こせ。『経営の失敗学』

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成功は十社十色。一つひとつの成功はユニーク(独自)でパターン化できない。つまり、「こうすれば必ず成功する」と言った必勝法なるものは無い。
しかし、「これをやってしまえばほぼ間違いなく失敗する」と言う「地雷」は驚くほど共通で、しかも驚くほど当たり前に存在する。
であるならば、どこにどの様な地雷があるかを明確に意識して、丁寧に地雷を避けて行えば、少なくとも「失敗しないビジネス」、あるいは「成功確率を上げるビジネス」はできるのではないか。
本書は、その様な視点から様々な企業の失敗例と、何故その様な局面を迎えてしまうのかを具体的に取り上げている。

また、アップル、ファーストリテイリングなどの成功企業であっても実は一勝九敗であると言う。
はたまた、ソニーパナソニックダイエーヤオハンなどを例に挙げ、ビジネスは本質的に失敗するものであるし、成功しても長続きはしない運命にあると諭す。
一方では、トヨタセブンイレブンジャパンなどを捉え、簡単には真似のできないアプローチを検証しつつ、成功例の表面的なモノマネでは決して成功することはないと、警鐘を鳴らすのだ。
さらに第二部では、陥りがちな失敗のパターンを八つのセンテンスに分けて解説もしている。

勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けはなし。
共通した失敗のパターンを学ぶのは無駄にはなるまい。

 

経営の失敗学 (日経ビジネス人文庫)

経営の失敗学 (日経ビジネス人文庫)

  • 作者:菅野 寛
  • 発売日: 2018/04/03
  • メディア: 文庫
 

 

【ランキング】今週読まれた書評【2020/6/14-21】

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1位 

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bookrev.horiemon.com

リーチ先生 (集英社文庫)

リーチ先生 (集英社文庫)

 

 

2位

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ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

  • 作者:宮村 岳志
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

3位

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東京改造計画 (NewsPicks Book)

東京改造計画 (NewsPicks Book)

 

 

 

4位 

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5位

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6位

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7位

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9位

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10位 

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【書評】世の中は諸行無常。物理の法則だってそうなってるわけですから。『死ぬってどういうことですか?いまを生きるための9の対論』

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現実に久々に目の前に立ったホリエモンは九十一歳の瀬戸内寂聴氏の目には「可愛らしい」と映った。悪びれず人懐っこい微笑みをたたえた素顔には、誰をもひきつけるあっけらかんとした魅力があふれていた。

本書は、刑務所から出所したばかりの頃の堀江貴文氏と、瀬戸内寂聴氏の対談を記録したものである。二人の死生観から少子化問題原発問題、検察についてなど、テーマは多岐にわたる。

人は思い込みで生きている。分子ってのは全く入れ換わっているのに、「自分は自分である」っていう、そのサステナビリティ(持続可能性)みたいなものが興味深いと語る堀江氏。

自分は堀江貴文だと思ってるけど、それは単なる思い込みかもしれない。それがなくなるのが死なわけで。単なる思い込みだなと思ったら気が楽になったそうだ。

「自分が自分である」ことさえ、思い込みだという発想は、大変面白い。私たちは気づかないうちに、思い込みに縛られている。まずは思い込みだと気づくことが、全ての出発点なのかもしれない。

人間以外の何かに頼りたい。
瀬戸内寂聴氏はそう思って出家したそうだ。

そうして出家してみたらあんまり大したことない。でも確かに楽になった。人間がああしなさいこうしなさい、なんて言うことはあまり信じなくなった。なんか宇宙が、地球があって、落っこちてないし、太陽も月もぶつからないし。星座は星座でちゃんとある。それは不思議なことで。そういうものを司ってる何かがあると思ったそうだ。

この二人に共通していると評者が感じたのが、人好きなのに、どこか突き放したところ。人に対しても物に対しても、良い意味で「諦め」みたいなものがあるように感じる。

二人とも生きていく中で、無駄なものをどんどん捨てていて、人や物へ対する執着心がない。そのせいで一見冷たく見えたりもするが、実際には目の前の一瞬一瞬を大事にしているということなんだろう。非常にさっぱりとした生き方で、憧れを抱いてしまう。

結論としては、どう悩んでみても、人は会えば別れるし、生まれれば死ぬ。それはもう決まってる。とにかく死んだら、あとはまあどうでもいい。
そうした考え方が生きている根底にあり、本当にいろんなものに対するこだわりがない二人の対談は、読んでいてすごく気持ち良いものである。

 

 

【書評】ムリしなくても生きられるのに、ムリする矛盾の時代『自衛隊メンタル教官が教える心の疲れをとる技術』

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現代は、栄養や安全は確保され、ムリしなくても生きていける。しかし逆に頭脳労働を長期的に行うことで、知らない間にムリが深くなってくる。ムリは限界に達すると、破綻する。それが、うつや自殺という形で表れる。

本書では、著者が自衛隊で教えている疲労コントロールの方法を、ムリ・ムダ・ムラの三つの切り口で解説している。

ムリしすぎて潰れないためには、複数のストレス解消法をもつことが良いそうだ。

陸上自衛官のストレス解消法には、運動、アルコールなどが多い。しかし紛争地への派遣中などでは、そういった行動は制限される。そうした教訓から、日頃から複数のストレス解消法を準備することを隊員に指導するそう。

ポイントは、「動」と「静」のストレス解消法を持つこと。特に「静」のストレス解消法を準備することを強調している。「動」のストレス解消法は、どうしても疲れが伴うからだ。

ヨガ、軽い散歩などは、疲労回復に効果があることが証明されている。他にも、森林浴、庭いじり、俳句や短歌、読書、音楽、料理などがあげられる。

そして評者がとくにためになると感じたのが、感情のムダ遣いを防ぐための、怒りのコントロール法。怒りの感情が起こったあとの、「七つの視点」による冷静な状況の見直しというのが、大変面白い。

自分目線、相手目線、第三者目線、時間目線、宇宙目線、感謝目線、ユーモア目線の七視点から怒りを見直してみると良いそうだ。

評者も時間目線くらいまでなら考えたことがあるが、宇宙目線、ユーモア目線というのは思いつかなかった。今度誰かにむかついたらやってみようと思う。笑

いかに怒りがムダだと思っても、怒りの気持ちが生じるのは変えられないし、変える必要もない。ただ、怒りの感情に乗っ取られるのではなく、それをコントロールしていくことは「変えられる」ことだ。

このように、私たちがストレスと向き合うには、変えられるものと変えられないものを区別して対処していくことが大切だと著者は語る。

本書では、極限のストレス状態を経験した、自衛隊員の著者だからこそ語ることができるストレス対処法が満載だ。きっとあなたにも役立つことが書いてあるので、ぜひ読んでみて欲しい。

 

 

【書評】税理士対策にとどまらない普遍的な学習法の紹介『税理士試験 この勉強法がすごい!』

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元々実家が不動産をやっていて税理士さんと会話しているのを目にし
自分も学ばねばならないのではないか、と考えていたため本書を手に取った。

税理士への合格に向けた対策と勉強法について、個人のリアルな体験を元に書かれている。
正直、片手間で取れるような資格ではないと分かった次第だが、その勉強法が参考になる。
2回読み、青インク、譜面台、立って理論暗記、乗り鉄勉強法・・・など、
限られた時間でメリハリをつけ、勉強するエッセンスが詰まっている。
自分はこの本に後押しされ譜面台とStanding Deskを購入した。

また、著者ののんさんは才色兼備で行動家。実際に色々やっているところ、
特に実際に人に会って吸収しているところがすごい。性格も素晴らしい。
本は内容に加え、著者の人間性とストーリーに惹かれて買うもの。価値が高い本だと感ずる。

冒頭ではコンプレックスを吐露されており、好感が増す。
突出した努力家は、自分の中に不満足感を抱えている人だと思っており、
のんさんはそれを埋めるために勉強だけではなく様々な分野で努力されて来たのだろう。

本も手に取りやすく、フォント、イラストも可愛いので読んでいてストレスにならず、
何度でも繰り返し読みたくなる。税理士を目指す方のみならず、
勉強法を学びたい方は是非手にとってみてはいかがだろうか。

 

税理士試験 この勉強法がすごい!

税理士試験 この勉強法がすごい!

  • 作者:吉岡のん
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: 単行本
 

 

【書評】Testosterone氏とダンベルは常にあなたと一緒にいる『心を壊さない生き方: 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

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どんなに生活習慣に気を付けていても、心の不調に襲われることは誰にでも起こる。
大規模な国際共同研究によると日本人の5人に1人が一生のうちに心の病を患うという。
これは自分以外でも、家族や恋人、友人が苦しむことを意味するものである。

メンタルヘルスの問題は誰しもが起こるものであり、自衛のため、大切な人を守るため、そして心を患った人々を傷つけないために、正確な知識を持つ必要がある。

本書はその正しさにこだわっている。それは精神科医との共著であり医学的エビデンスがしっかり示されていることが証明する。ネットに氾濫している間違った情報を基に意思決定してしまうと命に関わるほどの危険な状態になってしまうため、本書は影響力を持つtestosterone氏との共著であり、testosterone氏は正確な情報を広めることに一役買っているのである。

前置きが長くなったが要点をここに書く。

食事管理をすること
良く寝ること
適度に運動すること
この3つだけでも良いから覚えてください。

「一番大切なことは、自分は独りではないと気付くことなんだ。自分がこの症状を体験する最初の一人でもないし、最後の一人でもない。」

精神疾患を持つ人は400万人であり、糖尿病やガン患者よりも多いです。他人事ではありません。だからこそ、軽視せずに正確な知識を持って自分と大切な人を守ってください。

Testosterone氏とバーベルは常にあなたと一緒にいることを忘れないでください。

 

 

【書評】近代国家の礎を築いた男の経営哲学。『現代語訳 論語と算盤』

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渋沢栄一は、江戸時代の幕臣、明治時代の大蔵官僚を経て、退官後は実業家に転じた。第一国立銀行理化学研究所東京証券取引所などを始めとし、生涯で約480もの企業の設立や経営に関わったと言われている。

氏の代表的な著書が「論語と算盤」であるが、本書はその現代語訳版である。一冊を通して「利潤と道徳を調和させる」という、経済人としての心構えを説いている。
孔子論語というと、偽善的で金儲けなどには否定的なものだと解している方が多い様であるが、それは違う。利潤を追い求めるだけの経営者であってはならない、と言うだけのことだ。
氏が本書の中で述べているのも、「仁義を根本にして商工業を営めば、あえて争うがごとき事をせずとも、利は自ら懐にはいってくるものである」ということであり、続けて「仁は人を思いやり、慈しむ心。義は人として守り、進むべき道」と言う。
利潤を求めるだけでは大成はしないが、仁義をもってこれに当たれば、両者は相反せず、一体と為すということだ。

また、「本分」や「信念」というものについても語る。
「本分とは、与えられた社会の中での役割である。逆境に立たされた時には、自分の本分であると覚悟をすることだ」
「信念が強ければ道徳は必要ない」

そして、「成功や失敗とは、心をこめて努力した人の身体に残るカス」だと言う。だから、「一日を新たな気持ちで」生きようと論じるのだ。

渋沢栄一は、2024年からは新一万円札の顔となる予定だ。
現代語訳で読み易くなっているので、その前には一度お手にしていただきたい一冊である。

 

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

  • 作者:渋沢 栄一
  • 発売日: 2010/02/08
  • メディア: 新書
 

 

【書評】そろそろAIの方が上手に鮨をにぎる?『堀江貴文VS.外食の革命的経営者』

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前回の『堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?』に続き飲食業界人との対談本。このシリーズ本当に面白いと思うのだがあまり共感は得られていない。他の堀江さんの本より圧倒的に面白いと思う。

今回も非常に豪華メンバーによる対談が繰り広げられている。例えば『SUGALABO』、『くろぎ』、『鮨さいとう』などのシェフ、『牛角』の西山さんなどが飲食業界について語っていて、評者には関係はない内容であるがすごく勉強になる。

また、ところどころ堀江氏が経営している『WAGYUMAFIA』の戦略が紹介される。料理できる人を雇うよりコミュ力が高い人に料理を教えるべきと言う話や、「いってらっしゃい!」がどのようにして開発されたか。付加価値をいかにしてつけるか。

また、中には評者も実際にレストランで会ったこともあるシェフもいるが、シェフ達の考え方、職人肌な面を垣間見れたところもすごく良かった。

そして、本書の最後ではテリヤキメンバーによる今年のレストランも発表されている。このページだけでも一読の価値があるだろう。行きたい店がまた増えてしまった。

さてさて、非常に長くなってしまったが、非常にオススメな本である。是非読んで、美味しいものを食べに行きましょう!。

 

堀江貴文VS.外食の革命的経営者

堀江貴文VS.外食の革命的経営者