HIUメンバーによる『東大から刑務所へ』の書評を集めました。
HIUメンバーによる『東大から刑務所へ』の書評を集めました。
「人類を愛する人」と「隣人を愛する人」。どちらに現実感覚があるのでしょうか。
「人類を愛する」ためには、ただ最もらしい愛を叫んでいればいいです。
家で自分が食べた食器も洗わない、職場の人に挨拶をしない、ゴミをポイ捨てする、それでも、人権、愛、平和は高らかに叫ぶことができます。部屋を散らかし放題でも、「人類」を愛することはできます。だから「人類を愛する人」は隣人を殺したいほど憎むことができ、そして集まれば人類のために戦争も起こすこともできます。
「隣人を愛する人」はどうでしょうか。
家族に迷惑がかからないように自分で食器を洗います。安心感を与えるため、職場の人には目を見て明るく挨拶をします。ゴミを拾う人のことを考えて、ゴミ箱にゴミを捨てます。みんなが生活しやすいように部屋を片付けます。これが「隣人を愛する人」です。
何もせずに愛とか平和とか人権を高らかに叫ぶより人と、周りを配慮して自分の行動を律することができる人。どちらの人間が多い方が世の中は良くなるのでしょうか。
犬が「可愛い」から飼ったけど、すぐに捨ててしまう人は、犬のトイレや散歩、トリミング、えさの代金、犬が病気になった時の病院代、お風呂、それらの大変さが分かりません。
「可愛い」のと、それらを踏まえて愛情をもって「可愛がる」のは全く違うのです。
経験をせずに、頭で判断してしまうと、とてつもないギャップが生まれてしまいます。
合理的に考えるのが正しいといって、葬式で遺族に棺のプレゼントをするでしょうか。
「人類を愛することは簡単だが、隣人を愛することは難しい」
だから、頭で判断してはいけないのです。
本作品のストーリーは主人公達が会社ごと「無人島」へワープすることから始まる。いかに『多動力』を使って生き残るか?というお話。
『多動力』のない人たちは無人島にワープしても明日の会議の準備・仕事をこなし続ける。『多動力』の持ち主は見切り発車で罠を作り、筏をつくり脱出を試みようとする。少年のような心持ちで毎日を生き抜く。
現代のように変化が激しい時代を生き抜くには(いきなり無人島に変化することはないとは思うが)『多動力』を持ち、何にでも挑戦しながら学ぶことが重要だ。これまでの教育は時代の流れにはついていけない。
本作品は『多動力』の内容をマンガで身につけることができるようになっている。『多動力』自体もすぐ読めるのだがマンガなら10分かからず読める。もうポストテキストの時代は来ている。
マンガで身につく 多動力 (NewsPicks Comic)
本作品は現在までに累計30万部を突破した著書『多動力』を、漫画に再編集したものだ。ある日サラリーマン達が会社ごと無人島にワープしてしまうところから物語は始まる。
私たちの周りは、普段から多くの“常識”が溢れている。本書でも冒頭に取り上げられているが、メールを送った後の電話連絡や過剰な出力紙での資料化などがそれにあたる。そのひとつひとつを見直すと“これは本当に意味があるのだろうか”と、疑問に思うことは多い。本作品ではその“常識”を無人島という特殊な環境下に晒すことで、その意味の無さに気づかせてくれる。
ここでの登場人物達は無人島という特殊な環境の中で生き抜くために必要なことと、いつ元の場所に帰っても滞りなく業務を進められるようにという会社の指示の間で戸惑う。それでも初めは少人数であったが、次第に自身達が置かれている状況を直視し、最後には社長を除く全ての社員がサバイバル生活に順応していく。
本作品から学べることは2つだ。ひとつは“常識なんて所詮そんなもの”ということだ。環境が変わればいくらでも変わるだろうし、変わってしまっても案外不都合なこともないのだ。そしてもうひとつは、本作品は会社が無人島にワープしてしまうという無茶な設定だが、実は現在私たちが置かれている状況も似たようなものだということだ。
現代社会は1年先でさえ予測不能だ、誰とどのようなことをすることが最適なのかさえわからない。それはさながら無人島と変わらず、私たちには生き抜くためのサバイバル能力が必要だ。その能力のひとつが“多動力”ではないだろうか。不確かな世の中で何を選択するべきか、本作品は教えてくれるはずだ。
マンガで身につく 多動力 (NewsPicks Comic)
無人島にワープするところからストーリーは始まる。なぜこんな"ありえない"展開にしたのだろう?。
世の中にはそんな"ありえない"事が多いからではないだろうか。
それは人生を苦しく生きる様に仕組まれた"ありえない"常識の事である。
そして、そこにズバズバ切り込んでく様子が書かれてるのがこの本だ。
例えばこのシーン。
全部無駄だと本当はわかってる。けど、皆見えない何かに縛られてる。わかってるのに理不尽な事に耐えなければいけない。だから騙されたフリしなきゃやってられない。その気持ちも痛いほどわかる。
しかしこの本を読み終える頃にはそういう"ありえない"常識に対し一歩踏み出したい気持ちに私はなっていた。今までの自分に反省してしまうと同時に少し熱が入ってしまったそんな本である。
原作の『多動力』がそのままマンガになったのかと思いきや一般人思考の「鈴木」が堀江さん思考の「堀口」と一緒に過ごす日々で変化していくという内容であった。マンガになることで『多動力』のエッセンスは変わらないままより一層飲み込みやすい内容となっていた。
一度読んだはずの『多動力』だったが、忘れていたり行動できなかった点を再度思い返すことができた。また『多動力』をはじめて読んだときと比べ捉え方が少し変わったかもしれない。
例えば、「原液を生み出す人間」というのは前回ピンとこなかったのだが、今回「バカと小利口」のところでちょっとだけ理解できた。私はバリバリできるタイプではないけれど、私にはサポートしてくれている人が沢山いると気付けたからだ。安心して進んで行ってもいいんだなと。
ちなみに私の前の職場ではマンガ同様に「メールしたら電話」という習慣があった。よく何かと「常識でしょ」と怒られ凹んでいた(笑)是非、会社に送りつけたい☆
そして、最後の「人生に目的なんかない」は本当その通りだと思う。
「毎日が充実していればそれでいい」。
この最後の章だけでも是非、みんなに読んでもらいたいです。
マンガで身につく 多動力 (NewsPicks Comic)