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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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経験ではなく、頭で判断するとどうなるか『やさしい人』

「人類を愛する人」と「隣人を愛する人」。どちらに現実感覚があるのでしょうか。

「人類を愛する」ためには、ただ最もらしい愛を叫んでいればいいです。
家で自分が食べた食器も洗わない、職場の人に挨拶をしない、ゴミをポイ捨てする、それでも、人権、愛、平和は高らかに叫ぶことができます。部屋を散らかし放題でも、「人類」を愛することはできます。だから「人類を愛する人」は隣人を殺したいほど憎むことができ、そして集まれば人類のために戦争も起こすこともできます。

「隣人を愛する人」はどうでしょうか。
家族に迷惑がかからないように自分で食器を洗います。安心感を与えるため、職場の人には目を見て明るく挨拶をします。ゴミを拾う人のことを考えて、ゴミ箱にゴミを捨てます。みんなが生活しやすいように部屋を片付けます。これが「隣人を愛する人」です。

何もせずに愛とか平和とか人権を高らかに叫ぶより人と、周りを配慮して自分の行動を律することができる人。どちらの人間が多い方が世の中は良くなるのでしょうか。

犬が「可愛い」から飼ったけど、すぐに捨ててしまう人は、犬のトイレや散歩、トリミング、えさの代金、犬が病気になった時の病院代、お風呂、それらの大変さが分かりません。
「可愛い」のと、それらを踏まえて愛情をもって「可愛がる」のは全く違うのです。

経験をせずに、頭で判断してしまうと、とてつもないギャップが生まれてしまいます。
合理的に考えるのが正しいといって、葬式で遺族に棺のプレゼントをするでしょうか。

「人類を愛することは簡単だが、隣人を愛することは難しい」
だから、頭で判断してはいけないのです。

やさしい人(愛蔵版)

やさしい人(愛蔵版)