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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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90分の倍数ではなかった!?『スタンフォード式 最高の睡眠』 著者 西野 精治 (サンマーク出版、2017/3/5)

本書では、スタンフォード大学睡眠研究所、そしてその主たる基礎研究機関である睡眠生体リズム研究所(以下SCNラボ)で蓄積したエビデンスをもとに、「あなたの睡眠を、あなた史上最高にする」ための方法が紹介されている。著者は、スタンフォード大学医学部精神科教授であり、SCNラボ所長の西野精治氏だ。

著者があのスタンフォード大学の教授であり、睡眠の専門家なので、本書をかなり難解な専門書なのではないかと想像するかもしれない。しかし、著者も言っているが、むしろ実用性と即効性を重視しており、かなり分かりやすい本となっている。

とにかく本書で一番驚いたのが、「90分の倍数眠れば良い」ではなかったということだ。多くの方が90分の倍数と思っていたのではないだろうか。

本書からそのまま引用しよう。

スリープサイクルにはかなり個人差があるため、実際の1周期はおよそ90〜120分と幅がある。そこで、「睡眠時間は120分の倍数が良い」としている研究者もいる。したがって、起きるタイミングも個人の睡眠周期によって異なるのだ。なので、巷でいわれているように「90分の倍数の時間眠る」ことにはそこまでとらわれる必要はないと、私は考えている。

では、一体どのような睡眠が良いのだろうか?

それを本書では、スリープサイクルの第1周期、つまり、眠り始めの90分で睡眠の質は決まるとしている。これを「90分の黄金法則」という。どんなに仕事が忙しくて時間がなかったとしても、「最初の90分」をしっかり深く眠ることができれば、最高の睡眠となるのだ。

この他にも、3章では、最高の睡眠を生むためのメソッドとして、睡眠の質を上げる3つの「体温スイッチ」と入眠をパターン化する「脳のスイッチ」をいかにしてオン・オフするかが、具体的に紹介されている。そして、この章の見出しが本書のタイトルと同じことやページ数が最も多いことから、最高の睡眠を得るためには欠かせない、著者が最も強調したい部分であることが分かる。

人生の3分の1となる睡眠時間を味方に付けることで、残りの3分の2の活動している時間も確実に良くなる。しかし、反対に睡眠時間を敵に回すと最悪な恐ろしい相手になる。「日中眠たい」「頭がぼーっとする」「朝起きるのがつらい」といった、睡眠時間を敵に回してしまっている方や自分の眠りに満足していない方は、ぜひ本書を手にとって、睡眠時間を味方につけ、あなた史上最高の睡眠を手に入れてほしい。