HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】失敗は、失敗ではない『ゼロからはじめる力~空想を現実化する僕らの方法~』

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本書では、2013年に立ち上げたロケット開発と打ち上げサービスを実施するインターステラテクノロジズ(IST)の活動や、日本が宇宙進出をしていかなければいけないその理由について解説されている。

宇宙ビジネスをはじめた当時のメンバーは、専門家や技術者ではなく、SF作家、イラストレーター、漫画家、ジャーナリストの集まりだったそうだ。

論文を見ながら、ホームセンターで購入した部品を使い、失敗と成功を繰り返し、まさに何もないところから自分たちでロケットを作り上げたのだ。

また、ロケットビジネスは、運送業だと著者は言う。宇宙でビジネスをするには、物資を運ぶ必要がある。そのためには、安価にできなければ、新たなビジネスは生まれない。

そして気軽に宇宙に行ける。そのような世界を作るために、宇宙の「スーパーカブ」を作ることを目指しているそうだ。

しかし、誰もやらないようなことに挑戦すれば、思いもよらぬ出来事も起こってくる。現在、この世の中に存在するあらゆるものは、電気でも車でも、数多くの失敗を繰り返して来たからこそ、私たちの日常に役立っている。

その失敗が避けられないのなら、いかに上手に失敗するかを考えるべきだと言う。失敗からノウハウを手に入れ、そしてそこから学びが得られれば、それは失敗ではない。これは人生にも通じる。

著者をはじめ、このように宇宙ビジネスに果敢に取り組む人々の、未知のものに挑戦し続ける姿は素晴らしく、かっこいい。

世の中の人々の中には、宇宙ビジネスについてまだまだ理解していない人が多い。ロケットの打ち上げも、お祭りごとのイベントのように思っている人もいるようだ。

一人でも多くの人が本書を読み、宇宙ビジネスを理解し協力してくれたら、よりビジネスが加速していくことになるだろう。

 

 

【ランキング】今週読まれた書評【2020/7/19-25】

 

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1位

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「のび太」という生きかた

「のび太」という生きかた

 

 

2位

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3位

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14歳の君へ―どう考えどう生きるか

14歳の君へ―どう考えどう生きるか

  • 作者:池田 晶子
  • 発売日: 2006/12/23
  • メディア: 単行本
 

 

 

4位 

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【ランキング】今週読まれた書評【2020/7/19-25】

 

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「のび太」という生きかた

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14歳の君へ―どう考えどう生きるか

14歳の君へ―どう考えどう生きるか

  • 作者:池田 晶子
  • 発売日: 2006/12/23
  • メディア: 単行本
 

 

 

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【書評】その船に乗るも乗らぬも、やってみるしかない。国産ウイスキー造りに命を捧げた男、鳥井信治郎。『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎 上』

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経営の神様、松下幸之助。世界でトップの家電製品の企業を築き上げた人物が、生涯その恩を忘れず、”商いの師”とした人物が、本書の主人公である、サントリー創業者、鳥井信治郎であった。

そんな鳥井信治郎が生まれたところから、物語ははじまる。”商いの都”、大阪。その中でも”浪花のへそ”と呼ばれた船場で、両替商・鳥居忠兵衛の次男として信治郎は生まれた。

信治郎は家の中でじっとしている子供ではなかった。ついつい目が向いた方へ、身体も、こころも向いてしまう。よくものを観察するので、町の界隈で店構えや看板が少し変わっただけでも気付く。

そして信治郎は何より新しいものを見ることが好きな子供であった。自分の知らない、新しいものや、まぶしいものに出逢い、それを見ることが好きだった。

好奇心旺盛な信治郎は抜群の吸収力で、小学校では成績優秀。そして大阪商業学校へ通ったのち、薬種商店である小西儀助商店へと丁稚奉公することになる。

小西儀助は国産の本格葡萄酒を作ることを夢見ていた。そこで毎夜、信治郎は儀助の葡萄酒作りを手伝うことになる。儀助の傍で、信治郎は商人として大切な心構えを学ぶ。

そして信治郎もまた、洋酒造りに魅了され、新しい商売をはじめることを決意するのだった。

彼の行動の源は全て好奇心である。

ある日神戸港を訪れた信治郎は、そこに停泊していた豪華客船に乗ることを決める。乗客のほとんどが西洋人や役人の、当時の信治郎の身の丈には合わない豪華さである。それでも、「今、自分は、あの船に乗るべきだ」ということが彼にはわかっていた。

頭の良い信治郎はもちろん銭勘定は得意である。大金をそんなふうに使うのは、まっとうな商人がすることではない。そうだとしても、信治郎には、そうするしかなかった。その船に、乗るも乗らぬも、やってみるしかなかったのだ。

欲しいと思ったら見境なしに手に入れる信治郎の性格は、後年、さまざまな所であらわれる。その大胆な性格が、信治郎の商いの選択の大きな決め手となっていく。

人が初めて目にしたものや、新しいものを見て、それがどんなものかを知ろうとすること。その目がじいっと見て何かを知ろうとするこころが、好奇心である。信治郎はまさに好奇心の塊のような人物だった。彼の目にはきっと、世界のすべてが輝いて見えていたのだろう。

そんな信治郎の世界を想像しながら読み進めると、こちらまで胸がワクワクしてくる。新しい世界へと飛び出したくなる一冊である。 

 

 

【書評】18年間赤字のハウステンボスを1年で黒字化した秘密。『運をつかむ技術』

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自著の三冊目である。著者が長崎ハウステンボスの社長に就任し、再生に着手したのが2010年春。そして2011年9月期には営業黒字化を果たした。開業以来始めての黒字だ。

著者は、80年代には孫正義氏、南部靖之氏と共に、ベンチャー三銃士と称されたこともあったが、虚栄心はそこそこ、天邪鬼な性格もあってかメディアなどへの露出を積極的にする方でもなく、誰もが知っている著名人という訳ではないし、ビジネスパーソンであっても知らない人は知らない。

(昼休みに会社の近くで一人で歩いているところに出くわし、コンビニに昼食を買いにいくと言うのに驚いて、「有名人がこんなところを歩いてて良いんですか!?」と尋ねたら、「どこが有名人なのー」と笑い返されて、さらに驚いたこともあった。
また、メディア出演の情報が社内にすら一切共有されることも無いため、テレビを点けるといきなりそこに映っていたりして、「ひょえー」となることもしばしば。)

しかし、誰もが失敗すると考えていた案件であったにも拘らず、ハウステンボスの再生に成功したことで、世間の注目が集まった、久々の出版の依頼が来るのにもうなずける時期だったのだ。

前作、前々作と読み比べると、旅行会社エイチ・アイ・エスの代表という立場は一貫しているにも拘らず、企業規模の増大に従って取り上げている項目にも変化があり、人も企業も環境によって移ろうものなのだということが分かる。
本書では、ハウステンボス再生に関し、その経緯から始まり、その後の様々な取組みについても具体的に詳述している。
また、学生時代からこれまでの歩みと、それらの中で得てきたビジネス哲学なども綴られているが、強く訴えているのは、失敗を恐れてチャレンジをしないことへの戒めだ。その為、成功の陰でこれまでどんな失敗をして来たのかについても語り、「チャレンジしない限り、新しいものは出来ない。そして、時代が激しく変化していく以上、チャレンジしない者は滅んでいくしかない」と説く。

なお、本書の題名であるが、その意味は「上手くやって運をつかもう」というものではない。成功するために大事な要素である運を味方につけるには、それなりの条件が必要だと言うことだ。
著者が掲げるところのそれは、分かり易くシンプルなものである。だが、シンプルだからと言って、簡単に誰でも出来るかどうかはまた別のことなのだ。

 

 

【書評】正解のない世界で、それでも美しいものを求め続ける。『羊と鋼の森』

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主人公は、北海道の田舎に住む青年の外村。高校時代、体育館のピアノを調律する現場に立ち会ったことがきっかけで、ピアノの調律師を目指すことになる。

ひたすら音と向き合い、壁にぶつかり、悩む新人外村。個性的な先輩からたくさんのアドバイスをもらったり、先輩の作業現場に同行したりして様々な技術や知識を吸収し成長していく。

先輩から、必ずしも響く音に調律することがいいわけではないことを学ぶ。演奏者のことを考え、わざと鈍く調整することもあるらしい。50ccのバイクに乗ってる人にハーレーは乗りこなせない。50ccをできるだけ整備してあげたほうが親切なのだそう。

美しく、善い音とは何なのか。調律という、正解がない森の中をひたすら彷徨い歩いていく。

決して才能や素質があるとは言えないが、根気強く音に向き合う外村。そんな彼から、時間をかけることで見えてくる世界があることを教えられる。彼は最後、正しい道なのか散々迷い何もないと思っていた森の中で、何でもないと思っていた風景の中に、すべてを見つける。早くに見えることよりも、高く大きく見えることのほうが大事なんじゃないか。他人の才能に憧れ、自分の現状に焦っている私は、この言葉にとても勇気づけられた。

美しい、善い、とはもともとは羊から来た漢字である。羊とはピアノを構成している素材。外村が追い求めていたものは、気づいていないだけで、実は最初から近くにあったのだ。

不器用でも時間をかけて仕事に向き合っていこう。明日からまたがんばりたいと思える本だった。

 

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

 

 

【書評】信念を持って生き、死のう『新訳 歎異抄―わかりやすい現代語訳』

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善人でさえ救われるのだから、悪人でこそ救われなければならない。
本書はそんな逆説的な親鸞の教えを、直弟子である唯円がまとめたものである。

この教えは弥陀の本願が、煩悩や罪業の深い我々を平等に救うために立てられたものである事から説かれている。
したがって、より煩悩や罪業が深い悪人も弥陀は救って下さるという訳である。

ただしこれはいくら悪行を行っても構わないという意味ではない。
本文で親鸞に心酔し、なんでも言う事を聞くと言った唯円に対し、親鸞がとんでもない事をするように命じる場面がある。
当然唯円は断るわけだが、そこで親鸞が心にもない事はそもそも出来ない事、さらには盲目的に人に従う危うさを直弟子に説いている。
救われるからと言って、わざわざ自らの信念から外れた悪行を犯すべきではないのだ。

本書は先に述べた通り、親鸞自身の著作ではない。
直弟子である唯円の著作である事を念頭において読み進めて欲しい。

仏教本であるが、非常に考えさせられ、古さを感じない一冊となっている。
私は本書を何度も読み返し、生きる上で必要なのは自らが正しいと思う事を人に左右されず貫く事なのだと理解した。
皆さんはどう感じるだろうか?

 

新訳 歎異抄―わかりやすい現代語訳

新訳 歎異抄―わかりやすい現代語訳

 

 

【書評】国語は科学だ!そして創作とは建築学である!『ドラゴン桜2(6)』

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「生まれてすみません」
聞き覚えのあるフレーズとともに登場した国語の特別講師、太宰府治。そんな太宰府先生が重要視するのが、読解力だ。

本書は、皆さん知っての通り東大受験漫画である。そして本巻は、国語集中巻となっている。

全ての教科で必要なもの。それが読解力だ。全ての大人に必要なものでもある。

読解力とは、単に読むことではなく、文章を読んで頭の中で構造化することである。

つまり、文章を読んでブロック分けして全体像を把握することであり、その作業を手際よく処理し、何が言いたいかを素早く理解する力を読解力という。

太宰府先生は言う。
「国語は科学だ!そして創作とは建築学である!
 そして建築学を無視した創作物は全て糞だ!
 そんなものは読む価値なし!」

科学である以上、合理的論理的に解析し帰結を導き出すことが求められる。そこで最も重要なのは「言い換え」であり、これは全ての教科に言えることだ。

つまり、全ての教科で求められているのは言い換える力なのだ。

つまり何?例えば何?要するに何?いわば何?すなわち何?言い換えれば何?
何が言いたいの?

これを問い続けることが学問なのである。

読解力を身に付けたい。評者は最近、切実にそう思う。そのために、こうして書評を書くことは良いことかもしれない。今までも読書はしてきたが、それはただ楽しむだけのものだった。 

書評を書くようになってからは、要するに、この作者はなにが言いたいのか?とよく考えるようになった。だが、まだまだ頓珍漢な書評を書いていることは自覚しているので、もっともっと文意を掴めるようになりたい。

読解力を身につけたい人の入門書として、本書はとても役に立つと思う。漫画でわかりやすく描かれているので、本書を読むための読解力は不要だ。大人から子供まで、全ての人におすすめしたい。

 

ドラゴン桜2(6) (コルク)

ドラゴン桜2(6) (コルク)

 

 

【書評】なぜ、あの年、あの時に逗子の海を歩いたのだろうか。『なぎさホテル』

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「いいんですよ、部屋代なんていつだって」
著者が作家として今日まで生きてこれたのは、「逗子なぎさホテル」で過ごした日々があったからだった。その七年余りの日々は、時折、思い起こしても、夢のような時間であった。

本書は、作家、伊集院静さんが、今はなき”逗子なぎさホテル”に逗留した経験を綴った、自伝的随想である。

東京での暮らしをあきらめ、行き場をなくしていた著者。他人と折合うことができず、家族とも離別し、著者は孤独で、疲れた若者だった。

東京をいざ離れようとしたとき、「そういえば関東の海を見ていなかった」と、ふと立ち寄ったのが逗子だった。

そこで著者は”逗子なぎさホテル”の支配人と出会い、結果的に七年余りもの間そのホテルで暮らすことになる。

そこでは、支配人、副支配人をはじめとする他の従業員の人たちまでが、まだ青二才の若者だった著者を家族のように大切にしてくれた。

自分のような傲慢で自分勝手な若者に、なぜあれだけの人たちがやさしくしてくれたのか、今でも不思議に思うそうだ。

だが、作品を読んでいると気付くが、著者の中には間違いなく、大きな優しさや、人としての正しさがある。決して損得勘定で物事を判断しない。なぎさホテルの支配人にはそれが分かっていたのだろう。

そして驚くべきは、支配人や多くの人が、当時から著者の中に作家としての才能を見出していたこと。彼の優れた観察眼や感性に気づいていた。そしてそんな若者の未来の可能性を信じていた。もちろん彼自身のことも。

人と人が出会うということは奇妙この上ない。その時、その場所で、自分自身に全幅の信頼を寄せてくれる人々に出会ったことは、著者の人生を間違いなく大きく変えた。そして作家としての生へと導いてくれた。

本書を読んで、人生において、人と人は出会うべくして出会うものなのかもしれないと感じた。そして優れた人同士が出会うのは、深い部分で、お互いの感性が響きあうからなのかもしれない。

 

なぎさホテル

なぎさホテル

 

 

【ランキング】今週読まれた書評【2020/7/12-18】

 

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1位

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勝手に人が育っていく! 社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け

勝手に人が育っていく! 社員100人までの会社の社長のすごい仕掛け

  • 作者:渡邉 良文
  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2位

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億を稼ぐ人の考え方 (きずな出版)

億を稼ぐ人の考え方 (きずな出版)

 

 

 

3位

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イケズの構造

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4位

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5位

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