クイズです。京都人に以下の言葉をかけられた時コーヒーが飲めるのはどれでしょうか。
A 「コーヒーのまはりますか」
B「そない急かんでもコーヒーなと一杯あがっておいきやす」
C「喉乾きましたなぁ、コーヒーでもどないどす」
D「コーヒーでよろしか」
A
Aこれは京都では挨拶です。「へえ、おおきに」と相槌を打ちましょう。
Bはタイトルぶぶづけパターン(笑)です。勧められたら京都では断らないといけません。
Cこれは大変です。疲れを見せてきてます。「疲れたわー、早よ帰れやー」ってことなので、撤収しましょう。
Dが正解となります。感謝して飲みましょう。
京都は好かれているが、京都人は嫌われている。その理由は「イケズ」だからと。本書ではその京都人の『イケズの構造』について解き明かす。
本書では京都のイケズ代表として「千利休」があげられている。それは秀吉との朝顔の逸話である。
秀吉が朝顔が見たくてやってくると決まっている日に蕾を全て落とし、茶室に一輪だけ用意。
そして、千利休は「花を見て待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや」
(訳: (まだ花が咲かない春が来ないと)待っているだろう人に、山里に積った雪のあいだにわずかに芽吹いた若草にも春は来ていますと見せたいものです。)
この歌も藤原家隆の歌であるのもイケズである。そして、切腹する前最後に立てたお茶を飲んだあと、不幸な人が使った茶碗は良くないと、河原に投げ捨て切腹。京都人という目線で歴史を見返すと歴史も見え方が変わる。
さて、色々と京都のイケズについて紹介されているが、イケズは人を傷つけないためだという。直接人に言いたいことを言うと傷つけてしまう。例えば場違いな店に来てしまったお客さんに対しては恥を書く前にやんわりと追い出す方が、その人は恥をかかずに済む。人間関係の中では時には「優しい嘘」をつくのも大切かもしれない。それを遠回しに酷いことを言う、排他的だと言われてしまっている。しかしイケズとは人のことを考え、町のことを考え、長い歴史を守り抜いてきた京都人ならではである。「まぁ、わかったはる人はわかったはるちゅうこってすな」。
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