14歳の君へ。
人間とは良く分からないね。なぜ生まれたかも、なぜ死ぬのかも、良く分からないね。
だけど、生まれたからには生きなきゃいけないね。
だけど、どう生きればいいのかなんて、全然分からないよね。
著者は優しい口調で語りかける。中学生に向けて書かれた本だが、読んで感動したのは20代の男性である。この本は本当に14歳に向けて書かれたものだろうか。
いいかい。生きている者は必ず死ぬ。しかしその「死ぬ」とはどういうことなのか、これもまた生きている者には絶対に分からない。なぜなら、生きている者は生きているからだ。生きている者に死ぬとはどういうことなのか、死ぬまで分かる訳がないじゃないか。
だけど、死があっての生ならば、生があっての死なのだ。人は必ず死ぬという事実から逃げてごまかしながら生きていけるのだろうか。この事実から目を背けて面白おかしく生きていく。これで生きていけるのか。
読めば読むほど自分の中にいた14歳の自分の目が輝く。
まだ自分はこの世界のことを何も知らない。けど、この世界のことをもっと知りたい。
これ以上私の安っぽい言葉を綴るとこの本の品位が下がるのでこれまでにしておく。
最後にあとがきの一文を紹介する。
『受験の役に立ちませんが、人生の役には必ず立ちます。』