「ちょっとそこのあんた、顔がないですよ」
本書を開くと、まず飛び込んでくる魂のメッセージ。この言葉はその時の自分の気持ちを測るバロメーターのように感じる。あなたにはどう感じましたか。その何とも言えない気持ちのまま、本書に飛び込んで下さい。
生と死がテーマ。写真と共に短い筆者のメッセージで進む本書、こういうのをアフォリズムというのかな。本当にすぐ完読できる。しかし、熟読するのは時間がかかる。筆者はボロボロになるまで読んで欲しいと思いを込めている。ボロボロになればなるほど、輝く一冊。
メメント・モリは「自分はいつか必ず死ぬから、死を忘れるな」とのこと。死を思ってこそ、生きると実感出来るのであろう。そして、死が訪れた瞬間に死を決断する力が求められる。これは自殺をするという意味ではない。生き抜いたものだからこそ、死を決断して選び取ったのだ。
著者 藤原新也
出版社 三五館
出版年 2008年