HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】ストレス社会ニッポンをサバイブするための武器を授けよう!『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

f:id:SyohyouBlog:20200622091450j:plain

ストレスの多い現代社会において、心の健康に関する知識を持たずに生きていくことは、戦場に丸裸で突っ込むようなものである。

メンタルヘルスの問題と関わりを持たずに生きていくことは不可能と言えるほどに、この問題は日本社会を侵食してしまっているのだ。

健康についての情報は世の中に溢れている。どうしても、「これだけすれば良くなる!」という極論が人々の耳目を集めやすい。

その点、本書では科学的根拠をしっかりと明らかにした上で、人の健康に本当に必要な基本的なこと、メンタルヘルスについて我々が生きていく上で最低限知っておくべきことが書かれている。

健康における基本的なこと。それは睡眠、食事、運動である。当たり前のことだ。だけど、身近であるがゆえに見過ごされやすく、甘く見るととんでもないダメージをあなたの心身に及ぼす。

中でも、「健康のためなら死ねる」とさえ言うTestosteroneさんがものすごく重要視しているのが、睡眠だ。ハッキリ言って、筋トレより大切だと言い切っている。

なんと、日本人の睡眠時間は先進国の中でワースト1位の短さなんだそうだ。これは社会問題と無関係とは言えないだろう。

そもそも我々は、睡眠を軸に生活すべきである。仕事なんてその次でいい。睡眠不足が身体に与える悪影響を考えると、寝不足は自分で自分を虐待しているようなものだ。

睡眠を削って自律神経やホルモンバランスが崩れると、すべてが一気に狂いだす。精神、肉体、免疫力、集中力、記憶力、文字通りすべてだ。長期的に考えれば、睡眠時間を優先することが絶対正義なのである。

そしてメンタル疾患においては、大事なのは原因ではなくて、今目の前にいる人が本気で苦しんでいるという事実である。

中には他人から見るとまったく理解できないようなケースもある。理解できないからといって、間違っても自分の価値観だけで身近な人間に対して「甘えじゃないの?」だとか「情けない奴だ」なんていう冷たい言葉をかけてはいけない。

例えば、うつ病は「脳の活動の障害」である。脳が誤作動を起こしている状態=身体の病気と同じである、という認識の方が適切なんだそうだ。実際、改善した人にあとで話を聞くと、「あのころは、なんであんなことを考えていたのか本当にわからない」とおっしゃる方は多いそうだ。

つまり、理解できない他人の行動も、「脳の誤作動」である可能性があるということだ。
「人間の脳は完璧ではない」という理解をしておくことが大切であり、理解していれば必要のないことで人を責めることも少なくなるのではないだろうか。

何事においても一番大事なことは、「自分が見ている世界」は「他人が見ている世界」とは異なる、ということをみんなが理解することである。

そしてそのためには最低限の知識を頭に入れておく必要がある。また、想像力を働かせる余裕をもつためにも、日頃から健康に気を使うことは非常に大切だ。

ストレス社会を生きていくために、手元に置いておくと大変心強い一冊である。

 

 

【書評】予測不可能な世の中で〆切を守るには 『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか 』

f:id:SyohyouBlog:20200620170252j:plain



マイクロソフトwindows95開発経験を持つ著者が、仕事の〆切を守るための時間術を書いた本です。
著者は、仕事の初期段階で集中して取り組むと、リスクに早く対応でき計画的に仕事をこなせると言っています。
例えば10日与えられたら、最初の2日で8割完了させリスクに備えるということです。
では最初の2日で8割完了を目指すには、どうすれば良いのか?を本書で具体的に紹介しています。

本書はどのような仕事で起こりうる様々な問題を想定しており、それぞれにどのように対処すれば良いかを書いています。
・未経験で仕事を見積もれない場合
 → 上司に「見積もるために試す時間が欲しい」と相談
・複数の仕事を同時に持っている場合
 → 時間を細かく分割して計画を立てることで、同時に2つ以上の仕事をしない状況を作る
・取り組んだ結果、〆切に間に合わないことがわかった場合
 → 上司に状況を報告し、対策を相談
また、効率を上げるために集中するための対策「朝早く仕事に取り組む」「適宜昼寝をする」なども紹介しています。

ただ紹介するだけでなく、読者に実施してもらえるよう工夫されています。
・著者の多くの経験をもとに書かれているため、説得力がある(本書はここに力を入れていると感じました)
・各対処方法の根拠やメリットを説明しており、納得できる
・説明には具体例や比喩を用いており、イメージしやすい

仕事が〆切までに終わらない、時間を効率的に使いたいと悩む人におすすめです。開発職はもちろん、それ以外の仕事にも応用できます。
著者はwindows開発者ですが、誰にでも理解でき、かつ汎用性の高い方法を紹介しています。

変化の激しい世の中で、見積もれないかつ急なリスクが発生する仕事も多いですが、この本にはそのような仕事でも〆切を守る方法が記載されています。

 

 

【書評】長生きしたい人は、HIUへ 『東京改造計画(第五章)~人生100年時代のコミュニティ~』

f:id:SyohyouBlog:20200621195645j:plain

本書では、著者が考える東京都を改造するための提言が書かれ、第五章では「未来の生き方」がテーマだ。

著者は男性よりも女性が長生きなのは、女性のほうが「コミュニティが広い」ということが関係していると言う。確かに年齢を重ねている女性でも活発に習い事をしたり、友人と旅行に行ったり活動的な人は多い。

一方男性は、仕事を引退すると 友達もいなく奥さんも忙しく、相手にしてもらえないという話しをよく聞く。評者が勤めるビジネススクールにも、定年後、家に居づらいので勉強でもという人がいるが、正直過去の肩書きにすがり扱いづらい。

また、真面目に勉強する人の邪魔になるため、そもそも選考に通らない人が多い。すると「不合格の理由を教えろ」「自分が落ちるはずがない」とクレームを入れてくるという始末だ。

著者は、近い将来にやってくる「人生100年時代」を見据えてオンラインサロンHIU(堀江貴文イノベーション大学校)を立ち上げたそうだ。評者も約三年所属しているが、まさにハマっている。

入会前は様々な業界の第一線で活躍する人達の対談が聞けるのなら面白そうだと思っていたが、入会して時を重ねるごとに、面白みが増すというものはなかなかない。

例えば、複数の分科会による活動は、誰でも何かしら興味の持てるプロジェクトが見つかるだろう。本書評ブログもそのプロジェクトの一つだ。

また、グルメを楽しめるイベントが多く、参加するだけでおいしいものに出会えるのも魅力だ。例えば、先日参加した地方イベントでは、著者自らが目の前でメンバーのためにピザを手作りしてくれた。

ピザ釜から取り出したアツアツの出来立てピザは大人気。あんなに美味しいピザは初めてだ。さらに著者が行う「肉磨き」は、HIUに入会して初めて知った。すでに5~6回は見ていると思うが何度見ても面白い。

旅行としては国内の様々な地域に出向いた経験はあるが、HIUでのイベントや合宿で行く地方はまた違った面白さがある。

このようなことはHIUに入会する前は想像もしていなかったことだ。HIUのようなコミュニティは、人々にとって非常に重要であり、必要なものだとつくづく感じる。

堀江貴文イノベーション大学校(HIU)
http://salon.horiemon.com/

 

 

東京改造計画 (NewsPicks Book)

東京改造計画 (NewsPicks Book)

 

 

【書評】ビジネスは試行錯誤の連続であり、海外個人旅行の世界そのものだ。『変な経営論』

f:id:SyohyouBlog:20200620165941j:plain

インタビューを受けている澤田秀雄氏は、株式会社エイチ・アイ・エス(以降、HISとする)の代表取締役会長兼社長である。現在のHISは、旅行事業、テーマパーク事業、ホテル事業、ロボット事業、エネルギー事業、植物工場事業など、既に旅行会社とは言えないほどに事業分野を広げており、2019年12月には持分会社への移行を表明している。
また、澤田氏自身も2016年11月に12年振りに社長に復帰した。それは、これほどまでに変革してしまったHISの舵取りを出来る者が創業者以外にはいなかったからだ。時代に対応した変化をし続ける「変な会社」、「変な経営者」なのだ。

この本では、ハウステンボスの復興を始めとした、上述のような様々な分野へのチャレンジに関する詳述は勿論だが、経営に対する氏の旺盛なチャレンジ精神に溢れる発言も諸所あり、こちらも見逃せない。
澤田氏が自ら執筆した書籍も既存で3冊ありはするのだが、敢えて本書を今回の書評に選んだのはHISにとっての最新の情報を記しているからだ。出生から西ドイツ留学、海外旅行の中で死にかけた体験、起業、ビジネスに於けるチャレンジの数々などをお知りになりたい方は、機会があれば澤田氏の著作も是非手にして欲しい。

ハウステンボスでも失敗ばかりだった」と氏は言う。「残りの3割が大成功したから、黒字になった。ビジネスとはそう言うものだ。失敗は必ずある。失敗するごとに泣き言を口にしているようでは、経営は出来ない。粛々と続けるのみだ」
また、氏は失敗を恐れてチャレンジをしないことを嫌う。「チャレンジして、失敗したとして、何か問題があるのか?お金を失うとか、人に笑われるとか、信用をなくすとか、それぐらいだ。べつに命をとられるわけじゃない。死なないんだったら、後悔しないほうを選ぼう」と。
そして、会社は人次第であると力説するが、また、「生まれながらのリーダーなんていない。誰もがリーダーに「なる」のだ」とも言う。
「だから、どんどん失敗すればいい。失敗から学べるかぎり、さらにいいリーダーに育つ可能性はある」

私は、澤田氏とはまんざら知らぬ仲でもないのだが、思慮に欠ける行為などに対する指摘では散々キツい当たりを喰らった(笑)が、確かに失敗自体を責められたことは無かった様に記憶している。本書中でも、「私は予定調和なものが好きではない。物事がスンナリ進むより、あっちこっちでつまずくほうがワクワクする。失敗すれば、改善すればいい。いつかは正解にたどり着く」と発言している通り、取り敢えずやってみようと言う大らかな構えと、色々なものに興味を向ける発展的な人格の持ち主であると思う。
「夢をもたない限り、夢がかなうことはない」
チャームを備えた面白い人物である。

 

 

【ランキング】今週読まれた書評【2020/6/7-13】


f:id:SyohyouBlog:20200224171934j:plain

1位  

f:id:SyohyouBlog:20200613093106j:plain

bookrev.horiemon.com

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

  • 作者:宮村 岳志
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

2位

f:id:SyohyouBlog:20200608193210j:plain

bookrev.horiemon.com

 

 

3位

f:id:SyohyouBlog:20200610193438j:plain
bookrev.horiemon.com

 

4位

bookrev.horiemon.com

 

5位 

bookrev.horiemon.com

 

6位 

bookrev.horiemon.com

 

7位 

bookrev.horiemon.com

 

8位

bookrev.horiemon.com

 

9位 

bookrev.horiemon.com

 

10位

bookrev.horiemon.com

 

【書評】英語で話すと相手からの評価が高くなる『東京改造計画(第四章)~都職員の英語公用語化~』

f:id:SyohyouBlog:20200620093156j:plain
本書では、著者が考える東京都を改造するための提言がまとめられている。第四章では「都政」をテーマに、評者が興味を持った「都職員の英語公用語化」について取りあげる。

著者は言う東京都を本物のグローバル都市にするために「東京都の職員に英語の使用を義務づけたい」

本提言には評者も100%賛成だ。そもそも日本人の一般的な英語レベルは、非常に高い。中学や高校で習った程度でも、世界では中級レベルとして通用する。また、発音を極度に気にする人もいるが、日本人の発音は通じないということは、あまりない。

他国の人々を見てみると、母語との大幅な発音の違いにより、全くもって何を言っているのかわからない人もいるが、みんな自信を持って英語で話しをする。しかし、日本人は完璧を目指し、なかなか英語で話そうとしない。それ自体が問題なのだ。

著者の英語に対する考えについて、著者自身が行ったカルロス・ゴーン氏との英語による対談を例に伝えている。評者は、著者の英語による対談はその時初めてみたが、とても興味深いものであった。

動画の中ではお互いが母語ではない英語で話をしていた。元々対談前より交流があったのだろうが、とても和やかなよい雰囲気に見受けられ、内容も日本語での対談と同じように、専門的な話しについても、非常にわかりやすく伝えられていた。

外国人と話をするときに、日本人はつい、相手が日本語が話せると、日本語で話してしまいがちだ。しかし、そこであえて母語以外の言語で話すことで、より相手との距離が縮まる。

評者も外国人と話をするときは、日本語を覚えたい相手でない限り、第二言語または第三言語で話しをするようにしている。そうすると相手からの自分への信頼感や関心、共感などが増し、相手の態度や対応も明らかに異なる。

海外へ行ったときなどは、単なる外国人の一人ではなく、ビジネスの相手としてきちんとした対応をしてくれる。またちょっとした雑談をすることで、大きなメリットをひきだすこともできるのだ。

言語のレベルに関係なく、このような工夫をすることで、また新たな違った世界が広がる。都の職員も最低限、いつでも気軽に英語で対応できるぐらいの準備をしておくことは、当然のことだと評者も考える。

 

東京改造計画 (NewsPicks Book)

東京改造計画 (NewsPicks Book)

 

 

【書評】時代を切り開く女性達『SALON DESIGN No.07』

f:id:SyohyouBlog:20200620091857j:plain

HIU編集学部が作成する小冊子、SALON DESIGN。その第7号では時代を切り開く3人の女性達それぞれの対談とインタビューが「最前線女性特集」として掲載されています。

ハヤカワ五味さんの対談では「生理用品のEC化率が1%以下」という情報から始まります。情報が滞り、利用者に選択の余地がない現状とその原因として性に関する正しい知識の不足について堀江さんと議論し、Youtubeを利用した性教育プログラムにまで話題が広がります。現状の問題への鋭い視点は、日常生活の中でも「家の片付けも原因を分析し、カゴの配置を変えてみる」といった姿勢からも養われているようです!

続いて、村中璃子さんのインタビューでは子宮頸がんワクチンの問題について、「根拠のない誤解」と彼女がどう闘ってきたかが取り上げられています。反ワクチン運動によって著書の出版に時間がかかり、訴訟まで起こされていた村中さんが海外の権威ある科学雑誌『Nature』のジョン・マドックス賞(詳細は是非本文を!)を受賞するまでの流れはノンフィクション映画を見ているかのような迫力です。「正しい情報で。救える命を救いたい。」という彼女の力強い言葉はその意志の強さと行動によって実践されていることがよくわかります。

最後に個人向けゲノム解析ベンチャービジネスを展開する高橋祥子さんと堀江さんの対談では、最近話題にはなっていても実際に受けている人はまだまだ少ない「遺伝子検査」の情報が盛り沢山です。アルコールの耐性や遺伝性疾患について、どんな情報が知れて、どんな人が受けているのか、健康に対する意識の強い堀江さんがグイグイと突っ込むことで新鮮な知識が溢れる対談となっています。まだまだ「共通認識」や共感の少ないゲノム解析の領域ですが、新しいことを知りたい人には魅力満載の内容です。

生理用品、医療情報、遺伝情報と全く異なる分野で活躍する方々ですが、インタビューを通して読むとある共通点が見つかります。それは多くの人々が目を向けていない「大事な情報」に目を向け、正しい情報を多くの方が知ることができるように自分達の仕事を開拓していることです。現代では、情報発信のあり方も情報の得られ方も大きく変わり、多くの人が「得られる情報の質」を意識するようになっています。このような世の中で本当に人の心を刺激するのは、生の体験や多くの知見に裏打ちされた本物の情報ではないでしょうか。

これだけ濃密な特集記事に加えて、HIU34期上野裕亮さんのブランド立ち上げプロジェクトのインタビューやHIUの各分科会グループの紹介とHIU禁止集も掲載されているのでHIUに入会したばかりの人はもちろん、サロンに長く在籍しているメンバーも周囲にHIUの魅力を伝えるために利用するのにぴったりの一冊です。特集記事の3人を描いた表紙のイラストもお洒落で、カフェや美容院に置いてあっても違和感のない出来栄えです。皆さんのお手元に一冊いかがでしょうか?

https://horiemon.thebase.in/items/29641966

【書評】困難にぶつかっても、見方や考え方を変え、禍転じて福となす。『物の見方、考え方』

f:id:SyohyouBlog:20200619223019j:plain



経営の神様である。著者についての説明は蛇足としかなるまい。
著者の金言は数多い。そのためテーマを絞って改めて編纂し直した書籍も多く出版されているが、本書は著者の連載寄稿を元にしたものであり、長年の会社経営に携わった折々の経験を振り返りながら、学び得た経営哲学を披露している。著者に関する書籍は何冊か読了したが、その中で最も著者を身近に感じ得た書籍である。
その言葉は、意外にも当然といえば当然なことが多い。しかし、その当たり前のことを貫徹することが難しい。何故ならば人間は困難を目の当たりにすると忘我の境に囚われてしまうからだ。

「困難に遭遇した時に私はあまり悲観もせず、その境遇に素直に従ってきたというような感じがするのである。自分はこういう立場に立っているのだから、これ以上何も考える必要はないのではないか。きょう一日を充実してやったらそれでいいのだ、という考え方が無意識のうちにあったような気がする。したがって、そういう場合にも一つもうろたえずにやっていけたのだと思う。」
と著者は言う。
また、仕事に関する心構えについてこの様に述べている。
「社会とともに発展するのだ、あるいは世の中のためになるのだ、という考え方を持つことである。そして自分は社会を発展させる一人の選手である。苦労と考えられたものが、働く喜びに変わってきた。つらいことが、うれしい尊いことに変わってきた。したがってむつかしい仕事にぶつかるたびに新しい勇気がわき出て、事業に体当たりしていったように思う。」

松下電器は、高度成長期のモノ不足の流れを上手く掴んだからこそ成長出来たのだ、という時代背景は確かにあったのだと思う。しかし、同じ時代を生きたにも拘らず、滅してしまった会社もまた多い。
「人間の一生を予言するとこはできない。知ろうとしてもわからないことである。しかしわからない範囲においても、こうだという信念をもって、自分自身の道を力強く歩くことを考えねばならない。したがって大きな成功をおさめても、有頂天にならないし、たとえ失敗してもおどろかない。淡々として大道を行くがごとく、処世の道を歩んだところに、希望にかがやく人生が開けると思う。」
時代によって経営環境に変化が生じようとも、経営者として備えるべき資質については差異は大して無い。景気の浮き沈みに負けることなく生き残ってきた経営者の共通項とは、「熱意を持って」「自らの運を疑わず」「決して諦めることなく」「謙虚さを忘れない」ことではないだろうか。

 

物の見方 考え方 (PHP文庫 マ 5-3)

物の見方 考え方 (PHP文庫 マ 5-3)

 

 

【書評】アートの力で生まれ変わる『東京改造計画(第一章)~足立区は「日本のブルックリン」に生まれ変わる~』

f:id:SyohyouBlog:20200619101301j:plain

 

本書では、東京都を改造するための37項の提言がまとめられている。第一章では「経済」をテーマに、著者が実業家目線で考える「東京を経営するとしたら」というとても興味深いものだ。

本書評では、評者が興味を持った提言の一つ「足立区は「日本のブルックリン」に生まれ変わる」について取りあげる。ニューヨークでアートと言えば、マンハッタンにあるMETやMoMAグッゲンハイム美術館など、世界的に有名な作品を数多く展示する美術館や博物館をイメージしやすい。

しかし、様々な地域にルーツを持つ人が多く住み、マンハッタンへの通勤も便利で、家賃も安く、オシャレでのどかなアーティスティックなブルックリンの街並みは、アーティストや外国から移住する人にとっても住み心地が良く、世界で最もクールな街にも選ばれた。

評者も何度か訪れたことのあるエリアだが、なんと言っても興味深いのがブルックリン美術館だ。ニューヨークではMETに次ぐ巨大な美術館であるが、ユニークなテーマで度肝を抜く斬新な作品が数多く展示され、マンハッタンにある美術館とは、また違った個性ある面白さがとても魅力だ。

また、ブルックリンのみならずニューヨーク全体で、世界のトップランクの芸術に誰もが気軽にふれやすい環境が整っているところも素晴らしい。例えば誰もが無料で参加できるアメリカ5大オーケストラの一つニューヨークフィルハーモニックのコンサートや、多くの美術館や博物館に無料で入場できる取りくみ。

また過去には、入場料にはドネーション制が導入され、お金に余裕のある人は、美術館維持のために多額の入場料を支払い、学生やアーティストを目指す人々は、わずかな金額で繰り返し芸術性を高めることが容易にできる。

さらに、オペラの観劇などは富裕層の楽しみと一見思われがちだが、学生は舞台からかなり近いサイドボックス席でも格安で観劇することができ、多くの有名作品を知るきっかけともなる。

著者の提言によると、東京都でも公営の施設や土地を利用し、ブルックリンのようなアートな街づくりが可能だと言う。日本で生まれた世界的芸術は数多くあれど、まだまだ日本人にとっての芸術は、それほど身近ではないと感じる。

著者の掲げる提言のように東京都にもブルックリンのようなエリアができれば、アーティストという立場も、海外のように立派な職業として認められることにもなるだろう。

アートの力で、東京都のエリアをブルックリンのようなオシャレで画期的な街に生まれ変わらせることができる。評者もそう考える。

 

東京改造計画 (NewsPicks Book)

東京改造計画 (NewsPicks Book)

 

 

【書評】男女が長期的に良い関係を築くには『~働き方、そして生き方をデザインする~SALON DESIGN Vol.7』

f:id:SyohyouBlog:20200619100414j:plain

本誌は、堀江貴文イノベーション大学校(HIU)の面白味や楽しさを伝えるために作られた季刊紙である。既に本誌で7冊目となり、今回は最前線の女性特集だ。

まず最初に紹介されるのは、女性の生理用品に関するプロジェクトを行うハヤカワ五味氏との対談だ。日本では、生理に関する話しはタブーのような雰囲気があり、そのような状況から男性は知らないことがとても多く、またそれを女性に聞くこともなかなか難しい。

また、女性同士でも理解できないことはある。例えば、女性用トイレでよく耳にする「持ってない?」というものだ。生理は毎月のことであり、事前に生理用品を準備しておけば、そんなことは回避できることなのに、なぜみんな準備しようとしないのか、いつも疑問に思う。

そんなたわいのないことも含めて、少なくともパートナーとは、お互いのためにもきちんと話し合った方がいいだろう。もちろん女性も男性について知らないことは多いはずだ。

縁あって出会った人同士、今後も長期的に相手を大切に思い、良い関係を築いていきたいと思うのなら、当然のことだ。そもそも、聞きたくても聞けないような間柄であるのなら、男女がパートナーとしての関係を維持して行くことはなかなか難しいものになる。

本誌を読むことにより、男女がお互いのことを知るための良いきっかけとなるだろう。

https://horiemon.thebase.in/items/29641966