HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】ロゴデザインの効果を最大限に発揮させるための教科書『ブランディング・ファースト』

 

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ブランディングという言葉を聞くと多くの人は商品ロゴやデザインを1番に思い浮かべるはずだが、ロゴや惹きつけるデザインだけがブランディングじゃない。
未来では今まで見たことがない新しい考えのもとで構成されるということを本書で噛み砕いて解説してくれています。

気付けばドラッグストアの上座的位置を占拠した有名ブランドがある。
そのブランドは大手企業が打ち出した製品ではないが、数ある製品を差し置いてドラッグストアの神席を押さえた。
そんな内容を事例として私達が良く知るブランドを中心的に載せてくれているから、理解がしやすい。
ブランド力=企業の大きさではない事をわかりやすく解説してくれています。

そして今多くの企業は理論を重ねたのちにデザイン構築に取り組んでいるが、著者はどちらもバランス良く並行して進める事を勧めています。何故並行して進めるべきなのか、個人でバトンを繋ぐリレーと肩を組み合い立ち向かうスクラムでの例えで考えればはあきらかに強さは違う事が想像させてくれました。そして強さだけじゃなく、ゴールに辿り着けばお終いではないことを読んでいて感じました。

著者である宮村岳志さんはブランディング・クリエイティブ事業をおこないながら、ビデオジョッキーとして多くの世界と関わりをもっている人です。自身が楽しみながら事業も成功させている彼の話は雲の上の話ではないと感じました。
ブランディングとは?と頭の中で疑問ばかりがある人や、自身の作る物やイベントなどを成功させたいと思っている人には是非読み進めて欲しい本です。

ブランディングという本当の意味を理解し、強固なものにすることで、経営者も消費者もハッピーになれる。この本でブランディングの見方が180度変わりました。

 

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

  • 作者:宮村 岳志
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】工藤俊作はLAで生きていた。『新・探偵物語』

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小鷹信光オリジナル作品の続編である。
あれから15年ほど経ったロサンジェルス郊外に、S・クドーは居た。自宅兼事務所の借家へ訪れた日系アメリカ人の若い女性が、「わたしを一週間守ってくれませんか」と依頼を持ちかけるところから物語が始まる。探偵小説として常套的とも言える導入部だ。
或る悲劇をきっかけに再びアメリカへ渡ったクドーは、放浪生活の後、LAの郊外におんぼろな一軒家を借りて住み着いていた。LAの私設調査員でありながら、週のうち3日間はサンタモニカにある法律事務所の雇われ調査員をし、そちらの稼ぎで糊口を凌いでいる。そして、他人と深く関わり合うことを避け続け、目的もなく無為な日々をただ過ごしていた。
法律事務所からの委託で、一年前に起きた現金輸送車強奪事件で奪われた百万ドルの行方を探すチームに、欠員を埋める形で加わることとなったクドーはアリゾナへ向かう。そして強奪事件の関与者たち、バウンティハンター、荒くれ者、ラスベガスのカジノオーナー、国税局、新興宗教団体などの様々な連中が絡み合う。そして、冒頭の日系の美女も事件と関わりを持っていた。
そんな奴らとの立ち回りの最中で、クドーは日系美女を依頼人とするボディーガードに徹することを誓う。幾つもの曲折を経て事件の一切が終わった時、筋目を通し切ったクドーは、かつての様な「本分」を取り戻していた。

本作は、殺人事件を調査してどうこうという様なハードボイルドミステリというよりも、冒険小説という趣きの作品となっている。心情描写は殆ど無いので、それぞれがどういった行動を起こしていくのか展開が読めない中、数多くの登場人物たちが各々の思惑を抱えつつも道中を共に、若しくは追随する展開は、いつ何が起きるのだろうかとなかなかスリリングだ。今回も、著者のしっかりとした筆力で、暴力、銃撃戦、殺人、カーチェイス、そしてささやかなロマンスと、盛り沢山な活劇を楽しめる一冊となっている。
1980年当時、新作の執筆が続くはずだったのだが、工藤探偵をアメリカで活躍をさせたいという作者の構想を編集部が承知しなかった為にお蔵入りしたそうだ。その為に復活までに20年を要したS・クドーである。今や40代半ばとなった探偵には、無気力という以外にもそれなりの変化が伺える辺りも、工藤俊作のファンとしては味わい深く妙味である。

 

新・探偵物語 (幻冬舎文庫)
 

 

【書評】広告費が無い中小企業こそブランディングを『ブランディング・ファースト』

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 本書は、ブランディングの大切さや著者が実際に行っているブランディングの方法論などが他社成功事例を交えながらわかりやすく書かれています。

 中小企業のブランディングが大企業のやり方と異なる点として、意思決定スピード・ターゲットの明確化・大人数の認知ではなく少数でもブランドイメージを持ってもらうことなどが挙げられておりただ闇雲に費用をかけることが重要では無くコツがあることがわかります。

 またブランド力というと外向けの戦略のようではありますが、インナーが重要である点や経営陣の意識改革についてもページを割いているのが印象的でした。

 デザインが大事と言うだけあって、内容をわかりやすくするためにイラストが挿入されていたり、箇条書きにされていたり、「優れたデザイナーの見分け方」「価値は掛け算で尖らせる」などの読み応えがるコラムが7つもあり、最後まで飽きずに読める工夫が随所に施されています。ページ数のフォントもおしゃれでした。

 個人にも活かせる内容だと思うので、経営陣や広報担当者だけではなくブランディングに興味がある人は一度手に取ってみても良いと思います。

 

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

  • 作者:宮村 岳志
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】広告費が無い中小企業こそブランディングを『ブランディング・ファースト』

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 本書は、ブランディングの大切さや著者が実際に行っているブランディングの方法論などが他社成功事例を交えながらわかりやすく書かれています。

 中小企業のブランディングが大企業のやり方と異なる点として、意思決定スピード・ターゲットの明確化・大人数の認知ではなく少数でもブランドイメージを持ってもらうことなどが挙げられておりただ闇雲に費用をかけることが重要では無くコツがあることがわかります。

 またブランド力というと外向けの戦略のようではありますが、インナーが重要である点や経営陣の意識改革についてもページを割いているのが印象的でした。

 デザインが大事と言うだけあって、内容をわかりやすくするためにイラストが挿入されていたり、箇条書きにされていたり、「優れたデザイナーの見分け方」「価値は掛け算で尖らせる」などの読み応えがるコラムが7つもあり、最後まで飽きずに読める工夫が随所に施されています。ページ数のフォントもおしゃれでした。

 個人にも活かせる内容だと思うので、経営陣や広報担当者だけではなくブランディングに興味がある人は一度手に取ってみても良いと思います。

 

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

  • 作者:宮村 岳志
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】今を生きるヒントを見つける。『SALON DESIGN No.07』

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HIU会員が制作を手掛ける小雑誌『SALON DESIGN No.07』
HIUが新時代を楽しく生きるサロンであるのと同様に本書も新時代を前向きに生きていく為の情報が満載だ。

特に印象的なのは個人向けゲノム解析ベンチャーを展開する高橋氏と堀江氏との対談だ。
予防医療は未来軸の話なので、自分事として考えることが難しい。興味を引くには「共感、そして自分事できるストーリーが必要」という話をされていた。

私も今年の3月に著書『税理士試験 この勉強法がすごい(中央経済社)』を出版した。執筆中、担当編集と何度も話し合ったのが読者が「自分でも出来る」と思えるハードル設定だった。
特に合格体験記の場合、良いことや綺麗事を書きがちである。しかし失敗談や著者のハードルを下げることにより読者は親近感を持ち読んでくれる。知らず知らずのうちに「共感」を目標として執筆していたことに気が付いた。
そして「共感」はセールスを始め人が関わる様々なことに応用できるだろう。

「共感」の話題以外にも本書には今を前向きに生きるためのヒントが満載である。
HIUは新時代を前向きに生きるサロンであり本書はHIUを体感できる一冊だ。
もし漠然と今への違和感があるのであれば是非本書を手に取って欲しい。

https://horiemon.thebase.in/items/29641966

【書評】何かをかなぐり捨て、忘れていくことも、大切なのだ。『うつくしい人』

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全然自分のことを見てない、自分にまったく興味のない変な人が、それぞれ勝手に変なことで悩んでたり変なことしてたら。それだけで、なんだか楽になるのかもしれない。

周りのするようにし、周囲から浮かないように、社会からはみ出ないように、「普通」の生活を送る努力をしている主人公、百合。

会社では上司にびくびくしてしまう。高校の頃は周りに合わせて流行を追いかけ、苛めにまで加担していた。今では恋人さえ自分の価値観で選べない。

常に周りの視線が気になり、世界に怯え、自意識でがんじがらめになって、もはや身動きがとれなくなっていた。

そんな中、ある出来事をきっかけに会社を辞めた百合は、雑誌で見た瀬戸内海の島へ一人旅へ行くことを決意する。

そして滞在先のホテルで出会う二人の男。うだつのあがらない四十すぎのバーテンダー坂崎と、金と時間だけは豊富にあるが、男としての魅力が全くない外国人のマティアス。

そんな二人の悩みに一緒に向き合って、というより一緒になって遊んでいるうちに、百合はいつの間にかすっきりと身軽になっている自分に気づく。

なんて簡単な。と読者は思うかもしれない。けれど、思いがけないやり方で誰かに助けられたり、気づいたら胸のつかえがとれていたってことは、結構あると思う。

百合の場合、向ける目線を、自分ではなく他者に変えることで、ふっと肩の力が抜けて、カチカチだった心がほどけていったのかもしれない。

最初は他者をどこか批判的な目で見ていたのが、だんだんと母親のような愛情の目で見ることができるようになっていく。

思うに、人は何かを取り入れようとしすぎるのではないか。自分にばかり目を向けて、常に何かを足していこうとする。そうしているうちに、がんじがらめになって、身動きが取れない状態になる。

吸収すること、身に付けることだけが、人間にとって尊い行為なのではない。何かをかなぐり捨て、忘れていくことも、大切なのだ。

 

うつくしい人 (幻冬舎文庫)

うつくしい人 (幻冬舎文庫)

  • 作者:西 加奈子
  • 発売日: 2011/08/04
  • メディア: 文庫
 

 

【書評】HIUメンバー作成のクールな小雑誌『SALON DESIGN No.7』

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 HIUの編集学部(HIU会員なら誰でも参加できる)が定期的に作っている小さな雑誌です。ホリエモンの対談の内容やプロジェクトを成し遂げたHIUメンバーへのインタビュー、各学部、分科会の活動内容が載っています。

 濃密で貴重な対談内容が【明文化】されているため、動画で見るより、頭に入ってきます。今回の場合、「物事を世間に広めるためには、共感するストーリーが必要」という部分が印象に残りました。行動する人はみな広めたい何かを持っていると思います。

 また、本書では、HIUに入って、ノリでプロジェクトメンバーになり、ファッション製品プロデュースを成し遂げた方のインタビューがあります。
 これは、HIUで人生変わった方の一例です。プロジェクトメンバーが急に消えたり、工場に電話しまくったりなど、人生を変えた話が読めます。ノリで始めて、最後までやりきると、一皮剥ける、ということを教えてくれるエピソードです。本人と話をしてみたい!

 この雑誌の表紙の第一印象は、「おしゃれ、かっこいい」でした。見た目、構成がかっこいいです。こういうのは、とても重要。もちろん中身がいちばん大事ですが、見た目も絶対必須なポイントだと思います。

 総じて、HIUさすがだなぁ、と感じました。興味の湧く話題・人、学部・分科会の多さ、デザインのスタイリッシュさ。Webではなく、雑誌で見ると、入ってくる印象が違います。少しでも気になるなら、ご一読を。

https://horiemon.thebase.in/items/29641966

【書評】モノであふれる現代において、どうしたら選ばれるか、時間を使ってもらえるか。すべてはブランディング次第だ。『ブランディング・ファースト』

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この本は、「変化の時代で企業が生き残るために、ブランディングが最も重要である」と断言する著者が、すべての経営者に向けて書いた、ブランディングを確立するためのルールブックになります。

ブランディングとは単なる広告戦略ではありません。いいブランディングは、企業の柱となって社内へ世界観を浸透させていく。次第に社員の満足度が上がり、その姿に惹かれた客が集まってくる。社員のもたらす体験や企業の世界観に魅了され、客はファンへと変わっていく。ブランディングとは、正真正銘の経営戦略なのです。

私にも、楽しそうに働く社員を見て、こんな素敵な会社で商品を買いたいなと思ったことがあります。企業の価値は品質だけでなく、商品の背景にある企業の思いや物語からも生み出されるとは、まさにその通りだなと感じました。

本書は経営者や経営企画担当の方はもちろんのこと、私みたいな一般人にもオススメです。自分の好きなブランドが、なぜ好きなのか、理由をはっきりと説明できるようになりましたし、まんまとその企業の戦略にハマっていたことに、少しの恥ずかしさと興奮を覚えたからです。きっと私だけじゃないはず。

モノにはすべて理由がある。客がどのように感動し、どの部分に共感してもらえるよう設計しているのか。そういった目線で企業を見てみるのも面白いかもしれないですね。

 

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる

  • 作者:宮村 岳志
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

【書評】誰も知らなかった探偵の過去が明かされる。『赤き馬の使者 探偵物語Ⅱ』

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小鷹信光著の「探偵物語」シリーズの第二弾である。
前作から約四ヶ月後。舞台は北海道。一仕事を終えた私立探偵 工藤俊作が、札幌のホテルの部屋へ戻った途端、3人の暴漢に容赦無く痛めつけられ意識を失くすところから物語は始まる。一日半後、病院のベッドの上で目覚めた工藤は、終えたばかりの調査の記憶を遡る。依頼の理由も、さらには依頼人自体の身元も不明なまま引き受けた謎多き仕事の内容は、東京から北海道の片田舎、鹿討町へ赴き、そこで暮らす在る人物の調査をすることだった。
「鹿討に、二度と顔を出すんじゃないぞ」という襲撃者が言い残した警告は、却って手負いのハンター犬に次の目的地を教えてくれた。退院した工藤は鹿討町へ舞い戻る。それは貸し借りにはケリをつけなければ前には進めないというハードボイルドのルールに従うものだ。そして、釧路、帯広など北海道の各地を舞台に拡げながら、幾度も死に目に遭い続けるスリルとアクションに満ちた物語が流暢な語り口で展開していく。さらに、やがて事件は工藤自身の過去にまで関わってくる・・・。
恐らく著者は、第一作目の執筆時点で既にこの作品の着想を得ていたに違いない。益々テレビドラマ版とはかけ離れていってしまうが、一人の頑迷な男の物語としてこの連作は実に愉しめる。
前作よりもタフに、スリリングに、テンポ良く、切れ味鋭い筆力で一気に読ませてしまうのは、著者が乗りに乗って書き上げた証左だ。結末を1920年代のハメットやチャンドラーの時代から引き継いだ様な伝統的ともいえる探偵小説のそれに沿わせているのも誇らしい。
断っておくが、本書は単なる暴力小説ではない。優れたプロット、構成を下地とした古典的なハードボイルドの作風を漂わせた、貴重にして純粋な日本製の探偵小説の名作の一つだ。
この二連作の後、時を経て工藤俊作の物語は復活する。だが、それには20年程の時間を要するのだ。それは小説家としての小鷹信光の活動とイコールとなる。著者が生涯を通じて工藤俊作を主人公とする小説しか書かなかった理由は知る由もないが、兎にも角にもミステリーファンは優れた探偵小説作家の次なる創作を長年待たねばならなかったのだ。

 

 

【書評】クローズドコミュニティの中身を知りたければこれを読め!HIU雑誌『SALON DESIGN No.07』

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定例会、HIU有名人、学部・分科会・支部での活動が一冊の雑誌にまとめられている。

HIUで活躍している人にインタビューする新企画では、普段建築系のお仕事をされている上野 裕亮さんがファッションブランド「GRATIFY」を立ち上げたきっかけ、モノ作りの難しさを語っている。
https://gratify.stores.jp

表紙をめくると、HIUメルマガ編集部のかわいいイラスト!HIU書評ブログの記事ではPVランキング、推し本など視覚が喜ぶ構成になっている。

本書の目玉「最前線女性特集」で紹介されるハヤカワ 五味さん、高橋 祥子さん、村中 璃子さんを描いた表紙は電子版だけでなく紙版も手元に置いておきたくなるデザイン!

インタビュー、イラスト・構成、表紙デザインだけでなく撮影、文などもHIUメンバーを中心に作られたHIUそのものを体現する雑誌である。

https://horiemon.thebase.in/items/29641966