この本は、「変化の時代で企業が生き残るために、ブランディングが最も重要である」と断言する著者が、すべての経営者に向けて書いた、ブランディングを確立するためのルールブックになります。
ブランディングとは単なる広告戦略ではありません。いいブランディングは、企業の柱となって社内へ世界観を浸透させていく。次第に社員の満足度が上がり、その姿に惹かれた客が集まってくる。社員のもたらす体験や企業の世界観に魅了され、客はファンへと変わっていく。ブランディングとは、正真正銘の経営戦略なのです。
私にも、楽しそうに働く社員を見て、こんな素敵な会社で商品を買いたいなと思ったことがあります。企業の価値は品質だけでなく、商品の背景にある企業の思いや物語からも生み出されるとは、まさにその通りだなと感じました。
本書は経営者や経営企画担当の方はもちろんのこと、私みたいな一般人にもオススメです。自分の好きなブランドが、なぜ好きなのか、理由をはっきりと説明できるようになりましたし、まんまとその企業の戦略にハマっていたことに、少しの恥ずかしさと興奮を覚えたからです。きっと私だけじゃないはず。
モノにはすべて理由がある。客がどのように感動し、どの部分に共感してもらえるよう設計しているのか。そういった目線で企業を見てみるのも面白いかもしれないですね。