HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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ライター:Masanori Kabutoya

【書評】美しい自然と孤独の中に生きる「湿地の少女」 - 『ザリガニの鳴くところ』

皆さんこんにちは。ディーリア・オーエンズによる「ザリガニの鳴くところ」は、自然の美しさと厳しさ、人間の孤独と強さを繊細に描き出した作品です。1950年代から1960年代のノースカロライナの沼地を舞台に、家族に捨てられ、社会から孤立した少女、カイア…

【書評】消費者の心を読む戦略的価格設定 - 『価格の心理学』

皆さんこんにちは。本日ご紹介するのは『価格の心理学』という本です。この本は、消費者の心理を活用した価格戦略について解説しており、ビジネスを成功に導くために重要な手法を教えてくれます。 価格は相対的まず、この本が強調しているのは、価格は相対的…

【書評】顧客を中心に据えた未来へ - ジョン・グッドマン『顧客体験の教科書』から学ぶCXの革新

皆さんこんにちは。ジョン・グッドマンの「顧客体験の教科書」を読みました。最近よく耳にするビジネステーマの一つ、顧客体験(CX)に焦点を当てた書籍です。著者は、「グッドマンの法則」で知られるコンサルタントであり、独自の市場調査からCXの力を解き…

【書評】安部公房『鞄』- 教科書に載る価値ある一作 (東京書籍 文学国語(文国701)より)

皆さんこんにちは。高校生の娘から「文学国語」の教科書に載っている面白い話があると聞き、安部公房の短編『鞄』を読む機会がありました。この作品は、その不思議な雰囲気と深いテーマ性で、短編ながら非常にインパクトを受けました。 『鞄』は、主人公であ…

【書評】時空を超える冒険 - 『年表で読む荒俣宏の博物探検史』

皆さんこんにちは。今回は「年表で読む荒俣宏の博物探検史」についての感想をシェアしたいと思います。 この本は、歴史に名を刻んだ探検家たちの冒険を年表形式で追っています。タヒチやポリネシア諸島の発見、領有権の争い、珍獣の発見、世界一周航路、北極…

【書評】スターバックス成功の秘訣 - 顧客体験を中心にしたブランド戦略の力『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』

皆さんこんにちは。ディスカバー・トゥエンティワンから出版された「スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?」は、ブランディングと価格戦略の観点から、スターバックスがいかにして業界の慣習に挑み、独自の強いブ…

【書評】ブランドの力を解き放つ - 『ブランド論』深掘りレビュー

皆さんこんにちは。最近、私の中でも重要なテーマとなっている「ブランディング」。今日は、ブランドの価値をどのように理解し、その力を最大限に発揮させるかについての一冊、デービッド・アーカーの「ブランド論」についてお話ししたいと思います。ブラン…

【書評】AIの未来を紐解く - 西垣通『AI原論 神の支配と人間の自由』

皆さんこんにちは。本日は、西垣通さんの著書「AI原論 神の支配と人間の自由」について考察します。この本は、AI(人工知能)の基本的な理論や概念を解説しており、西垣さんの深い洞察力と広範な知識が詰まっています。西垣さんはエンジニアとしての実務経験…

【書評】紀田順一郎『東京の下層社会』- 過去からのメッセージ、そして今につながる思索

紀田順一郎の『東京の下層社会』は、近代日本が急速な発展を遂げる中で生まれた社会経済的弱者、特に極貧階層の生活に光を当てたルポタージュ作品です。この本を通じて、紀田は、明治時代の東京におけるスラムの悲惨な状況、もらい子殺し、娼婦や女工への恐…

【書評】爽やかな風に乗って、落語の世界へ - 『おあとがよろしいようで』

東京の大学に入学したばかりの主人公が、偶然の出会いをきっかけに落語研究会に足を踏み入れる――そこから始まるのは、ただの大学生活ではなく、自己発見と人間関係の構築、新たな世界への旅立ちの物語。喜多川泰さんの『おあとがよろしいようで』は、そんな…

【書評】 無欲の「極楽殿」尊氏の道 - 『極楽征夷大将軍』

皆さんこんにちは。第169回直木賞を受賞した垣根涼介の『極楽征夷大将軍』を読みました。本作は、足利尊氏を主役に据え、彼の波乱に満ちた生涯を通じて、鎌倉時代後半から室町時代へと移り変わる日本の歴史の一端を描き出しています。 足利尊氏は、傍系に生…

【書評】 無欲の「極楽殿」尊氏の道 - 『極楽征夷大将軍』

皆さんこんにちは。第169回直木賞を受賞した垣根涼介の『極楽征夷大将軍』を読みました。本作は、足利尊氏を主役に据え、彼の波乱に満ちた生涯を通じて、鎌倉時代後半から室町時代へと移り変わる日本の歴史の一端を描き出しています。 足利尊氏は、傍系に生…

【書評】視覚で楽しむ科学の扉: - 『14歳からのニュートン超絵解本』

皆さんこんにちは。先日、手に取った一冊がニュートン編集部による「14歳からのニュートン超絵解本 超ひも理論」でした。若年層向けとされているこの本ですが、大人が読んでも十分に楽しめる内容でした。視覚的な解説が魅力この本の最大の魅力は、絵がかなり…

【書評】シリコンバレーと中国の覇権争いと日本企業の挑戦 - 『テクノロジーの地政学』

皆さんこんにちは。近年、テクノロジーの進歩は多様な産業を変革し、ビジネスの競争原理そのものを変えてきました。この現象は「ソフトウェア経済圏」と呼ばれ、これが現代の産業地図を書き換えています。その中心には、シリコンバレーと中国が位置していま…

【書評】感覚の彼方へ - 視覚障害者の世界観を探る  『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

皆さんこんにちは、この本は視覚障害者の視点から世界を見る方法を探求しており、その中で多くの興味深い視点と洞察を提供してくれます。例えば・・・ 服の選び方視覚障害者が服を選ぶ方法は、視覚に頼ることができないため、触感や形状、素材感など他の感覚…

【書評】 富と幸福への現代ガイド - 『シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント』

皆さんこんにちは。今日は、起業家、エンジェル投資家、そして哲学者であるNaval Ravikantの知恵が詰まった本、"シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント"についてお話ししたいと思います。 この本は、Naval Ravikantのツイート、ポッドキャスト…

【書評】古代の謎に迫る - 『ストーンヘンジ 巨石文明の謎を解く』

皆さんこんにちは。この本は、ロビン・ヒースによって書かれたもので、ストーンヘンジとその周辺の巨石文明について探求しています。ストーンヘンジが「暦」が組み込まれた壮大な祭祀装置であることが、1970年代以来徐々に解明されてきました。しかし、今も…

【書評】ビール愛好家のための究極のガイドブック - 『死ぬまでに飲みたいビール1001本』

皆さんこんにちは。最近はマイクロブルワリーとして独自のビール(クラフトビール)を造る醸造所が増えてきました。今日はビールの魅力を存分に伝える書籍、「死ぬまでに飲みたいビール1001本」をご紹介します。 深い歴史、広がる世界 ビールの歴史は古代メソ…

【書評】礼儀正しさの真価 - 諏内えみ『育ちがいい人だけが知っていること』を巡る批判的考察 

2020年に発売され、一部で話題となった諏内えみの『育ちがいい人だけが知っていること』は、話し方、食べ方、ふるまい、お付き合いの心得など、'育ちのいい人'にとっては当たり前だとされるマナーと常識を250項目にわたり解説しています 。しかし、その内容…

【書評】逃げ場のない絆 - 『母という呪縛 娘という牢獄』

皆さんこんにちは。齊藤彩によって著されたノンフィクション『母という呪縛 娘という牢獄』は、一人の女性が母親によって課された過酷な期待と、それに伴う心理的・物理的な束縛、そして不幸な結末を淡々とリアルに描写しています。幼い頃から医学部への進学…

【書評】伊藤雅俊『商いの道』 - 時代を超えるビジネスの教訓

みなさんこんにちは。イトーヨーカドーグループの創業者、伊藤雅俊さんの『商いの道』は、ビジネスの心臓部に迫る洞察と知恵が詰まっていて、現代の経営者や起業家、そしてビジネスにちょっとでも興味がある人におすすめのビジネス書です。 戦後の焼け野原か…

【書評】縄文時代の謎に迫る、『縄文人も恋をする!?』

この本は山田康弘氏による興味深い著作で、縄文時代の人々の生活、文化、そして恋愛観に迫ります。私などは縄文時代と聞くと、火焔式土器や遮光器土偶くらいしか思い浮かびません。しかし、本書はこれらの遺物だけでなく、DNA解析など最新の科学的手法を通じ…

【書評】恐怖の爪痕: 『羆嵐』に見る自然の猛威

こんにちは皆さん。先日、映画『ゴールデン・カムイ』を見てきました。明治時代の北海道を舞台としたストーリーです。そこで今日は以前読んだ本、『羆嵐』についお話しします。 自然の中には、我々人間が理解し、制御することのできない力が存在します。それ…

【書評】『勁草』から「BAD LANDS バッド・ランズ」へ - 原作と映画の違いを探る

みなさん、こんにちは。今回は、黒川博行さんの小説「勁草」と、それを基にした映画「BAD LANDS バッド・ランズ」の違いについてお話ししたいと思います。 原作「勁草」の物語:「勁草」の物語は、振込め詐欺グループの手下として働く主人公の日常から始まり…

【書評】 - 創造性を解き放つ古典的ガイド『アイデアの作り方』

アイデア創出のプロセスについて考察したジェームス・W・ヤングの「アイデアの作り方」は、アイデア生成のための具体的なステップを提供し、創造的思考におけるマスターピースと呼ぶにふさわしい一冊です。 既存知の再構築 ヤングは、アイデアがゼロから生ま…

【書評】予想を裏切るSF世界への招待 - 柞刈湯葉『まず牛を球とします。』

みなさんこんにちは、今回は柞刈湯葉による奇想天外なSF短編集「まず牛を球とします。」を紹介します。このタイトルを見て、数学や物理の深い話かと思いきや、実は全く違う内容が待っていました。タイトルの秘密「まず牛を球とします。」という言葉からは、…

【書評】予想を裏切るSF世界への招待 - 柞刈湯葉『まず牛を球とします。』

みなさんこんにちは、今回は柞刈湯葉による奇想天外なSF短編集「まず牛を球とします。」を紹介します。このタイトルを見て、数学や物理の深い話かと思いきや、実は全く違う内容が待っていました。タイトルの秘密「まず牛を球とします。」という言葉からは、…

【書評】 - 東野圭吾の『マスカレードホテル』 - 謎と人間ドラマの見事な融合

マスカレード・ホテル (集英社文庫) 作者:東野 圭吾 集英社 Amazon 皆さんこんにちは。東野圭吾の「マスカレードホテル」を読みました。この物語は、連続殺人事件の捜査のために、一人の刑事が高級ホテルのフロントスタッフに扮して潜入するところから始まり…

【書評】 - 『四神の旗』藤原家の運命を継ぐ四兄弟の物語

皆さんこんにちは。今日紹介する馳星周の「四神の旗」は、以前紹介した「比ぶ者無き」の続編として、日本の古代史を背景にした藤原家の物語を描きます。前作の主人公である藤原不比等の死後、彼の四人の息子たちが藤原家の運命を継ぎます。 四兄弟、異なる道…

【書評】市場シェアを解き明かす - バイロン・シャープの『ブランディングの科学』に学ぶマーケティング戦略

皆さんこんにちは。マーケティングの世界は常に進化しており、新しい理論やアプローチが次々と登場しています。そんな中、バイロン・シャープの『ブランディングの科学』は、従来のマーケティング理論に一石を投じる内容となっています。本書は、ブランド構…