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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】スターバックス成功の秘訣 - 顧客体験を中心にしたブランド戦略の力『スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?』

皆さんこんにちは。ディスカバー・トゥエンティワンから出版された「スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?」は、ブランディング価格戦略の観点から、スターバックスがいかにして業界の慣習に挑み、独自の強いブランドを築き上げたかを解き明かす一冊です。当時、価格競争に陥っていた米国コーヒー業界の中で、スターバックスはどのようにして差別化を図り、成長を遂げたのでしょうか。今日は、本書から学べる重要なポイントをいくつか紹介します。
 
スペシャリティコーヒーという「新しいカテゴリー」
スターバックスの成功の鍵は、単に新しいブランドを立ち上げたのではなく、「スペシャリティコーヒー」という全く新しいカテゴリーを創出したことにあります。これにより、消費者はスターバックスを単なるコーヒーショップとは異なる、特別な体験を提供する場所として認識するようになりました。
 
ブランド・マネジメントは「評判管理」
スターバックスは、ブランド・マネジメントを単に製品の宣伝以上のものと捉え、評判管理の一環としています。これは、ブランド資産とブランド負債のバランスを保ち、持続可能なブランド価値を構築する戦略です。
 
顧客体験が最優先
スターバックスは、顧客の体験そのものを最も重要なマーケティング活動と位置づけています。価格を下げるのではなく、顧客体験に注力することで、ブランドの価値を高めています。日本でいう「一期一会」の考え方ですね。
 
スタバの6つの暗黙ルール
スターバックスマーケティングプログラムには6つの暗黙ルールがあり、ブランドの核となる価値観を反映しています。これらのルールに従うことで、スターバックスは一貫してブランドイメージを保ち、顧客との信頼関係を築き上げています。例えばその中の一つ「消費者のインテリジェンスを尊重する」スタバはトール→Mやグランデ→Lとの標記はしません。顧客は最初は戸惑いますが、一度注文すればスタバの一員になったような気持ちになります。
 
誠実な顧客接点
スターバックスの成功の根底には、誠実にお客様に接し続けることへの強いコミットメントがあります。これにより、スターバックスは強いブランドを築き、顧客からの信頼と支持を獲得しています。
 
スターバックスの事例は、ブランディング価格戦略において多くの教訓を提供してくれます。顧客体験を中心に置き、価格競争に走ることなくブランド価値を高めることの重要性を示しています。