経営者、個人事業主、SNSで影響力を持ちたい人へ。
これは経営者に向けて、企業のブランディングとデザインの重要性を説いた本です。
ブランディングを通じて経営者の「強い思い」や企業の「理想像」を明確にすることができ、顧客から選ばれ、従業員の行動もブランドに沿ったものになる。
時間はかかるが、一過性の経費ではなく企業の資産になるブランディングをまず最初にやるべきだという趣旨です。
ブランドを体現するデザインの価値についても言及されています。ブランディングの理論や方法論は理解しても、最終的に社会へブランドの本質が伝わるかどうかはデザインにかかっていると。経営学修士(MBA)よりも美術学修士(MFA)のほうが給与も待遇も良くなっている、という話もあるそうです。
コラムに「優れたデザイナーの見分け方」が書いてありました。
デザイナー自身にデザインの意図を説明してもらうのです。なぜこの色なのか、なぜこのフォントなのか、なぜこの線はこの太さなのか。そして、「このデザインで一番伝えたいことは?」という本質を問いかけることで、明確な意図を持ってデザインしているかどうかわかります。真に優れたデザインには「偶然」はないのです。
ブランディング・ファースト。つまり「あなたの本質はなんですか?」を問い、徹底的に考え、伝わるデザインに落とし込む。
企業経営だけでなく、SNSで発信するすべての人にとって重要なことだと思いました。
私は何に関心があり、どんな生き方をしたいのか、誰の役に立ちたいのか、どんな人とつながりたいのか。
ブレない軸としてのブランドを確立し、アイコン、写真、テキストなどすべてのアウトプットがブランドを反映したデザインであるか。
セルフ・ブランディングにも役立つ本でした。
ちなみに、著者の宮村岳志さんの経営する(株)グロウ・リパブリックのサイトを訪れると、非常にアーティスティックな動画を見ることができます。ひとつひとつのアイテムにどんな意図があるんだろう?と考えながら見ると面白いです。