HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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ライター:浅野智

【書評】すべての歌はラブ・ソングである! そして限りある者のみが愛について歌い、語る資格を持つ。『LIVE! オデッセイ』

漫画原作者である狩撫麻礼には、幾つかのテーマが苔の様にこびりついている。ボクシング、ジャズ、ブルース、レゲエといった音楽、そして遁世。或る日、行方をくらましていた男が突然帰ってくるというパターンは少なくない。本作もその一つである。インディ…

【書評】俺は誇りもなく、かわりに絶望もないこの稼業を今後も続けるつもりである。転職は思いつかない。『ハード&ルーズ』

狩撫麻礼の追悼本『漫画原作者・狩撫麻礼 1979-2018 《そうだ、起ち上がれ!! GET UP . STAND UP!!》 』を読んで、まんまと沼に入り込んでしまった私。何十年振りかに狩撫麻礼原作の漫画を、まあまあ大体昔読んだ順に読み出した。まず、『青の戦士』だが、こ…

【書評】感動してしまったら人は容易に道を踏み外す。『漫画原作者・狩撫麻礼 1979-2018 《そうだ、起ち上がれ!! GET UP . STAND UP!!》 』

私にとって、彼の作品との出会いは衝撃を通り越して、って言うか、なんと言っていいか分からない位のものだった。狩撫麻礼、漫画原作者である。この名前、”かりぶまれい”と読む。カリブ海とボブ・マーレイを合わせたペンネームだ。初めて読んだのは、谷口ジ…

【書評】我流で撮影しても拡散しないという人へ。『ビジネスに役立つ 教養としての映像/動画』

動画活用は必須の時代。こういう本は読んでおいて損は無かろうと思い手にした。本書では、映像、動画に関わる知識を身に付けることでビジネスに転用することも出来ると言っている。例えば、メッセージの込め方、オチのテクニック、話術の基本は緊張と弛緩で…

【書評】イマドキ読むにはキツイかもしれないが、当時はそらもうビックリしたわ。『ショート・ピース』

その頃、中学生だった私にとって、大友克洋という漫画家の登場は革命的であった。その絵、その表現方法等は、漠然と漫画家を志していた私にとんでもないショックを与えたのだった。 『ママとあそぼう!ピンポンパン』の酒井ゆきえお姉さんが好きなタイプで…

【書評】3つのツボで発音の苦手意識とGood bye!『サクッと使いこなせる英語フレーズ25選・飲食店編: 短い接客フレーズでお客さまに好印象!』

タイトルにある様に、まさにサクッとした感じで楽しく読めた。語り口もフレンドリーで読み易いし、こういうケーススタディって、”ほほう”とか“なるほど”っていう風に興味をそそられるので、どんどん読み進めちゃうのだ。著者はイギリスとオーストリアからの…

【書評】意外な感動作もあるんザンス。『おそ松くん』

「面白い奴がいるんだよ」そう言って、タモリを世の中に押し出したのは、これでいいのだ赤塚不二夫だったということを覚えている人も、今やそう多くもいないだろう。シェー!ま、そんな”へぇ情報”は良いとして、ところで、これでいいのだ赤塚不二夫というと…

【書評】無頼、豪胆、海と南国の冒険活劇。『サムライ・ノングラータ』

矢作俊彦と司城志朗共著の長編小説の第三作目であり、元は、1984年に刊行された『海から来たサムライ』という作品であったが、著者自ら大幅に手を入れ改作したらしい。どういう作業を以て共著となっているのか。凄く気にはなるのだが良く分からない。ともあ…

【書評】ベテラン漫画家の驚愕必至な新境地。『トリリオンゲーム』

私は、少年時代から青年時代になるまでの間、かなりの漫画野郎だった。だが、広く浅くというよりは、好き嫌いは激しいタイプであった。で、特別好きだった何人かの漫画家の一人が池上遼一であった。彼の漫画を初めて読んだのは、恐らく『日本版スパイダーマ…

【書評】感情を知ったアンドロイドは、人類に何をもたらすか。『装甲騎兵ボトムズ equal ガネシス』

『装甲騎兵ボトムズ』を冠にしているが、御本家とは殆ど関係無いのが本作。同じくしているのはその舞台くらいで、共にアストラギウス銀河を活躍の場としている。一方、時代はテレビシリーズから約300年後なのだから、幾ら異能者のキリコ・キュービィーといえ…

【書評】むっちゃリアルな上にクソ真面目なことこの上ないロボットアニメ。『ガサラキ』

ガサラキおじさんという人種がいるらしい。この書評を書くに当たって、改めてWeb検索した際に知ったことだ。どうやら、SNS界隈でリアルロボット路線の話になると、「ガサラキはいいぞ」と言い出すのがその習わしらしい。その『ガサラキ』とは、1998年10月4日…

【書評】60歳のいまが一番、自分史上最高。『いつまでも動ける。 』

著者が・・・なんて書くとなんとなくそぐわない。SAMさんが、そう、TRFの、そうそう、Yeh, yeh, yeh, yeh, yeh, Wow, wow, wow, wowのSAMさんだ。そのSAMさんが、初めて加齢による変化を感じたのは47歳を超えた辺り。瞬発力やキレがガクンと落ちたと感じたの…

【書評】理想の暮らし方、理想の働き方を追求することがライフワーク。『シンプリスト生活』

著者は、デザインとエンジニアリングを学び、会社員として商品企画、プロダクトデザイン、プロモーション映像の制作などをしている。一方、登録者数20万人を超えるYouTubeチャンネル「Tokyo Simple Life」では、「より小さく、より豊かに暮らす」をテーマに…

【書評】そんなものは、ありゃあしないんだ。『ららら科學の子』

矢作俊彦というのは器用な作家である。そのテーマというのか、趣旨とでもいうのかによって、作品毎に文体を書き分けてみせるということが出来るのだ。本作では、19歳の時に中国に密航したが、文化大革命、下放を経て三十年振りに日本に戻ってきた男が主人公…

【書評】人は期待された通りに成果を出す。『国際エグゼクティブコーチが教える 人、組織が劇的に変わる ポジティブフィードバック』

国際エグゼクティブコーチである著者には、この仕事を始めて驚いたことがあると言う。「上司がフィードバックをくれない」というお悩みの相談がとても多いのだそうだ。で、その人達がどういう状態に陥るのかと言うと、「これで良いのか?」「求められている…

【書評】失意のどん底にいた私を変えた。『プラスワン思考』

プラスワンとは、「もう一つ」「もう一回」「もうひと工夫」といったプラスアルファの意味合いであり、プラスワン思考は、そういった心構えだと言う。 著者は歯科医院の院長先生。進路について考えた高校時代に、サラリーマンという選択は無かった。会社の歯…

【書評】DXの真の意味は、変容・変革することにある。『DX CX SX』

世は万物流転。「ビッグデータ」と言う言葉が散々喧伝されたのは2010年代前半のこと。一昔前だ。兎に角、何かの役に立つかもしれないからデータは採っておけ。そういう「何がなんでもIOT」と言う時代は過ぎ去った。「データ主導」ではなく、目的ありきのデー…

【書評】地方でビジネスを行なう上での哲学。『新ローカルベンチャー経営』

昔からその土地で商売をしている。地元のつながりが強い。周りの商売事情が気になる。目立たなくてもコツコツと続けている。ローカルビジネスというと、上記の様なイメージではなかろうか、と著者は言う。地域の活性化を図り、地方ならではの盛大なイベント…

【書評】或るアニメーターが想い描いた豊穣の混沌。『モザイカ』

あ、『太陽の牙ダグラム』や『装甲騎兵ボトムズ』などのアニメ作品の高橋良輔監督が書いた小説だ。しかも、表紙や挿し絵のイラストレーションを監督とのコンビ作も数多い塩山紀生が描いているのかぁ。相変わらずの蜜月振りのお二人だことよ。と、それだけの…

【書評】爆発的な営業成果を実現する?『トップセールスのSNS営業術』

著者は、「営業しない営業マン」を自称し、大手カード会社でトップセールスを誇る営業マン。その武器はSNS。かつては、ノルマに縛られ、懸命にロープレを行ない、残業当たり前で、お客様を追いかけ、お願いしまくっていた著者が、今では「営業しない営業マ…

【書評】偉大な人々はどう逆境を乗り越えるか。『世界を変えた31人の人生の講義』

全米ベストセラーの日本語版なのだそうだ。有名な経済メディアであるブルームバーグの対談番組の書籍化であり、登場するのはいずれも成功者と言われる面々だ。番組の進行役であり、本書の著者であるルーベンシュタイン氏は、弁護士業から始まり、カーター政…

【書評】ドライのギブソンをダブルで。『舵をとり風上に向く者』

初出が1986年。まだ、著者である矢作俊彦が、概ねに於いてハードボイルド作家として扱われていた頃合いであろう。ただ、この短編集に於いては銃にも暴力にも出番は無い。有るのは、端正な文章と、小気味の良いセリフと、上品さ、それから車だ。14作の短編た…

【書評】進化心理学で人間関係の謎を解く。『いい人なのに嫌われるわけ』

人類史上最も長かった時代はいつか。実は、狩猟・採集がそうなのだと言う。なんと九割以上に当たるのだそうだ。当然、ヒトの脳の九割以上もこの時代に形成されたことになる。この時代、狩猟に適する為には、個体での生活から、互いに協力する様式へと変化す…

【書評】目指したのは「脱ホテル」。『レクサスオーナーに愛されるホテルで学んだ 究極のおもてなし』

正直言って、昔はともかく、現代に於ける国産自動車メーカーのことを私はあまり高評価していない。日産自動車は、経営が危うくなってヘルプを求めておいて、いざ上手くいきだした途端にルノーを邪魔者扱いしだし、カルロス・ゴーン諸共排除しようとして墓穴…

【書評】オタキング岡田斗司夫氏の言う通りだったわ。『風の谷のナウシカ』

本書は、アニメ作家 宮崎駿による漫画作品である。アニメ雑誌の草分け的存在である月刊誌アニメージュに連載していたものだ。連載開始当時、宮崎駿はアニメ界からほぼ干され状態にあった。その理由は、初監督長編映画作品であった『ルパン三世 カリオストロ…

【書評】答えはシンプルに「正直」。『コミュニケーションは正直が9割』

著者は、田原総一朗。この人と言えば、私の世代的には「朝まで生テレビ!の人」ということでキマリだろう。その印象は、歯に衣着せぬ物言いで、スッパスッパと相手に切り込む。物怖じすることもなく、また忖度お構い無し。そんなところだろう。とにかく、長…

【書評】イマドキの学生さんは健康意識も高いってホント?『こんな会社で働きたい ニューノーマル対応の健康経営企業編』

企業経営者たる者、常に世のトレンドは掴んでおかねばならない。ましてや、今、望まれる会社とは? なんてテーマなら尚更読まねばなるまいよ。私が本書を手にしたモチーフは、まぁそんなところだ。たとえ、読んでみたら就活生を対象とした書籍だったとしても…

【書評】これからの仕事術。『仕事の研究』

著者は、電通入社後、サイバーエージェント、テイクアンドギヴ・ニーズ、タビオ、ストライプインターナショナル、ベクトル、ソウルドアウトなどのベンチャー企業の役員を歴任し、マーケティング・ブランディング業務をしてきている。それらの経験を元にした…

【書評】ナンセンスから純文学まで、言語を遊び尽くす。『エロチック街道』

多作を誇る著者のこと、次はどれを読もうかとAmazonを検索。短編集ゆえこれといった選択の基準というものが特には無い為、やや迷うのであるが、決めるに当たってやはりタイトルは重要な要素だ。しかし、だからといって、そう言う意味で選んだのではないこと…

【書評】過去よりも未来を見て、今のこの瞬間を大切に。『小林教授の肩の力を抜くとすべてよくなる』

人生をどう生きるか。自己啓発でもなく、哲学でもなく、医者として、そして60歳を超えた者という立場から書かれている本書では、冒頭に於いて、まず、肩の力を抜いてみてはどうかと読者に問いかけている。人に好かれたい、人に認められたい、褒められたい。…